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動画配信業界を牽引するPLAY CTO・宮島大輔のキャリアに学ぶ、「領域特化型フルスタックエンジニア」としてのキャリアメークとは

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「転職が当たり前」となった現代では、一つの領域、一つのプロダクトに特化してキャリアを描くよりも、さまざまなジャンルのプロダクトやサービスの開発を経験した方が、身に付くスキルやキャリアの幅は広がっていくように思える。実際、そう考えるエンジニアも少なくないだろう。

そんな時代に、一つの事業領域に特化し、業界のテクノロジーとビジネスをけん引する人物がいる。

HuluやTVerといった大手動画配信サービスで使用されるプラットフォーム開発を手掛ける、株式会社PLAYのCTO 宮島大輔さんだ。2011年に前身の株式会社ロジックロジックに入社して以来、一貫して動画配信領域で開発に従事。PLAYを業界を牽引する存在にまで事業を成長させた立役者であり、その実力を買われ、24年7月にはTVerの執行役員CTO、同年10月のTVerとPLAYの業務提携を機にCOO補佐にも就任した。

宮島さんは「特定領域に専念することが正解だとは言いません。ただ決して不正解でもないし、損ではないと思います」と話す。自身のキャリアを振り返りながら、その真意を語ってもらった。

プロフィール画像

株式会社PLAY
取締役CTO
宮島大輔さん

東京大学経済学部卒。2011年、PLAYの前身となる株式会社ロジックロジック入社、12年8月取締役に就任。19年7月、株式会社PLAY発足にあたり、取締役COOに就任。24年7月より取締役CTO(現任)。大手放送局のOTT動画配信プラットフォームやライブ配信プラットフォームにおけるシステム構築設計、プロダクト開発、ビジネス戦略など事業全般を統括。24年7月より、株式会社TVer 執行役員CTOに就任。

一つの領域に深く関わり、フルスタックな存在になったワケ

宮島さんが大学生であった2010年前後は、日本では初代iPhoneが発売され、インターネットビジネスの主役がパソコンからスマートフォンへと大きく変わり始めた時期。モバイルネットワークも3Gから4Gに切り替わり、スマートフォンを通して手のひらで動画が見られる、そんな今の当たり前が実現する直前、いわば「動画配信の黎明期」だった。

「PLAYに参画し、今後どの領域で勝負をかけていけば良いかと考えていたとき、縁があって皆さんもよく知っているスポーツのライブ配信に関わる機会がありました。テレビでもPCでもない環境で動画を、それもライブ配信を見ることができる。さらにはそれを自分たちの技術で実現できることを目の当たりにし、大きな可能性を感じて注力することに決めたんです」

株式会社PLAY CTO 宮島さん インタビュー風景

当時はソーシャルゲーム、スマートフォンゲームの全盛期。その中で、当時の宮島さんは動画配信に大きなビジネスチャンスと社会的インパクトを見出した。

「実は、学生の頃は技術者志望だったわけじゃないんです。経済学部出身で、エンジニアとしての専門的な勉強もしていませんでしたから。私が学生、社会人になりたての頃は、まだインターネットのエンジニアが今ほど持てはやされるような時代でもありませんでした」

そんな中で、宮島さんはどうやって動画配信ビジネスへの第一歩を踏み出したのだろうか。

「動画配信の方法を調べて手探りでシステムを構築していく中で、多くのインターネットサービスのシステム構築で用いられる一般的な技術で開発できることが分かりました。当時はまだAWSの東京リージョンもあるかないかくらいの時代で、今ほど手軽にできるものではありませんでしたが、データセンターから配信をするなどして徐々にコンテンツを広げていきました。

今考えると、立ち上げ当初のシステムはお粗末なものだったなと思います。ただ動画配信を伸ばしていくと決めた以上、何とかするしかない。いろいろと試行錯誤しながら、プロダクトづくりを進めていきました。お客さまにも恵まれたと思います。『コンテンツをどう視聴者に届けるか』に熱心な方々と取り組めたことが、私たちのプロダクトのエンハンスにもつながっていきました」

視聴者に価値ある体験を届けることを最優先に据え、限られた技術でできることを追求し続けた結果、独自の解決策が生まれていった。こうして積み重ねた経験が、プロダクトの進化を支える礎となり、次第に市場での競争力を高める要因となったのだろう。

「結果的には、『手元にある技術をどう活かすか』ではなく『動画をユーザーに届けるためにどんな技術を使うべきか』というアプローチを取ることになりました。とはいえ当初の私たちは、活かす技術そのものを持ち合わせていなかった。どちらかを選ぶ選択肢は、あってないようなものでした。

ただ今になって考えると、それが良かったようにも思います。『どうやったら我々のプロダクトを使ってもらえるか』『どうやったらビジネスとして成り立たせられるか』そんなことを考えながら進めていくうちに、個人としても組織としても技術力が付いていきましたから」

自分の手で事業を成長させていきたい。その思いを胸に宮島さんは、今日にいたるまで動画配信領域でキャリアを重ねてきた。これまで、HuluやTVerなど誰もが知る大手動画配信サービスで用いられるプラットフォーム開発をけん引。今やPLAYは、動画配信サービスのプラットフォーム提供会社として国内トップシェアを誇るまでに成長している。

そんな宮島さんが、10年以上にわたって動画配信ビジネスに専念してきた理由とは何か。本人曰く、誰もが知るようなコンテンツやイベントを配信することで得られる『確かに自分たちの技術が使われている充実感』にあるという。

「例えばECサイトや他のメディアサイトと動画サービスの一番の違いは、ユーザーが一つの画面に滞在して一つの動画を見続けるという、動画特有の行動があることです。ゲームも似たような側面がありますが、ゲームとも違ってユーザーは手を動かす事なく動画を視聴します。何十万人ものユーザーがリアルタイムで同時に接続し、同じ映像を見る、シンプルに視聴するという行為だからこそ、ちょっとしたパフォーマンスの劣化だけでユーザーは気付いてしまいます。

技術者としてはもの凄いプレッシャーです。だけどそれは、同時にやりがいでもある。自分たちのサービスがたしかに使われているという実感が湧いてきますし、社会への影響力も強く感じられます」

株式会社PLAY CTO 宮島さん インタビュー風景

携わる事業領域を特化しても、”技術の本質”を理解すれば業務の幅は狭まらない

やりがいがあるとはいえ、長年同じ領域に携わり続けていたら、別領域に手を伸ばしたくなる瞬間もあったのではないか。それこそ、事業の広がりに不安を覚えることはなかったのだろうか。

その疑問に宮島さんは「特定のジャンルに特化するキャリアでも、多様な技術や開発環境を扱うことはできる」と答える。

「動画配信では、膨大なトラフィックをさばきながら高パフォーマンスを実現する必要があります。そのためには、ソフトウエアやコードの知識だけでは不十分。ネットワークやサーバーなどインフラ関係の知識も必要になることもたくさんあります。PLAYでは大切なコンテンツを預かっていますし、有料配信を支援する場合は顧客管理機能も提供するので、当然セキュリティーの強化も必要です。

また視聴者が触るアプリでのユーザー体験もとても大切ですから、デザインやパフォーマンスにも高品質なレベルが求められる。視聴者のネットワーク環境や端末環境はバラバラなので、QoSのツールを作ったり外部サービスを導入したりしながら、最適化もしていかなければなりません。ここ数年は、機械学習を活用しながらレコメンド機能を開発することもありますし、ログデータを活用したデータ解析も行なっています」

これだけ幅広い知識やスキルが必要となるのであれば、同じ領域に特化しても業務の幅が狭まることなく、むしろ“フルスタックな存在”になっていくのは納得だ。

「動画配信では特に顕著なことかもしれませんが、どのような事業領域でも同じことなのではないでしょうか。一定規模のサービスになってくると、解決しなければならない問題が多面的に出てくる。プロダクトのクオリティーを求めると、問題解決には本質的かつ多面的なアプローチをせざるを得ない。

『領域に特化する』とは言い換えると、その領域で受け入れられるプロダクトやサービスを磨き続けなければならないことでもある。その実現手段としてフルスタック化していき、技術者の幅の広がりにつながっているのがPLAYの実情です」

優れた成果を残せるエンジニアになるには、技術者としての土台となる基礎知識やスキル、いわば技術の原理原則を理解することが欠かせない。そうした“技術の本質”を理解するためには、多様な技術に触れる必要があるということなのだろう。

株式会社PLAY CTO 宮島さん インタビュー風景

動画配信ビジネスの先駆者が見据える未来

宮島さんはPLAYのCTOとしてだけではなく、業界最大手・TVerのCTOにも就任し活躍の場を広げている。業界をリードする存在として、今後はより一層『動画配信業界全体』を盛り上げていきたいという。

動画配信サービスは、既に生活になくてはならないインフラとも言える存在です。多くのシーンではTV番組や映画、アニメ、スポーツコンテンツなど、エンターテインメントコンテンツが視聴されますが、地震発生時など、無くてはならない情報を届けるためにも活用されています。作り手と視聴者の双方にとって大切なコンテンツを届ける役割を担っているわけですから、大きな責任を感じています」

コンサートやイベントがライブ配信されたり、自宅からオンラインで会議に出たり、飲み会までもがオンラインで行われたコロナ禍を経て、動画配信は私たちの日常に欠かせないものになった。現在では、一人でも簡単にライブ配信ができる。しかし、大規模な配信を問題なく成立させるための環境作りは簡単ではない。

「大規模な配信を問題なく成立させたり、大量にあるコンテンツを適切にユーザーに届けたりするには、インフラの強化や最新技術の導入が不可欠です。特に、視聴者の増加に対応できるスケーラビリティーと、安定した視聴体験を提供するための低遅延技術の実装が鍵となります。こうしたシステム全体の最適化に取り組むことが、私たちの使命であり、責任です」

もはや欠かせない生活インフラの一つとなり、着実に利用者を増やしている動画配信プラットフォーム市場。その先頭を走る宮島さんは、動画配信ビジネスの未来をどう考えているのだろうか。

「技術が進化し、誰でも簡単に世界に配信できる状況になったことで、日本と世界との距離は明らかに縮まっています。AIを活用した自動での字幕の作成や吹き替えの技術が本格的に運用されるケースもでてきました。技術の力で言葉の壁を越えられれば、日本のコンテンツが世界を駆け巡る時代もそう遠くはない。そんな未来を、切り開いていく存在となりたいです」

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文/宮﨑まきこ 撮影/桑原美樹 編集/今中康達(編集部)

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