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toCサービスの強さを決めるものとは何か? 楽天に学ぶ、エンジニアと非エンジニアの“共通認識”の作り方

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    企画や運用を担うプロデューサーなどの非エンジニアと、実際に開発を行うエンジニア。目指すべきゴールは同じだったはずなのに、担う役割の違いから、いつしか目に見えない壁が生じてしまうことが多い。同じプロダクトに携わっているとはいえ、どちらも専門職である双方の間には共通認識が可能な指標が存在しない。職種の違いを超えてお互いが連携し、開発を円滑化していくことが困難となっている要因の一つだ。

    その課題を見事にクリアし、顧客満足度の高いサービスを次々と生み出しているチームがある。楽天株式会社で『楽天ポイントカード』のサービスを担う開発チームだ。同チームはいかにして職種の壁を越え、チームワークを高めているのか。プロデューサー・エンジニアの両名に、それぞれの立場から語ってもらった。

    楽天

    楽天株式会社 ペイメントシステム部 ペイメントシステム開発課 バックエンドアプリケーション第2グループ マネージャー 望月崇史氏(写真左)、カード&ペイメントカンパニー O2Oペイメント課 ポイントパートナーサービス開発グループ プロデュースチーム アシスタントマネージャー 白石裕章氏(写真右)

    ミッションやビジョンの強さは、職種の壁を越える

    インターネット通販から金融、通信、トラベルまで幅広い事業を展開し、世界でも類を見ない「楽天経済圏」を拡大している楽天。このビジネスモデルを支えるプロダクトの一つが『楽天ポイントカード』だ。パートナー企業と呼ばれる加盟店で買い物をしたユーザーにはポイントが貯まり、そのポイントを楽天グループの各サービスで使うことができる。

    楽天ポイントカードのサービス開発部門は、総勢80名ほど。企画を担うプロデュースチーム、アプリケーションやシステムの開発・運用を手がけるエンジニアチーム、加盟店のサービス導入を支援するチームなどで構成されている。

    プロデュースチームの白石裕章氏は、プロデューサーという仕事について次のように説明した。

    楽天

    白石「プロデューサーの役割は、ひと言で表すなら『ビジネスサイドと開発サイドの仲介役』です。営業やマーケティングなどのビジネスサイドから上がってくる提案や要望を受けて、エンジニアとスケジュールやリソース配分を調整し、ゴールまでの大きなマップを描く。企画・開発サイドとしても、『今年はもっとセキュリティを強化したい』といったやりたいことがあるので、それも含めてプロダクトの方向性を明確にしていくのが私の役割です」

    ビジネスサイドからの注文というものは、エンジニアサイドから見れば予算や時間、技術などの面で実現が難しいと感じることがよくあるものだ。多くの企業では、それがエンジニアと非エンジニアの間にそびえる障壁となっている。しかし、楽天にはその障壁が存在しない。なぜか。その秘訣を、エンジニアチームのマネージャーである望月崇史氏が明かしてくれた。

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    望月「まず前提として、役割が異なるプロデューサーとエンジニアの間で衝突が起こるのは、ごく自然なことだと考えています。重要なのは、楽天ポイントカードが誰のためのプロダクトなのかを、全員がきちんと理解していること。楽天ポイントカードのサービス開発部門として、ひいては楽天という会社としてどんな価値を提供すべきなのか。そのミッションやビジョンをブレることなく認識できていれば、同じ方向を向いて業務を進めていけるはずです」

    プロデューサーの白石氏もそれに同意して続けた。

    白石「楽天は『イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする』という企業理念を掲げています。それを私たちのサービスに当てはめると、楽天ポイントカードを使うことでパートナー企業のビジネスが活性化したり、カードを使うユーザーが便利に買い物できたりすることが、“お客様をエンパワーメントする”ことになる。プロデューサーもエンジニアも、そこに貢献したいというベクトルは一緒です。それを共有した上でなら、むしろ健全な衝突はあっていい。ぶつかり合いながら議論する中で、お互いに『相手はこんなことを求めているのだな』と理解できて、信頼関係が深まるわけですから」

    望月「そうですね。実際、私たちエンジニアは、プロデューサーが相談してくる企画は『パートナー企業やユーザーのため』のものであると信頼しているので、実現するためにはどうすべきかを前向きに考えることができます。それでも、時には議論になることもありますが、それは役割が違う以上は必要なこと。根本にあるビジョンさえ共通認識が持てていれば、建設的な議論ができますよ」(望月様)

    「できない」で終わらせない。技術を超えた先にあるミッションの実現を見据える

    「健全な衝突」とは、例えばこんな感じだ。プロデューサーがビジネスサイドの要求として持ってきたプランに、エンジニアから「このままでは保守運用のオペレーションにコストがかかりすぎる」と意見が出る。こうした議論が繰り広げられる場面は、どんな会社でもあるはずだ。ここで重要なのは、「エンジニアが『できません』と断言しないこと」だと望月氏は話す。

    望月「リスクの洗い出しはエンジニアの仕事の一つですから、ディスカッションでは当然それを指摘します。ただ『できない』と結論づけてしまったら、話はそこで終わってしまう。『こんなリスクがありますが、期待値と照らし合わせたときにどう捉えますか』とプロデューサーの意見を聞き、『期待値の高さを優先して実行しましょう』とか『この代替案でまずはリスクを軽減しましょう』といった選択肢を示す。こうした建設的な議論ができれば、物事は前に進みます」

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    白石「プロデューサーとしては、『技術ありきではなく、自分たちがやるべきことを軸にしよう』という考えを持つようにしているんです。技術的な実現性にばかりとらわれて発想を制限しないようにしよう、と」

    望月「結果として技術的に難しいことがあったとしても、先にも言った通り、プロデューサーの提案は『パートナー企業やユーザーのため』のもの。それが我々の目指すべきミッションなのであれば、できるだけ実現する方向で考えていくべきだと思っています」

    二人の会話からは、楽天ポイントカードのサービス開発部門に根付く『徹底したユーザー視点』が垣間見ることができる。これは、エンジニアと非エンジニアをつなぐ共通認識となっているだけでなく、toCサービスとして確かな実績を誇る楽天ポイントカードの強みとも言えるだろう。「使われているシーンを目にすることも多いし、自分自身もユーザーなので、自然とユーザー視点が養われた」という望月氏の言葉に、楽天ポイントカードのサービスとしての強さ、そしてチームとしての強さが感じられた。

    「楽天経済圏の核」としての信念が、サービス開発の原動力

    非エンジニアであるプロデューサーとエンジニアの強力な連携により、楽天ポイントカードのサービスは日々進化を続けている。最後に、携わる当人が感じているこの事業のやりがいと醍醐味について聞いた。

    白石「ポイント事業は、競合となる会社は多々ありますが、各社のサービス特性が異なるため、市場を独占するような存在はまだ現れていません。業界の基準がない分、我々としても自由にアイデアを出しやすい。楽天には、『楽天Edy』や『楽天ペイ』などの決済システムもあるので、それらとポイントサービスを組み合わせることで多様なサービスを展開していけるのは、弊社ならではの強みだと感じています」

    望月「楽天のポイントプログラムである『楽天スーパーポイント』は、楽天のあらゆるサービスをつなぐ存在。言うなれば、楽天経済圏の核を担う極めて重要なブランドです。それに紐付く楽天ポイントカードも、当然ブランドの価値を高めるものでなくてはいけません。

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    その点、金融サービスに求められる確かな品質を実現できるノウハウが、楽天という会社には蓄積されています。一方で、当社の強みであるインターネットやWebを生かしたアジャイルな開発もできる。守りと攻め、両方を実現できる環境があるのが楽天のユニークなところであり、エンジニアとしても面白さを感じています」

    職種の違いはあれど、お互いの考えを理解しながらチームで同じミッションの実現を目指すことができる環境。そして、経済圏を確立するほどの規模感を持つ楽天という会社で、「このプロダクトこそが楽天経済圏の核となる」という信念を持って業務に取り組むことができること。白石氏と望月氏の言葉には、ここで働くやりがいと誇りがにじんでいた。

    取材・文/塚田有香 撮影/赤松洋太

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