面白かったけど、売れなかった伝説のゲームって山ほどあるんです。でもクリエーターは、それを美化したらダメ。
資本主義における社会貢献って、利益を出すことなんですよ。一企業が行う経済活動でありビジネスなのだから、利益が上がらなかったらそのゲームを楽しんでもらえなかったことと同義。
クリエーターは、面白いというバリューを出した対価として、ゲームを買ってくれるユーザーからお金をいただいている。
だから、「売れなかったけど面白いものを作れたからいいよね」って開き直っちゃいけないと思うんですよ。
GWはゲームに熱中! 作り手の情熱もセットで楽しまない? ゲーム開発者のインタビュー記事5選【まとめ】
日々エネルギッシュに働いているエンジニアの中には、このゴールデンウィークを心待ちにしていた方も多いかもしれない。
待ちに待った休息タイム、「じっくりと時間を掛けてゲームを楽しみたい」という人もいるのでは?
ということで、今回は過去エンジニアtypeに登場したゲーム開発者のインタビュー記事をピックアップしてご紹介! 開発者の熱意を感じながら、お気に入りのゲームを楽しんでみてはいかがだろうか。
目次
ゲームは売れなきゃ絶対的に意味がない。元セガ・名越稔洋が示す「面白ければいい」へのアンチテーゼ
2021年10月に31年務めたセガを退社し、「世界に新たな作品を届ける挑戦をしたい」と名越スタジオを設立した名越稔洋さん。
これまでに、シリーズ累計1700万本を超えた『龍が如く』シリーズや、『ジャッジアイズ』シリーズなど数々のヒットゲームを生み出し、ユーザーを熱狂させてきた。
「面白いだけじゃなく、ちゃんと売れるゲームを作れないクリエーターは負けだと思う」と語る名越さん。
はやり廃りの激しいゲームの世界で、国内外のファンを熱狂させるタイトルは名越さんのどんな「自分軸」から生まれているのだろうか。
『Pokémon GO』開発者・野村達雄氏が語るキャリアの転機――ギークなエンジニアからプロダクトマネジャーへ
続いては『Pokémon GO』を開発したエンジニア・野村達雄さん。
圧倒的な技術力と発想力を兼ね備えた野村さんの原動力や、彼にとっての転機が語られている本記事は、ものづくりに関わる全てのエンジニアの参考になに違いない。
エンジニアとしてコードを書くのは大好きですが、よりインパクトの大きい役割を担うにはエンジニアのままでは難しい。覚悟を決めてプロダクトマネジャーになりました。
ただ、気持ちとしては今でもいちエンジニアのつもりですし、時間を見つけてはコードを書いています。職務としての要請からではなく、自分の情熱がそうさせているんです。
自分にマネジメントが向いているかは分かりませんが、自分がマネジメントされていた時の気持ちを忘れないことが大事だと思っています。
マネジャーのもとで部下として働いていた時、自分はどんなことを感じ、何に困っていたか。日々それを思い出しながら、プロジェクトメンバーたちと接しています。
「ヒットさせたい」で作るのはブレるしダサい。『ダンガンロンパ』小高和剛に聞く“自信作”を生むセオリー
続いては、『ダンガンロンパ』シリーズの企画・シナリオを手掛けたゲームクリエイターであり、ゲーム開発会社トゥーキョーゲームス代表の小高和剛さんへのインタビュー。
リリースしたゲームに対してファンから批判の声が上がった過去を振り返り、「叩かれるの恐れて媚びて作っちゃダサいよね」と語る小高さんの言葉に背中を押され、より一層ものづくりに励んだ読者も多いだろう。
そもそもヒットする作品は「想定外のお客さんが入ってくること」が大きな要因だと思っています。『ダンガンロンパ』もですけど、最初のターゲット以外のお客さんが入ってきたことでヒットにつながった。
でも、それをコントロールできる人はいないと思うんですよ。「想定外のお客さん」を呼び込むための条件や手法なんて誰にも分からない。それができたらどの作品も成功するので。だから、「国民的ヒット作品を作りたい」と、はなから思ってものづくりをすること自体ダサいなと思っていて。
「想定外のお客さんを意識しすぎている=媚びている」ことにつながるし、見えない人に向かって作っていると作品のビジョンや軸もブレていきますからね。
制作5年目でゼロから作り直し、2年の発売延期…『エースコンバット7』河野一聡が貫くスピード重視時代の“正しいこだわり”
4人目に紹介するのは、バンダイナムコエンターテインメントから発売されているフライトシューティングゲーム『エースコンバット』のブランドディレクターを務める河野一聡さんだ。
『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』は、作り手たちのこだわりから発売を2年延期。河野さんはなぜそこまでクオリティーを突き詰めるのか。全クリエーターが学ぶべき、「正しいこだわり方」とは。
もしかすると、その時のクオリティーでも最低限の「顧客満足」は担保できていたかもしれません。だけど、ユーザーにお金を払ってプレイしていただくことに値しない。圧倒的な顧客感動は生まれない。このままでは、絶対に感動を届けることができない、と判断したんです。
「顧客感動」までクオリティーを高めなければ、20年以上続いてきた「エースコンバットシリーズ」がここで死んでしまう。中途半端に出すわけにはいきませんでした。
【野田クリスタル】「バグも拙さも逆手に取っちゃえば?」芸人プログラマーにアウトプットのハードルを下げるコツを聞いてみた
最後にご紹介するのは、お笑い芸人のマヂカルラブリー・野田クリスタルさんだ。「野田ゲー」と呼ばれるゲームを開発している野田さん。しかしそれは、お世辞にも完成度の高いゲームではない。バグがあったりアプリが落ちたりすることを本人も公言しているほどだ。
エンジニアtype読者の中にも、技術ブログを書いたり、自作のアプリを作ったりと、アウトプットに挑戦する重要性を理解しているエンジニアは多いだろう。しかし、いざ何かやろうとしても尻込みしてしまうものだ。普段の仕事でアウトプットの質を重視している人ならなおさら、「完璧ではないもの」を世の中に出すことに抵抗を持ってしまうこともある。
そんな悩みを野田さんにぶつけてみたところ、出てきた答えとは?
自分のゲームは「数撃ちゃ当たる」うちの当たらなかったゴミであり、いつか当たるために今終わってるんだと。
「自分は数撃ちゃ当たるで当たったゲームのための犠牲者である」という気持ちで、あまり深いことを考えずに作ってほしいですね。
文・エンジニアtype編集部
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