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「あの人は成長してるのに」というつまずきから気付いた、自分なりの技術力の磨き方/ばんくし【聴くエンジニアtype Vol.35】

働き方

エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! さまざまな領域で活躍するエンジニアやCTO、テクノロジーに関わる人々へのインタビューを通じて、エンジニアとして成長していくための秘訣を探っていきます。
>音声で聴きたい方はこちら

これまで数々のお悩みに回答してきた『聴くエンジニアtype』が、番組内容をリニューアル!

MCとゲストの対談形式で、エンジニアとしての成長のヒントを探っていく。ゲストにはさまざまなフィールドで活躍するエンジニアやCTO、識者が次々登場予定だ。

記念すべき一人目のゲストは、これまでMCを務めてきたばんくしさん。エンジニアtype編集部がMCとなって、ばんくしさんのキャリアの変遷やエンジニアとしてどう成長してきたのか、これまでの歩みを伺った。

プロフィール画像

【ゲスト】
エムスリー株式会社 VPoE
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish

Sansan株式会社、Yahoo! JAPAN、エムスリー株式会社の機械学習エンジニア、チームリーダーの経験を経てCADDiにジョイン。AI LabにてTech Leadとしてチーム立ち上げ、マネジメント、MLOpsやチームの環境整備、プロダクト開発を行う。2023年5月よりエムスリー株式会社3代目VPoEに就任。業務の傍ら、趣味開発チームBolder’sの企画、運営、開発者としての参加や、XGBoostやLightGBMなど機械学習関連OSSのRust wrapperメンテナ等の活動を行っている

「みんなで何かを作る面白さ」が原動力

ーーご存じの方も多いと思いますが、改めてばんくしさんの経歴を教えてください。

私は工学系の高専出身で、もともとは電力会社などの電気系の会社に就職するつもりで勉強をしていました。

高専4年の時に、AIでゲームを攻略するソフトウエアを作る課題が出たんです。そこでアルゴリズムの面白さに気付いて、ソフトウェアエンジニアに進むべく情報系の大学に編入。AIの基礎や機械学習について学びました。

その後大学院を出た後はSansan、ヤフー、エムスリー、CADDiといった会社で機械学習エンジニアやチームのマネジメントに従事してきました。社会人になってからはソフトウエアエンジニアとしてコードを書く以外にも、HRのリーダーやプロジェクトマネジメント、SIerでいうところの上流工程のタスクなど、とにかく何でもやって、いろいろなプロジェクトを成功させるところに楽しさを感じています。

ーーばんくしさんの情熱の源泉は、高専で経験した「みんなで何かを作る面白さ」という部分にあるんでしょうか。

そうですね。みんなが一つのテーマでものを作ったり、イベントや目的を成功させようとしたりする空気感が好きなんですよ。そして、そういう空気感は「ビジネスで成果を出す」という視点でもすごく大事だということに気付いたんです。

実はそのことに気付いたのはここ2年くらいの話でして。その辺りからいろんなことに情熱を持って取り組むようになりました。今振り返ると、昔はもっと冷めていましたね(笑)

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他者と比べず自分に合った学び方を見つけることが成長の鍵

ーーさまざまな経験を持つばんくしさんが、エンジニアとしての成長を一番感じた瞬間はいつですか?

私の成長につながった要素は「技術」と「学び方」の二つです。

まずは「技術」の話から。今でこそ詳しい人が書いたテックブログなどを見れば大体のことが調べられると思うのですが、私がヤフーにいた当時はまだ分散深層学習と呼ばれる分野に携わる人はほとんどいなかったんです。

情報がない中で、そもそも世の中にないソフトウエアを自分で作ったり、Preferred Networksが出していた分散深層学習のフレームワークであるChainerを読み込んだり……。時間の制約がある中で暗闇でもがき続けた経験が、技術的に一番成長につながったと感じます。

ーーその経験のおかげで、以降の成長スピードが上がったのでは?

はい。ヤフーの次にジョインしたエムスリーでは技術の習得スピードがめちゃくちゃ上がった実感があります。

ここからが、成長につながったもう一つの要素である「学び方」の話になります。

エムスリーに入社した当時、現在SansanでVPoEをされている西場さんが上司だったんです。西場さんの成長スタイルは、とにかく本を読んで、事前に学習した大量の情報を技術にぶつける……という方法でした。

最初は私もそのやり方を取り入れていたのですが、どうもしっくりこなくて。そこで、自分の場合は手を動かして学び、学んなことを生かしてまた手を動かして……というサイクルの方が成長できると気付いたんです。

最初のうちは「西場さんはこの方法で成長しているのに、どうして自分はできないんだろう」と悩みましたが、自分にあった方法を知ってからは学習スピードが格段に上がったと感じています。

今ではどう動けば自分が欲しい情報を得たり、やりたいことが実現できたりするかを把握するのも早くなりましたね。

ーー若手のエンジニアが自分なりの成長のヒントを見つけるためには、何が必要だと思いますか?

目の前の仕事や学習がうまくいかなかったら振り返りの時間をしっかり作って、「なんで失敗したか」「もう少しできることはなかったか」という点を言語化することが大事だと思います。

実際、西場さんと同じやり方で成功しなかったときは「このやり方は自分に合っていたのか」「どこが辛くて、どこが易しかったっか?」を考えました。全員が成功するやり方はないので、自分ならではの方法を編み出すことが大切です。

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もし自分一人で振り返るのが難しいのであれば、他の人の言語化能力を借りて「次はこうしてみよう」を見つけるのも良いと思います。とはいえ、全ての人にとって言語化が必要とも限らない。とにかくやりこむことで成長する人もいるし、自分の感性だけでうまくいく人もいます。

今いる場所や性格、自分なりの物事の感じ方を大事にするのが良いと思いますよ。

ーーあえて他人と比較することで新たな気付きが得られる可能性もありそうですね。

比較するのって怖いですけど、成長にとっては大事なキーワードだと思います。客観的な目線で他人と自分を比較して、「もう少しできるかも」というポイントを見つけるのが大切ですね。

次回もゲストにばんくしさんをお迎えし、お話を伺います。お楽しみに!

文/赤池沙希

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