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AIエンジニア候補*官公庁向け医療保険関連大型プロ...
超高齢社会を支える医療ビッグデータ解析に挑む! 国家プロジェクト参画ベンチャーが見据えるNEXTステップ
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WHO(世界保健機構)によれば、「高齢化社会」とは「全人口に占める65歳以上の高齢者の割合が7%を超えた」場合のこと。そしてこの比率が21%を超えた時「超高齢社会」と呼ばれる。日本はこの基準を2007年の時点で突破。2016年には27%を超え、実に4人に1人が65歳以上という、世界でもまれに見る状況にいる。
もちろん行政も、早くから超高齢社会に対応できる仕組みや体制の構築を目指してきたわけだが、その中でも極めて重要性の高い取り組みが医療保険システムの最適化と向上だ。各地の自治体や官庁が利用する医療保険システム関連のデータベース開発は、数年前から本格化して現在に至っている。
そしてこのプロジェクトの一翼を担う形で2012年から参画しているのがアイズテクノロジーだ。ベンチャー企業である同社が担っている使命とは? そして、このプロジェクトを通して目の前に広がり始めた大きな可能性とは? 代表を務める朝倉聡氏をはじめ、同プロジェクトに携わる面々に話を聞いた。
超高齢社会を支えるために“未病”の実現を目指す
「医療に関わる仕組みや取り組みを改善することで、一人一人の国民が歳をとってもアクティブに活動できる世の中にしていく。それがこの国の大きな課題だといえます。
日本には世界に誇れる国民皆保険の制度が根付いていますから、さまざまな局面で得られる膨大なデータを集約し、先進的なテクノロジーも用いて効果的に活用することができれば、未病・予防といった側面をさらに充実させることができます。
我々のようなベンチャーであっても、強みとする技術力を駆使すれば、こうした壮大な取り組みの一端で貢献していくことができる。そう理解して、2012年以来、この国家プロジェクトにデータベース開発の領域で参画し続けているんです」
アイズテクノロジー代表取締役の朝倉聡氏はこう語る。医療保険制度を通じて入手できるデータについては、「いかにセキュアなデータベースを構築し、安全性を確保するか」という命題がある。同プロジェクトでこれまで取り組んできたのは、まさにこの課題解決に向けたデータベース開発だった。5年の月日をかけ、そのファーストステップをクリアしつつある今、次なるステップと目されるのが「疾病の予防などへの活用を目的としたビッグデータ解析」なのだという。
「アイズテクノロジーが保有するデータベース関連の技術は、もちろん企業のシステム開発や業績向上にも貢献できるものですし、当然そうしたプロジェクトもこれまで多数手掛けてきました。しかし、そもそも我々は『感動を呼ぶITサービス』を理念に掲げてきた集団です。国民のリアルな生活や人生に関わる今回のプロジェクトには、社を挙げて取り組んでいるんです」
コンピュータメーカーの最前線で長年研鑽を積み重ね、地位を得ていたにも関わらず、アイズテクノロジーの理念に共感したことから転職を決意したという長積氏。それだけに、同社が注力する「医療×テクノロジー」という取り組みの社会的意義の重さと深さを多くの人に伝えたい気持ちがある。
一方、同プロジェクトへの参画を前提に入社をしたという技術開発部の小俣佳則氏は、現場の状況を以下のように説明する。
「何といっても全国から膨大な量のデータが集まってきます。それらをクレンジングし、機密性を保持しながら集積・集約していく作業は容易ではありませんでした。それでもこの5年間で、ようやく形は整いつつあります。
ここからは、多様なビッグデータ解析の手法やAI、ディープラーニングなどの技術を駆使して、付加価値を生み出していくチャレンジに着手していける。そう考えると、技術者としてもワクワクしてくるんですよ」
小俣氏をはじめとする開発チームを統括する立場にもある石垣雄氏も、今後の可能性についてこう語る。
「中央と地方、行政機関や医療機関、というように実に多くの人々が携わっている事業ですから、データ解析の結果はさまざまな場面で活用ニーズがあるはずです。
次世代へ向けた国の健康・医療戦略構想や、地域における医療の在り方に貢献したり、関連企業に向けた医療特化型データサービスなどにつながっていくことにもなるでしょう」
もちろん、これまでの開発でも、その後のビッグデータ解析のフェーズを見据えてデータベース構築を進めてきた。社会貢献としての意義、新たなフィールドでの技術的チャレンジとしての醍醐味、その両方が今まさに花を咲かせようとしているのだ。
「人生100年時代」の日本社会を創る担い手として
実際のところ、医療保険上のビッグデータ解析はどのように「国民の未病・予防」につながるのだろうか?
「データを解析していった結果、Aという症状のある人の多くが、全く別のBという病気にもかかっているという傾向が強く現れたとしたら、その解析結果を医療機関は注目するでしょうし、専門家の間で関連性を裏付ける発見がなされるかもしれません。もちろん民間企業も、そこから新たなサービスのニーズを見いだすことがあるでしょう。そうなれば私たちが日々健康に生活するための知恵と情報が強化されていくわけです」(朝倉氏)
朝倉氏が提示した例に限らず、データ解析によって国民の健康増進を図る施策を生み出せる可能性は無限に広がっていく。この国家プロジェクト全体が成功すれば、そこからまた新たなビジネスチャンスも生まれるだろう。
安倍政権は「人生100年時代構想」という経済戦略も掲げているが、高齢者の多くが介護や医療の支えを多く必要とする状態ではこの戦略も機能しない。アクティブなシニアが増え、医療費の高騰が国の財政を逼迫させる現状を打破した時、初めて世界に例のない「豊かな超高齢社会」が実現する。そこにまた先進IT技術が効果的に活用される局面も生まれてくるはず。言うなればアイズテクノロジーのチャレンジは、前人未踏の市場開拓でもある。
だからこそ、同社は今、組織と人材の強化に動き出しているという。朝倉氏と石垣氏が声をそろえて言う。「エンジニアにとって、こんな大きなチャンスは他にはない」と。では、具体的にどんな人材が望まれているのか? 最前線にいる小俣氏は言う。
「医療業界でデータベース構築に携わったことのあるエンジニアであれば、もちろん即戦力となりますが、なかなかそうした経験者はいません。
それでも、前提となるデータベースやその解析について経験を持っていて、なおかつ独自な世界である医療保険の領域に関心を持って、知見を得ていくことに積極的なエンジニアであれば活躍のチャンスは十分あると思っています。何しろ自分自身がまさにそうですから(笑)。
入社して2年が経つ今も日々勉強の連続ですが、この仕事の意義深さをいつも実感していますよ」(小俣氏)
さらに石垣氏や長氏はこうも語る。
「Pythonを用いたことのあるエンジニア、AIやディープラーニングなどの技術に通じている技術者も熱望しています。まだまだ経験者の絶対数が少ない領域ですが、だからこそこの自分たちが生きる社会により貢献できる分野で、その知見を活かしてほしいと思っています」(石垣氏)
「IT技術者の多くは開発プロジェクトの中で“時間売り”的な働き方が根付いてしまっていると思います。
でも、アイズテクノロジーが挑んでいくのは、労働集約型のシステム開発からの脱却です。ここまでお話してきたように、より付加価値創出・提供型のITサービスを担えるようビジネス領域を広げていく方針です。技術スペック的なバックボーンもさることながら、本当にやりがいのある働き方を探している方にも、ぜひ注目してほしいですね」(長氏)
そして最後に、代表の朝倉氏は話をこう締めくくってくれた。
「世界のどこにも前例のない超高齢社会の日本では、今後、衣食住ならぬ“医食住”が人生設計の柱になります。自分自身が生きていく上で避けて通れないこの課題にどう向き合っていくか。それを本気で考え、手を打っていくことに我々は大きな使命感を感じています。
オンリーワンの付加価値を生み出しながら、エンジニアとしても成長していきたい、という意欲のある方と一緒にこのチャレンジを進めていきたい。そう願っています」(朝倉氏)
同社自らが築いた土台の上に、先端技術を駆使した新たなサービスが生まれる日も、そう遠くない未来といえそうだ。
取材・文/森川直樹 撮影/小林 正(スポック)
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