エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! さまざまな領域で活躍するエンジニアやCTO、テクノロジーに関わる人々へのインタビューを通じて、エンジニアとして成長していくための秘訣を探っていきます。
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「変なクセがつくと動きづらい」自分に合った成長方法を知るには/ばんくし【聴くエンジニアtype Vol.37】
番組リニューアルの初回ゲストとしてお招きしたばんくしさんのトークも今回がラスト。
最後は、貪欲に自己成長に向き合ってきたばんくしさんならではの「エンジニアとして成長するため」のアドバイスをもらった。
【ゲスト】
エムスリー株式会社 VPoE
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish)
Sansan株式会社、Yahoo! JAPAN、エムスリー株式会社の機械学習エンジニア、チームリーダーの経験を経てCADDiにジョイン。AI LabにてTech Leadとしてチーム立ち上げ、マネジメント、MLOpsやチームの環境整備、プロダクト開発を行う。2023年5月よりエムスリー株式会社3代目VPoEに就任。業務の傍ら、趣味開発チームBolder’sの企画、運営、開発者としての参加や、XGBoostやLightGBMなど機械学習関連OSSのRust wrapperメンテナ等の活動を行っている
自分に合った成長方法をアジャイルで探って自ら決める
ーーここまではばんくしさんご自身のお話を伺ってきましたが、ぜひ成長を目指すエンジニアに向けたアドバイスをお願いします。
何事も「自分で探すこと」が大切だと思います。前回、前々回でも言いましたが、自分なりのやり方って自分にしか分からないんですよ。
いろいろな人が「こうした方がいい」「ああした方がいい」とアドバイスをくれますが、「それが本当に合っているか」とか「こっちの方がやりやすいかも」という判断は自分でやらないといけないな、って。変な筋肉が付くとスポーツがしにくくなるように、変なクセがついちゃうと成長しづらくなっちゃいますからね。
上司やプロジェクトで知り合った人に話を聞くだけでも、自分のやり方が正しいかどうか分かってくると思います。いろいろなやり方を試して、それを自分の中で整理していいとこどりをしてみる。それが、エンジニアとして成長する上で大事なことだと思います。
ソフトウエア工学って「工夫して学ぶ」と書くじゃないですか。自分なりに工夫して勉強するのが大事だなと最近すごく感じています。
ーーたしかに、そう言われると分かりやすいですね。
「最初は難しい言語からやるべき」「土日も勉強にあてるべき」「フレームワークのドキュメントを読みこむべき」といろいろな意見を持つ人がいますよね。どれが自分に合っているかを判断する前に「一回やってみる」というのも大切だと思います。
タイミングやスキルセットによって、自分に合う方法って変わるんですよ。またスポーツの例えですが、基礎を作るために「やり込む」ことが大事な時期ってあるじゃないですか。私は今Apple Vision Proについて勉強しているんですが、今朝も4時くらいまでやっていました。それは、今が一番初めの「やり込む時期」だからなんです。
ちょうど妻が第二子の出産で家にいなくて、娘が寝ている間は自分の時間が持てる。タイミング的にもかみ合っていたんですよね。
ーー必ずうまくいく方法はなくて、その人のタイミングや状況で選択すべきということですね。
そうですね。今後も『聴くエンジニアtype』でいろんな人に同じようなアドバイスをもらおうと思っていますが、その中で自分に合うキーワードややり方が出てきたらまずは試してみると良いんじゃないかと思います。
ーー「うまくいった」「うまくいかなかった」を判断する上で大事にするといいポイントはありますか?
うまくいったかいっていないかを「早めに判断すること」ですね。さっきタイミングの話をしましたけど、「今このやり方を続けるとメインの仕事に影響が出る」とか「身体がしんどい」とかは、すぐに分かることだと思うんですよ。
短ければ1週間、長くても1カ月くらい試したら、それがうまくいっているかを判断する時間を作るのは大事。判断がつかなければ、一回他のやり方を試してみてから振り返ってみるのもいいと思います。「比べてみるとこっちのやり方の方が良かったな」と気付くこともあると思うので。
なかなか良い方法が見つからない場合、あれこれ試すことに不安を感じる人もいると思うのですが、いろいろやってみることで「あれよりこっちの方が良かったかも」とランキングが付けられるようになっていきますよね。そのランキングの中で上位のものを少し継続すると良いのではないでしょうか。
アジャイルのように、PDCAを回してみるのが良いと思いますよ。
次回はゲストに株式会社ヘンリーでVPoEを務める松木雅幸(ソンムー)さんをお迎えし、お話を伺います。お楽しみに!
文/赤池沙希
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