キャリアVol.747

Techキャリア、どう広げる? 最短距離で理想を叶える「社内転職」のススメ

【特集】LINE 式「エンジニアファースト」進化論

あらゆる業界でエンジニア採用が積極化している中で、各企業注力しているのが「エンジニアにとって働きやすい環境」の整備。しかしその多くは、福利厚生の充実や給与改訂など表面的な待遇改善の域を出ません。エンジニアにとって真に働きやすく、働きがいを得ていくためにはまだ不十分。足りないもの、それは何なのでしょうか?
そんな中、業界で活躍するエンジニアたちが次々にLINEへの転身を遂げています。きっと他企業が用意できていない「エンジニアファースト」な環境や可能性が、そこには隠されているに違いない!そんな予感を胸に、エンジニアtype編集部が様々な角度からLINEを検証し、エンジニアファーストの本質を探っていく企画です。

新たなことにチャレンジしたくなったとき、目の前の業務を「やりきった」と思えたとき、もしくは自身のキャリアに行き詰まりを感じたとき……。多くの人の頭をよぎる「転職」の二文字。ですが、その前に考えてみるべき選択肢がある企業も少なくないのではないでしょうか?それが今回ご紹介したい「社内公募制度」です。

もちろん全ての企業が実施しているわけではないものの、働き方の多様化に伴って注目の集まっているこの制度。特にLINEのように多様なサービスを持つ企業の場合、「まるで転職したようなキャリアチェンジ」を実現できるケースもあるのだとか。そこで今回は、「大胆な異動」を実現したエンジニアに話を聞いてみました。転職とは異なる魅力とは、一体どこにあるのでしょうか?

LINE

LINE株式会社 O2O事業室 ストラテジックテクノロジーチーム マネージャー 松田一樹氏

4年生大学で理学部を卒業後、奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)でコンピューターサイエンスを学ぶ。修了後、2012年に家電メーカーに入社し、社内SEを務めた後、ジャストシステムへ転職。主にBtoBの事業におけるソフトウェア開発に携わった。15年、LINE入社。約2年間LINE STOREのサーバーサイドエンジニアを務め、17年に社内公募制度で現在の部署へ異動。LINEショッピング、LINEトラベルをはじめとする新規サービスを技術面で支える役割を担っている。情報処理安全確保支援士 / ネットワークスペシャリスト / データベーススペシャリスト

開発エンジニアから一転、事業部門のエキスパート集団へ

LINEに入社して以来、主にLINE STOREのサーバーサイド開発を担い、リーダーも務めた松田一樹氏。「他の事にもチャレンジしてみたい」と感じるようになったのは、入社から約2年が経過した頃だったと言います。

「LINEには主力事業と呼べるサービスがたくさんあります。そんなLINEの環境と、自身の開発エンジニアという経験を活かして、新しいチャレンジがしたいと思ったんです」

そこで松田氏が着目したのが、社内公募制度でした。公開された社内公募のポジションの中で、彼が心惹かれた部署こそ、現在在籍しているO2O事業室。当時新設されたばかりの新設部署でした。

LINE

「O2O事業室は、簡単に言えば社内のマイクロベンチャーのような存在です。開発部門ではなく事業部門に属しています。新規事業をビジネス視点で捉えて構築していくことがミッションです。

公募されていたのは、開発部門や協力会社のエンジニアらと事業部門の間に立って、サービスを成長させていくポジション。いわゆるブリッジエンジニアのような立ち位置でした」

O2O事業室のメンバーの多くは、事業部門のエキスパートたち。立ち上げ間もない新サービスのLINEショッピングの成長を担ったり、2018年6月にサービス開始したLINEトラベルを準備する部門として、エンジニアたちに事業サイドの要望を的確に伝えてスムーズな開発を実現するためには、テクニカルなバックグラウンドの持ち主が必要不可欠だったのです。

このポジションに惹かれた理由を、松田氏は次のように語ります。

「募集自体はブリッジエンジニアだったのですが、それも募集側がエンジニアリングのことをふわっと考えすぎていたから(笑)。ソフトウェアエンジニアである自分が行けばできることは山のようにあると思ったからです。

もちろん、エンジニア職という役割は変えずに公募や異動する人も多くいますが、私のケースは事業部門のプロになろう、と思ったというよりも、エンジニアとしてもう一歩成長するためにも、ビジネス視点を身につけたいな、との考えもありました」

開発部門を離れたことが、エンジニアとしてのスキルアップに繋がっていく

事業部門内でのエンジニアは、ベンチャー企業のCTOにも似たポジション。にも関わらず、松田氏は「技術に詳しい雑用係ですよ」と笑って謙遜します。しかし、彼の言葉には、このポジションで働くことで得られる学びの尊さと、仕事の面白みがにじみ出ていました。

「事業サイドとエンジニアを繋ぐ立場に立ってみて、ポジションの違いを超えてサービスに対する認識をあわせ、互いの理解を深めていくことの難しさや重要性を強く感じています。コミュニケーションの重要さを再認識できました」

サービスを育てる部門の一人として、ビジネス視点を磨き続けている松田氏。異動を経ても、将来はもう一度エンジニアとして活躍したい、という思いは失われていないそう。むしろ、「この経験がエンジニアとして活かせるはず」という確信へと変わってきていると語ります。

「例えば、開発エンジニアが良かれと思って書き加えたプログラムが、事業サイドから見たら不要なものであるケースが少なくないということを、実体験として知ることができました。また、外部の協力会社と連携していく上で、LINE独自のノウハウやサービスとして大切にしたい価値観を伝授することで、プロジェクトチーム全体のレベルが上がっていくのを実感できるのも嬉しいですね。こうした経験は、最前線で開発に取り組むエンジニアに戻る日がきたとしても、役立つに違いないと思っています」

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社内転職は、理想のキャリアを実現する近道

「もし今回の社内公募のようなチャンスがなかったら、あのとき転職していたかもしれないですね」

そう言って笑う松田氏ですが、エンジニアとしての経験豊富な彼に転職という選択肢があったことは紛れもない事実。ではなぜ、あえて社内での異動という道を選んだのでしょうか?

「転職してLINEではないサービスに携わったり、事業部門でサービス企画などにチャレンジすることも、可能だったとは思います。ですが、エンジニアとしての経験を活かしつつ、事業サイドの視点を磨き、それをまたエンジニアとしてのキャリアで役立てる……なんて一連の希望を叶えようとしたら、何度も転職しなければならなかったかもしれません。であれば、今ある環境を活用させてもらった方が、ずっと良いと思ったんです。実際には、ほとんど転職したのと同じくらい新しいことができていますしね(笑)」

最後に、LINEの社内公募制度の特徴について聞いてみました。

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「知人に聞くところによると、大抵の企業の場合、社内公募制度を活用したとしても、エントリーから決定までに長い時間が掛かるそうです。半年以上掛かるケースもあると聞きました。それだと転職した方が早い(笑)というのと移動を前にした評価が曖昧になりますよね

しかし、今回の私の異動に関して言うと、2017年の2月に公募されたポジションにエントリーして以降、あっという間に選考が進んだ印象です。5月には今のポジションで働き出していたので、スピード感がありましたね」

ビジネス領域も技術領域も、めまぐるしく変化していく現代。LINEのようなスピード感は、理想のキャリア形成に励む社員にとっても、事業の拡大を目指す企業にとっても、欠かせない要素となってくることでしょう。

社内公募という制度には「これまでの経験や今ある環境を最大限に活かしつつ、新しいことにチャレンジできる」という大きな魅力が秘められていることがわかった今回のインタビュー。さらに、企業にとっても「自社で培った経験を、(他社への転職ではなく)社内の新しい場所で活かすきっかけを提供する」という利点がある、双方にとってWin-Winな制度なのです。

今、自身の今後について迷っているエンジニアの方がいたら、もう一度、社内に目を向けてみるのはいかがでしょうか?もしそこに、社内公募制度のような新しいキャリアを築く道が開けていたとしたら、それはあなたが今いる企業が、社員の成長と真摯に向き合っている証拠かもしれません。

取材・文/森川直樹 撮影/小林正

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