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エンジニア女優・池澤あやかは「勘違い」から誕生した!? プログラミングに魅せられたRubyの女神の素顔とは

働き方

    池澤あやか

    プログラミングができる芸能人として人気急上昇中の「いけあや」こと池澤あやかさん。「Rubyの女神」と呼ばれる「エンジニア・池澤あやか」は、いかにして誕生したのか。開発者として具体的にどのような活動をしているのか。意外すぎる素顔に迫った。

    プロフィール画像

    女優・エンジニア
    池澤あやかさん

    【SNS】TwitterInstagram
    1991年(平成3年)7月28日、大分県生まれ。慶應義塾大学SFC環境情報学部を卒業(2014年3月)。06年の第6回東宝シンデレラオーディションで審査員特別賞を受賞し、同年映画『ラフ』にてデビュー。映画『デトロイト・メタル・シティ』やドラマ『斉藤さん』などの他、舞台やCMに出演。タレントとして活躍する一方、プログラミングができる女優として人気が急上昇。現在、毎週月曜21時(生放送)からインターネットテレビ『Abema Prime』にレギュラーMCとして出演中

    ※本記事は、『ツイキャス』を運営するモイの代表取締役で、経験豊富なエンジニア赤松洋介氏が、週替わりで旬なスタートアップのエンジニアや起業家を招いて放談する「モイめし」の内容より作成しております

    流れで受けたオーディションから、女優・池澤あやかへ

    ――女優とエンジニアの兼業という珍しいキャリアをお持ちの池澤さん。まず、芸能界に入ったきっかけは何だったのでしょうか?

    中学3年のころ、母が読んでいた雑誌に現在所属している東宝芸能という事務所のオーディションのお知らせが載っていて。母が昔、地方のアナウンサーをやっていた関係で、芸能界と近しい関係にあったということもあり、何となく応募する流れになりました。そこで合格した結果、副賞として映画出演の権利をいただいたんです。

    ――当時はまだ技術に興味はなかったんですね

    そうですね。普通の中学生だったと思います。高校に入ってからWebに少し触るようになった程度です。

    当時はまだスマホではなくガラケーで、『前略プロフィール』や、Twitterみたいに近況をつぶやくブログサービスの『リアル』が流行っていたんですよね。前略プロフィールの日記部分にリアルをリンクさせるのが、その頃の女子高生の標準でした。まだFacebookのような実名メディアが本格的に出てくる前だったので、「ネットで顔出しなんてNGだ」と先生に怒られるんですよね。さまざまな経験(住所検索ができてしまうなど)を通じて、ネットリテラシーを養っていました(笑)。

    「Rubyの女神」誕生のきっかけは、「Rubyの父」との偶然の出会い

    「Rubyの女神」はちょっとした勘違いから生まれたとか

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    ――そういう中高生活を経て、その後、慶應義塾大学の環境情報学部に進んだきっかけは何だったのでしょうか

    もともと、映像系の勉強がしたいと考えていたんです。いざ入ってみたらジャンルがドキュメンタリーしかなかったんですけどね。

    文理融合学部ではプログラミングが必須だったのですが、私はどちらかと言うとプログラミングにはハマらないタイプでした。なのに、その後にうっかり入ったゼミがプログラミングと電子工作をするゼミで。

    ――プログラミングを覚えてからは、最初は何に手をつけましたか?

    『Kinect』のハックです。水槽の演出がテーマだったんですが、Kinectは深さを測ることができるので、金魚の位置を取って、その後ろ側で水槽をキラキラ演出して、という研究をしていました。

    syncFish from xlab on Vimeo.

    その時はopenFrameworksを使っていたので、言語はC++ですね。でも全然分からなくて、もっと勉強しなきゃと思って。そしてなぜか、Rubyの合宿へ行ったんです。当時は「プログラミング言語ならみんな一緒だ」と思っていたんですよね(笑)。

    参加したのは島根県主催の合宿だったのですが、そこに普通にMatz(まつもとゆきひろ)さんがいらっしゃるんですよ。Rubyを始めて一日なのに、Rubyを作った方から認知していただいて、合宿から帰ってきたら「Rubyアイドル現る」みたいに言われていました。

    それがきっかけになってRuby on Railsを勉強して、どんどんと“Webの沼”へとハマっていきました。

    ――技術系の会社に就職しようとは思わなかったんですか?

    当時は芸能のお仕事をそれなりにいただいていて、安定も自由もある感じだったので。とはいえ、一般企業で働くということを知りたい気持ちもあったので、大学3年の時にGoogleの日本法人でインターンをしたりはしていました。

    エンジニアとしての近況「うっかり案件を受託しちゃいました」

    クリスマスイブに収録された今回のモイめし。受託開発の納期に追われる池澤さんに年末休暇はやってくるのか

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    ――先日、KDDIのFirefox OSスマホの発表会にも出ていましたね

    『Fx0』のですよね。さっそくハックしてみました。プロトタイプ感があっていいですよね。家に帰って触ってみた印象としては、1号機だけあってやっぱり未完成という印象でした。アプリを作るためのアプリなどが入っていて面白いんですが、まだ誤動作もあるのです。

    ――週刊アスキーの連載でトレンド紹介もされていますが、池澤さんから見て今年はどんな流れがありましたか?

    私が業界トレンドを語るのは恐れ多いですが……ガーッと来た印象だったのはIoTでしょうか。夏ごろから「そろそろ波がくる」「家電に活用されていく」と言われていたものが、『Edison』というマイコンの登場によって個人にも開かれてきたかな、と。環境が整ったことで、IoTに関連したプロダクトや作品がどんどん出てきたら楽しそうだなあなんて思っています。

    ――芸能のお仕事との両立でお忙しいと思いますが、自分で作りたいものはありますか?

    最近は自分が作りたいものに時間を割けていないですね。やらくてはならないことがあって……。というのも、実はこの間、うっかりWebの開発案件を受託しちゃったんです。しばらくはその納期に追われそうだなあ、と。

    こうやってお話しをする機会をいただいた時に、「Webが好きなんです」って話をしていたら、「ウチの仕事やってくれない?」とお声掛けいただいて。それまで個人でやったことがなかったので、挑戦してみようと思って受けたことがきっかけです。

    でも、いざ請け負ってみたら、デザインからサーバまでやらなくちゃいけなくて(笑)。デザイン案を出しても一発でOKをいただけなくて、5回くらい手直ししました。お客さまからいただいた「ここを絶対表示したい」といったご要望に対して、「それを出すとWeb的には見にくくなる気が……」なんてやり取りを繰り返しながら。

    あとは、ちゃんとさくらインターネットさんでサーバを借りて、httpdを入れて……。私、何してんのかなって思いました(笑)。

    ――では最後に、来年はどんな年にしたいですか?

    もっとやりたいことをやりたいです。今年は秋に作品の展示ができたので、少しやりたいことができたなと思っています。大学ではインタラクションデザインといって、Kinectやセンサーを使って人に驚きを与える分野を専攻していたので、そうした技術を使った作品を『シブカル祭』というイベントに出展することができたんです。他にも大学のゼミの先輩といくつか作っているので、そのうち個展が開けたらいいですね。

    こうしたジャンルは。チームラボさんやライゾマティクスさんがビジネスにしていますが、まだあまり確立された分野ではないと思うので。私もいろいろと模索しながらやっていきたいです。

    >> 過去の[連載:30分対談Live「モイめし」]一覧はコチラ

    取材・文/鈴木陸夫・秋元祐香里(共に編集部)

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