キャリアの停滞感を打破する、エンジニアのための「自分ブランディング」のススメ
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それなりに成果は出しているし、エンジニアとしての腕にも手ごたえはある。なのに、どうもキャリアが停滞している気がする……。そんなエンジニアに足りないものは、キャリアの「ビジビリティ(可視性)」なのかもしれない。
今回お話を聞くのは、製造業のDXを推進する横河デジタルの執行役員、清水 誠さんだ。清水さんは日本IBM、アビームコンサルティングを経て、2023年に横河デジタルに入社した。研究職、PM/SE、プリセールス、コンサルタント、会社役員と経験職種は幅広く、上海やシンガポール、ミャンマーでの海外勤務も経験している。
しかし、これまでのキャリアは決して順風満帆だったわけではない。40代では大きな挫折も経験した。そのときの上司にかけられた一言が、キャリアの可能性を切り開く大きなきっかけになったという。
エンジニアがより良いキャリアを築くためのアドバイスを、自身の経験を振り返りつつ語ってもらった。
日本人は自分だけ。英語が通じず、トイレで泣いた40歳の挫折
もともとコンピューターオタクだった大学時代の私からは、想像もつかなかった人生を歩んできました。
私は大学の理工学部を卒業後日本IBMに入社。会社員生活は非常に充実していました。
振り返ると、何か新しい取り組みをゼロイチで始める経験を多く積んできたように思います。2000年代には会社初のオフショア開発のプロジェクトマネジャーや、アウトソーシング部門の上海での立ち上げも務めました。
そうした実績が買われて、2011年には再び海外駐在が決まりました。IBMとしてアジアに統括会社を作ることになり、自分が日本代表として一人シンガポールに赴くことになったのです。
この時、海外駐在は3回目。新しい組織の立ち上げは経験済みの領域でしたから、日本人一人とはいえ、なんとかなるだろうと思っていました。
ところが、現実はそう甘くはなかった。当時の私の英語力はTOEIC730点。読み書きはかろうじてできても、会話では全く太刀打ちできなかったのです。
周りの言っていることが理解できず、自分の意見も言えない。どうしよう、どうしよう……と思いながらトイレの個室で用を足していると、アメリカ人とイギリス人の上司たちがトイレに入ってきました。そのとき彼らはこう言ったのです。「マコトは駄目だな、英語が全然できなくて話にならない」と。
その時に限って、英語が鮮明に聞き取れてしまいました。恥ずかしい話ですが、上司たちが去ったあと、私はトイレで一人泣きました。もう年齢は40でしたが、あまりに悔しくて、情けなくて。日本に帰ろうかと真剣に考えました。
しかしIBMという外資系企業において、日本法人にいる社員が海外に行けるチャンスはまさに「抜擢」。これまでにない挑戦です。それに今諦めて帰ってしまったら、この経験は生涯トラウマになってしまうかもしれない。私は冷静に現状を捉え直し、もう少しシンガポールで粘ってみることにしました。
「昨日は仕事が終わってから何をした?」と毎朝聞いてくるイギリス人上司に答えるために、電車の中で話すことを準備したり、英会話教室に通ったり、愚直な努力を重ねました。加えて、英語があまりできない日本人でも、会議でちゃんと存在感を発揮するコツのようなものも、自分なりに掴むことができました。
そうこうしているうちに半年が経ち、TOEICは860点を獲得。いつの間にか周囲と意思疎通が図れるようになっていました。私はこうして人生最大の難所を一つ、乗り越えたのです。
過去の経験を見える化すると、キャリアの可能性は一気に広がる
当時の上司は、英語力に加えてもう一つ、貴重な助言を与えてくれました。「マコトはビジビリティを意識しているか?」と。
「仮にマコトが日本で一番サッカーがうまかったとする。でも、それを誰にも知られていなかったら、日本代表になることはできない。だから自分ができることを、もっと周囲にアピールしたほうがいい」と、その上司は続けました。
ビジビリティとは日本語で「存在感」を意味します。確かに当時の私は、自分の成し遂げた仕事に満足するだけで、それを誰かに伝えるような行動はほとんどしていませんでした。
「マコトは今、自分が手掛けている仕事を大したことじゃないと思っていないか? それは違う。どんな仕事でも自信を持って成果を語ればいい」私の仕事ぶりをみて、上司はそんなことも言いました。
“やったぞ感”を出すのが敬遠されがちな日本の風土ですから、何事も謙遜しがちな方は多い。私もそうでした。ただ、グローバルなビジネス環境においては謙遜は美徳なんかじゃない。ローコンテクスト文化ゆえ、自分の仕事を楽しそうに言語化しなければ、ネガティブにさえ捉えられる可能性もあるのです。
そして、そのとき上司に勧められて書き始めたのが、LinkedInです。転職するつもりはなかったのですが、過去に経験した仕事を事細かく記してみると、思わぬ効果がありました。LinkedInを見てくれる人が社内に一定数いたことにより、お互いを知るきっかけとなり、社内のメンバー同士の関係性をより深められたのです。
さらに言えば、のちのアビームコンサルティングへの転職も、この横河デジタルへの転職も、自分の仕事を外部に発信していたからこそ、実現できました。
私はこの経験から、より良いキャリアを歩みたい全ての人に「キャリアの見える化」をおすすめしています。それは転職するつもりがなくても、です。
プロフィールを見た社内の人から、自分が活躍できそうなプロジェクトの話が来るかもしれない。運良く社外の人の目に留まれば、会社の枠組みを超えて面白いものを作れる機会に恵まれるかもしれない。ビジビリティ一つで、キャリアの可能性は大きく広がります。
こうした活動は、「自分ブランディング」と言い換えることもできると思います。
私はコンサルタントなので、自分自身が商品であるという認識があります。しかし、エンジニアの方でそれを意識している人は少ないのではないでしょうか。服装や持ち物一つで、相手が自分に持つ印象は大きく変わります。それは仕事の成果にも強く影響します。
私自身は、学生時代は秋葉原に通うパソコンオタクでした(笑)。でも今はこうしてスーツを着たり、時にはジーンズを履いたりして、その場で一番パフォーマンスが上がる服装を心がけています。
服装の話は、あくまで自分ブランディングの一例。話し方、考え方、行動の示し方でも同じことです。実力の割に今ひとつ仕事の成果が上がらないと感じている時は、それは自分自身の「魅せ方」や「相手への伝え方」に原因があるのかもしれません。
新しい組織で試行錯誤しながら前進した経験は、後の人生に活きる
横河デジタルはコンサルティング会社なので、これまでエンジニアとしてキャリアを築いてきた社員が、コンサルタントとしても活躍できるような支援を行っています。
例えば、プレゼンスキルや資料の作り方などは、ミーティングなどを通じて私が直接指導しています。その結果かなり実力が底上げされましたが、ここからさらにコンサルタントとして上に行くためには、複数の専門性を持つことが大切です。
エンジニアとしてキャリアを重ねてきた方ならば、すでに何かしら深い専門性を持っているでしょう。しかし専門性が一つだけでは、心もとないのも事実です。
その点、横河デジタルはセンサーから経営まで、グループ全体でカバーしている技術の範囲が多彩なので、さまざまな専門性を養うことができます。
私自身は横河デジタルに入社してからもうすぐ1年が経とうとしていますが、まだまだ知らないことがたくさんあります。IT業界のことは大抵のことは理解できるものの、この業界は私にとって未知の領域が多く、知的好奇心が満たされる日々が楽しくて仕方がありません。
この記事を読んでいる方の中には、先が見えてしまう人生はつまらないと感じている人もいるのではないでしょうか。そんな人に横河デジタルはぴったりです。当社は今、細胞分裂の真っ只中です。生まれたての組織が日々変わり続けている。そういうフェーズの組織には、今ここにしかない楽しさがあふれています。
大きな企業で課長や部長へと普通に昇進していくのも良いでしょう。しかし、新しい組織で七転八倒しながら前に進み続けた経験は、必ず今後の人生に活きてきます。
エンジニアとしてのキャリアの可能性を広げたい人は、「自分ブランディング」をしつつ、チャレンジする人を歓迎する環境を選ぶことで、ぜひ新しい道を切り拓いていってください。
>>>横河デジタルの中途採用情報はこちら
文/一本麻衣、撮影/桑原美樹
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