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「データ解析の伝道師」になるため、私が参考にした書籍5選【鈴木理恵子】

スキル

    業界で名の知れたプログラマーは、今年の上半期に何を学んでいたのか? 「同業者が役に立ったものは、自分にも役に立つはず」という仮説を基に、彼らの学びlogから、2014年上半期の流れを振り返り、今後の動向を予想してみよう!

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    トレジャーデータ株式会社 ソリューションアーキテクト/エバンジェリスト
    鈴木理恵子さん(@asyoulike007)

    東京女子大学へ入学するも、好きなギター製作の道へ進もうと専門学校へ。卒業後は一転、IT業界に進み、プログラマーとなる。システム開発会社、名刺管理サービス会社を経て、ミクシィに入社。プラットフォーム開発に携わる。2013年12月、トレジャーデータに入社

    新しい挑戦でより専門的な知識が必要に

    2013年12月、ミクシィからトレジャーデータへ転職した鈴木さん。以来、ビッグデータの活用方法についてのセミナーや講演活動を行う一方、同社のソリューションを用いたデータ解析の具体的な方法などを顧客へ向けて提案するプリセールスを担当している。

    鈴木さんは前職でも業務の一環としてBIツールを利用していたという。しかし、今回の転職を機に、ユーザーからエバンジェリストという立場になったことで、ビッグデータ関連の深い知識が必要になった。

    「前職では、ミクシィ内のユーザープロフィールやつぶやきなどを抽出するサードパーティ向けAPIを作成する部署にいました。APIを提供した後にどのくらい使ってもらえているか?を効果測定するために、アクセスログなどをHadoopで集計していました。ただ、現職では製品の魅力とユーザーへのメリットを伝えるエバンジェリストという立場になったため、当然ながらより専門的な知識が求められます」

    また、同時にエバンジェリストとして必要な知識も磨いてきたという。

    「私がエバンジェリストのお手本として勉強させていただいているのは、日本マイクロソフトの西脇資哲さんのような方。実際にエバンジェリスト養成講座にも参加しましたけど、その中で、『エバンジェリストの仕事とはセミナーなどで話をするだけではなくて、顧客である経営者に自社のビジョンや魅力をお伝えし、長くお付き合いしていただけるようにすることだ』という主旨のお話をされていました。そういう点で、私はまだまだですが、目標にしたい方ですね」

    そんな鈴木さんが、今年前半どのようにして学んでいったのかを振り返ってもらった。

    鈴木さんが参考にした情報ソース

    【1】ビッグデータ関連の専門知識

    ■Hadoop徹底入門 第2版 オープンソース分散処理環境の構築
    http://www.amazon.co.jp/dp/479812964X

    ■BIシステム構築実践入門
    https://www.amazon.co.jp/gp/product/4798109312

    以前は1人のユーザーとしてTreasure Data Serviceを使っていましたが、プリセールスの立場になってからは顧客の側に立ったデータの活用法や分析・解析ニーズまでを把握して提案していかなければなりません。Treasure Data Serviceの基礎技術であるHadoopや、データ分析の基礎知識について学びました。

    ■Raspberry Piと加速度センサー

    Raspberry Piと加速度センサーを用いた実験を紹介しているブログエントリ。システム構成の図説も

    Raspberry Piと加速度センサーを用いた実験を紹介しているブログエントリ。システム構成の図説も

    これは私のブログにも書いていますが、これからビッグデータの中心となるIoT分野のデータ集計を自分で試してみて、皆さんにも身近に感じていただけるように、Raspberry Piと加速度センサーを買って、揺れを検知するシステムを制作しました。

    趣味と実益を兼ねた自分なりの実験で、検知したデータは自社のプラットフォームで分析し、その結果を可視化していくことを目指しています。

    【2】 「エバンジェリスト」として必要な知識

    ■エバンジェリスト養成講座
    http://www.amazon.co.jp/dp/4798125091

    ■考える技術・書く技術
    http://www.amazon.co.jp/dp/4478490279

    『エバンジェリスト養成講座』と『考える技術・書く技術』の2冊は以前から読んでいましたが、現職についてより必要に感じることが多くなり、繰り返し読み返しています。

    正直、エバンジェリストとして何をすべきか、どうすべきかはまだまだ模索中の“駆け出し”ですが、自分なりのエバンジェリスト像を確立するため、論理的な思考法についても勉強しています。

    ■外資系コンサルの資料作成術
    http://www.amazon.co.jp/dp/447802572X

    ちなみに仕事柄、提案書などの営業資料も作ることが多くなったため、上記のような営業に関する本も読むようになりました。

    プログラマーからキャリアを広げる苦労とは

    ミクシィでの鈴木理恵子さんと言えば、「OAuthおねえさん」、「BaaSおねえさん」として、専門的な技術を分かりやすく伝えるアイコン的存在だった。トレジャーデータのエバンジェリスト、プリセールス担当となってからも、同じ活動に注力していきたいと話す。

    「1人のエンジニアからプリセールスへと立場が変わったので、この約8か月は正直、営業面で学ぶことや身に付けることに時間をかけてきましたね。理想としては、エバンジェリストとしての活動と半々ぐらいの割合にしていきたいと思います」

    トレジャーデータでは、ビッグデータの活用と分析・解析のスペシャリストとしても、その必要性やメリットを広くアピールしていく活動を展開していくことになる。

    「エバンジェリストっていうポジションを設けている企業がまだまだ少ないですし、当社も私も具体的にどんな活動をしていけばいいか模索中です。でも、これまで同様、技術を使って何ができるのか? どんなことに役立つのか? という視点で情報発信できるような存在になれたらいいなと思います」

    なお、エンジニアからエバンジェリストに転身し、今はデモやプロトタイプ作成以外でプログラミングをする業務がなくなってしまったという鈴木さん。コードを書かないことへのもどかしさはないのだろうか?

    「ありますよ(笑)。先日もミクシィ時代の友人に会ったら、『そんなことも知らないの?』って言われて、とり残されちゃう!! っていう恐怖を感じました(笑)。でも今はエバンジェリスト、プリセールスとして一人前になるという目的がありますから、そこはグッと我慢しています。業務プログラマーではなく、“週末プログラマー”という割り切りで我慢していますね」

    取材・文/浦野孝嗣

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