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漠然とした「分からない」「あれやって」に応える上で大切にしたいこと【澤円「コミュ力おばけ」への道】

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「プロジェクトの途中でトラブルがよく起こる」「自分の説明が伝わっていない気がする」そんな“技術以外”の課題の背景にあるのは、ひょっとして「コミュニケーション」の問題かもしれない。プレゼンの神・澤円が自身の経験やノウハウをもとに、仕事がスムーズに進むコミュニケーションのヒントを伝授!

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株式会社圓窓 代表取締役
澤 円(@madoka510)

立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。武蔵野大学専任教員。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。 著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界No.1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)/『「疑う」から始める。これからの時代を生き抜く思考・行動の源泉』(アスコム社)/『「やめる」という選択』(日経BP社) Voicyチャンネル:澤円の深夜の福音ラジオ オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム

皆さんこんにちは、澤です。

8月が過ぎ、夏休みも遠い記憶になりつつある昨今ですが、エンジニアの皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

夏休みに、実家に帰省した方も多かったのではないでしょうか。

夏休みに帰省したエンジニアを待ち受けているものはなんでしょう。

そう、「実家のITサポート業務」ですよね!

年に一度の大アップデート大会、古い機器の入れ替え、さまざまな聞きかじりの知識でぶつけてくる質問の数々への対応……切なくも悲しい思い出が胸をよぎる方もたくさんおられるような気がしてなりません。

今回は、そんな「実家ITサポートに必要なマイドセット」について書いてみたいと思います。

もちろん、家庭ごとにITリテラシーには差がありますし、サポートいらずのつよつよIT実家もあるやもしれません。

この原稿には、「澤の観測範囲におけるエンジニアの実家ITサポート事情」に基づいたものになっております。

「えー、夏休み終わる前に言ってよ~」って方もおられるかもしれませんが、あと3カ月もすれば年末がやってきます。活用の場は、すぐそこまできてますよ!

まず自分はえらいと言い聞かせる

実家のITサポートをしたそこのあなた!

あなたは本当にえらい!

これは動かぬ事実です! とにかくえらい!

自分を褒めてあげることからスタートです。

「やらなくちゃいけないからやった」と謙遜する必要なんてありません。

とにかく、サポートをしたあなたはえらいのです! 胸を張りましょう!

このマインドからスタートしないと、やってられないですからね!(笑)

相手に「理解してもらうこと」を諦める

昨今のテクノロジーの発展は、エンジニアであってもついていくのは簡単な作業ではありません。

ましてや、専門家でもなんでもなく、どうにか使えるとかまだまともに使えないとか、そのレベルで頑張ってる人たちからしたら、次々出てくる専門用語は恐怖を感じるものかもしれません。

なので「わかんなくてもいいよ」というのを基本路線にしてあげるのがよいでしょう。

理解できるかどうかを基準にしてしまうと、サポートというよりもレクチャーみたいな感じになってしまい、わからないことにもフラストレーションを感じて身内だけについつい喧嘩になったりしがちです。(ボクも経験あり)

なので「わからなくて大丈夫!」という基本スタンスで臨みましょう。

何をしたいかを一緒に考える

ITは「何かをする」ためのもの。

その「何か」を一緒に考えてあげるのは、腕の見せ所です。

「ネットなんとか(多分Netflix)ってので、サンフラワーとかいう相撲のドラマ(多分サンクチュアリ)を見たい」とか聞き出せれば、Netflixを実家にあるなんらかのデバイスで見られる環境を整えることに集中できます。

あるいは「健康診断の時に肝臓の検査で聞くアレみたいな人工知能を体験したい(=ガンマgtpと勘違いしたChatGPT)」とかいえば、ChatGPTにアクセスできるアカウントを作成して、そのショートカットをデスクトップに置いておけばよいでしょう。

とかく、ITに詳しくない人たちは「自分が何をしたいのかを正しく言語化できない」という前提に立ってあげることが大事です。

そして、「やりたいこと」を実現してあげることが、結果的に顧客満足度向上=家庭円満につながるわけです。

将来の自分のリモートワーク環境整備だと割り切る

ボクは実家のネットワーク環境はできる限り最速にしようと常に考えています。

なぜなら、いつ何時でも実家でリモートワークができるようにするためです。

突然帰省してしばらく滞在する必要が出た時、ネットワーク環境が脆弱だとお話になりません。

なので、ルーターを定期的に最新機種に入れ替えたり、スピードテストを行ってボトルネックが発生してないか確認したり、有線でも無線でも接続できるように準備したりと、あらゆる手立てを講じてあります。

自分のための作業だと思えれば、少々面倒な作業にも身が入ります。

将来の自分への投資だと思ってがんばってみるのも、一つの手段です。

相乗りしてくる人たちは、うまくかわす

実家の両親や兄妹ならともかく、それほど血縁の近くない親戚や、たまたまきているご近所さんから「ついでにウチも」なんて言われることもあるかもしれません。

でも、エンジニアのリソースは本来有償のものです。

そこにフリーライドしようとする輩は、甘やかしちゃいけません。

ただ、いきなり「エンジニアの時間単価はxx円で、その作業量なら時間単価プラス技術料も……」なんて言い出したら、いろいろ面倒なことになりそうです。

ということで、すかさず話題を逸らすなどしてうまくかわしましょう。

「ん? あなたのとこのパソコンの設定してくれ? あ、そういえばネトフリの実写版ワンピース見ました? 漫画のワンピースって今何巻だっけ? そうだ! 単行本は確かボクの学生時代の本棚にあるはずだ! 見てこよう!」

こんな感じでさーっと逃げちゃってください。(逃げられるかなw)

いかがでしたでしょうか。

実家ITサポートはITエンジニアの宿命です。

前にも述べた通り、あと3カ月もすれば年末がやってきます。

心穏やかな正月が迎えられるよう、今からしっかりと心の準備をしようではありませんか。


澤円
▼澤円氏 書籍『「やめる」という選択』(日経BP)

自分に嘘をつかない、
無理はしない。
だから、可能性が広がっていく。

マイクロソフトを卒業して、
自分らしく生きる僕が大事にしていること

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