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SIerから自社開発企業への転職を目指すときに注意したい三つのポイント

転職

    ~サカモト@エンジニアキャリア論が回答~

    エンジニアのための「転職&キャリア」相談室

    有名テック企業への転職、年収アップ、理想のキャリアを築くための方法は? エンジニアのための無料キャリア相談で人気の「サカモト@エンジニアキャリア論」さんが、エンジニアから実際に寄せられた相談内容をもとに、転職成功の秘訣や年収・キャリアアップに役立つ情報を紹介していきます!

    こんにちは、サカモトです。

    私のところによく寄せられる相談の中に、「SIerで働いているのですが、下請け企業の管理やプロジェクトマネジメント的な働き方を求められており、エンジニアとしてもっとハンズオンの開発業務に携わりたいので、自社開発企業に転職したいと考えています」というものがあります。

    しかしながら、待遇面での改善を図りつつ、SIer・受託企業から自社開発企業への転職を成功させることは、決して容易ではありません。

    その主な理由は、自社開発企業特有の文化や価値観、ビジネスモデルの違いにあります。転職の際にはこの点を十分に理解し、適応していく必要があります。

    今回の記事では、このテーマについて三つのポイントからアドバイスをしていきます。

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    サカモト@エンジニアキャリア論さん(@sakamoto_582

    とある外資系企業のソフトウエアエンジニア。Twitternoteなどで、テック企業の面接情報、面接で聞かれる技術質問の解説、さまざまなエンジニアのキャリアストーリーなどを中心に情報発信中

    1.自社開発企業のビジョン共感について

    自社開発企業では、働く社員に対して会社のビジョンや製品に対する強い共感を求めることが大前提となっています。

    しかし、馴染みのない分野の製品に対して、いきなり情熱を持つのは非常に難しいこと。例えば、建設業界に携わったことがない人が、突然建設業向けのSaaSに興味を持つことができるでしょうか? おそらく、ほとんどの人にとって簡単ではないはずです。

    私が未知の分野の企業に応募し、真っ当な志望動機が思い浮かばない際には、いつも次のような質問をするようにしています。

    「この会社に応募したのは、職務内容が自分の経験とマッチしていたからです。ただ、私はまだこの業界についての知識が不足しています。御社の事業について、特にエキサイティングと感じるところを知りたいです」

    相手の答えの中から、自分が興味を持てる部分を見つけ出し、それに対する共感を面接の中で示していきます。つまり、自分で無理に考えた内容を伝えるよりも、相手の言葉から答えを引き出す方が、はるかに自然で説得力のある応答ができるのです。

    サカモトさん

    もちろん、事前に業界について深く調査し、自分なりの答えを用意できる場合は、このテクニックを使う必要はありません。しかし、複数の企業に同時に応募することを考えると、社会人の場合、一社一社について深く調べる時間的な余裕はなかなか取れないものです。皆さんも、状況に応じた有効手段として活用してみてください。

    2.カルチャーフィットについて

    SIer・受託開発から自社開発企業への転職を考える際、最も重要なポイントは「カルチャーフィット」。つまり自社の文化への適合度合いです。

    カルチャーフィットという言葉は抽象的で捉えどころがない面もありますが、要するに「自社の行動指針や価値観に適切に沿って、エンジニアとして働く事ができるかどうか」を見極めることを指します。

    企業の価値観や行動指針の代表例としては、Amazonの「Our Leadership Principles(OLP)」が挙げられます。多くの場合、求人情報の中に求める人物像が記載されているので、見落とさないようにチェックしましょう。

    サカモトさん

    ただし、SIer・受託開発から転職する際には、もう一つ重要な意識の違いを理解しておく必要があります。それは、SIer・受託開発と自社開発企業とでは、システム開発のビジネス上の目的が大きく異なるという点です。

    SIer・受託開発では、顧客に代わってシステムを開発することで、その労働の対価を得るというビジネスモデルが基本です。

    一方、自社開発企業では、システムを開発するだけでは利益は生まれません。開発したシステムを利用するユーザーに対して価値を提供し、初めて収益が生まれるのです。

    つまり、自社開発企業にとって、システム開発はあくまで手段であり、システムを通じてユーザーを満足させることこそが最大の目的なのです。

    これを読むと当たり前のように感じるかもしれませんが、特にジュニアレベルのエンジニアの中には、この前提を十分に理解した上で面接に臨める人は多くありません。面接の場では、折に触れて「ユーザーのためにシステム開発をしたい」という意欲を示すことが大切です。

    3.技術面接について

    自社開発企業の中でも有名企業になるほど、転職の際には厳しい技術面接が待ち構えています。

    基本的には、これまで経験したプロジェクトについて詳しく説明し、そこで用いられた技術スタック、開発手法、コードレビュー、テストなどについて、深く議論することになります。

    対策としては、今までの仕事を振り返り、詳しく質問されても十分に答えられるよう、準備をしておくことが重要です。

    特に、「技術的に最も困難だった部分は何か」という質問は頻出です。例えば、パフォーマンス改善について話す場合は、問題の発見→原因の特定→解決策の立案→結果の検証という一連の流れを、論理的に説明できるようにしておきましょう。

    サカモトさん

    また、企業によっては、面接中に具体的な設計課題を出し、システム設計力を試すスタイルを取り入れるケースも増えてきています。

    私自身、過去の面接で「世界中で使われるチャットシステムの設計」「短縮URLサービスの設計」「Dropboxのようなサービスの設計」といった課題が出されたことがあります。

    このような質問に対応するには、豊富なシステム開発経験が求められます。自身の経験が不足していると感じる場合は、書籍などで知識を深めておくことをオススメします。

    最後に

    今回はSIer・自社開発企業への転職について話していきました。読者の皆さんにはこちらの記事を読んで、少しでもキャリアのサポートになればと思います。

    最後に、『エンジニアtype』読者の皆さんからも相談があれば、ぜひサカモトのTwitterまでDMください。模擬面接を通して率直なフィードバックも可能です!

    >>https://twitter.com/sakamoto_582

    ※応募前に『note』記載の応募条件をご確認ください。相談内容(DMと通話内容)に関しては、個人情報は伏せたかたちで、SNSや記事等でコンテンツ化させていただくことがあります

    ※こちらの記事はInterviewCatを参考に書かれています。

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