本連載では、圓窓代表・澤円氏が、エンジニアとして“楽しい未来”を築いていくための秘訣をTech分野のニュースとともにお届けしていきます
スマートロボットとの共存は不可逆な流れ。「モノづくりとIT」のはざまを飛び越えられるエンジニアはチャンスだ【連載:澤円】
株式会社圓窓 代表取締役
澤 円(@madoka510)
立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。琉球大学客員教授。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。
著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界№1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『あたりまえを疑え。―自己実現できる働き方のヒントー』(セブン&アイ出版)/『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」 』(プレジデント社) Voicyアカウント:澤円の深夜の福音ラジオ オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム
皆さんこんにちは、澤です。
突然ですが、皆さんはロボット好きですか?
ボクは好きです。
ということで、今回のテーマは「ロボット」です。
人類は、古くからロボットに対して憧れと恐れを同時に抱いてきたように思います。
ボクの世代なら、マジンガーZやグレンダイザー、ゲッターロボや鋼鉄ジーグ。
その後でガンダムやマクロスが登場し、エヴァンゲリオンは時代をつくりました。
ハリウッドでは、日本のアニメに大いに影響を受けたパシフィック・リムが生まれて大ヒットしましたね。
これは、まさにロボットに対する憧れが映像として表現されていました。
その一方で、2001年宇宙の旅やターミネーターのように、人類を脅かす存在にもなりうるという解釈があるのも事実です。
人がすべてコントロールできている中においてはロボットは人類の味方になり、手を離れてしまうと恐ろしい脅威になるというのが一般的な図式です。
これまでは、どちらかと言えば産業ロボット以外のロボットはSFの世界の域を出なかったのですが、AIの発展に伴って、どんどんロボットは進化してきています。
先日、ソフトバンクの孫さんが、「スマートロボット=スマボ」について発表しました。
・孫正義氏、日本成長の要は「スマボ」と力説–AIロボットで「労働力×生産性」を向上へ
少子高齢化が進み、労働人口の減少が不可避である日本において、ロボットの活躍できる領域はめちゃくちゃ多いことは誰しも理解していることかと思います。
その一方で、「ロボットが人をケアする」ということに、一抹の不安をぬぐい切れない人がいるのも事実でしょう。
これはもう「慣れる」しかないかなと思っています。
個人個人の慣れ、社会的な慣れ、人類全体としての慣れ。
馬車から自動車へと時代が移り、「クルマと人間が共存する社会」が出来上がったように、人類はロボットと共存していく時代へと突入していくことになるでしょう。
これは、ボクの目には「不可逆な流れ」として見えています。
ロボットはより高度に発展し、「今までできなかったことができる」ロボットが次々に登場するでしょう。
ボストン・ダイナミクスの動物型ロボットの登場は、多くの人たちに驚きを与えてくれました。
あの動きは、動物っぽくありながら、動物を超えています。
リアルな動物っぽさを持ちながら顔の表情がないので「不気味さ」を感じる人も多くいるでしょう。
でも、実際にあのようなロボットがわれわれの生活をいろいろな場面でサポートしてくれるようになるのは、時間の問題でしょうし、デザインの力によってその不気味さは克服されるのかな、と思います。
日本人がロボット分野で活躍するのは、アニメの世界だけではなくなってきた
ロボットの話題でいつも思い出すのは、「GITAI」という会社です。
GITAIのCEO中ノ瀬さんとの出会いは、5年ほど前になります。
TECH LAB PAAKという、リクルートさんが運営していたスタートアップ向けコワーキングスペースで、プロトタイプを見せてもらいました。
イケメンでキャリアもピカピカ。でも、あふれ出るパッションに正直に生きていて、いろいろ放り出して突然あてもなくインドに渡って仲間を見つけ、起業することになったそうです。
プロトタイプは、100円ショップなどで買ってきた寄せ集めのパーツで組み立てられていて、見た目はずいぶんと武骨でした。
しかし、その体験はまさに「WOW」でした。
ロボットの頭部に取り付けられた360度のカメラの映像がWiFi経由でVRゴーグルに送られ、操作者はロボットの見ている世界を体験できます。
さらに、ロボットが何かを握ると、その感覚が操作者のはめたグローブに伝わって、触覚のフィードバックが得られます。
そのすごさは世界が放っておくわけもなく、中ノ瀬さんは米国Singularity Universityのメインプログラム(GSP)日本人として初参加。
その後、NASAと共同で宇宙での作業をするロボットの開発を行っています。
夢がありますよね~~~、日本人がこうやってロボットの分野で活躍するのは、アニメの世界だけではなくなってきたのです。
スマートロボットは「モノづくりエンジニア」と「ITエンジニア」が完全に融合しないと実現しないものです。
モノづくりとITは、さまざまな思想や文化が違い、今まではなかなかコラボができなかった分野のようです。
裏を返すと、このはざまを飛び越えられる人材は、これから大きく飛躍ができるチャンスがあるともいえるわけです。
ぜひ、エンジニアtypeをじっくり読んで、そんなチャンスを探してみてくださいね!
自分に嘘をつかない、
無理はしない。
だから、可能性が広がっていく。
マイクロソフトを卒業して、
自分らしく生きる僕が大事にしていること
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