現役エンジニアが考える、「自分らしく働く」ために必要なこと【サイバーエージェント×DeNA×GMOインターネット×ミクシィ】
価値観の多様化が進む現代。エンジニアを取り巻く環境や働き方も変化している。こうした状況下で、IT企業各社のエンジニアは、「自分らしく働く」ためにどんな工夫をしているのだろうか。
サイバーエージェント、DeNA、GMOインターネット、ミクシィといった渋谷に拠点を構える注目企業が一同に介したイベント『BIT VALLEY 2018』内のセッション、「Quality of Engineers’ Life〜エンジニアが考える働きやすさ〜」から紹介しよう。
エンジニアの「産休・育休」事情~ミクシィ、DeNAの場合~
ミクシィ・上埜:私自身、妊娠中なのでもうすぐ1年弱の産育休に入る予定です。こんなに長い期間仕事を休むのは初めてなので、もちろん不安はありました。ですが、安心して産育休をとれるような社内の雰囲気や制度があるので、ありがたいですね。それに、ミクシィでは男性社員でも育休を取得している人が多いんですよ。
ミクシィ・上埜:Slackで『子育てチャンネル』というチャンネルをつくっています。子育て中の社員の経験談をのせたり、これから産育休を迎える人が投稿した悩みに子育て経験者が回答を寄せたり。私の場合、復職するときの保育園の入り方を相談させてもらいました。
ミクシィ・上埜:私が担当している領域では、これから新しいプロダクトのリリースも控えているので、「復職してからついていけるか」という不安は残ります。でも、チームのバックアップがあるので、運用面では安心してお任せできると思っています。あと、新しい技術のキャッチアップに関しては、産育休中も時間をうまくやりくりして勉強していきたいと思いますね。
DeNA・西野:はい、私が育休を取得した当時は10名くらいのチームのリードエンジニアをしていました。男性が育休をとるのは、DeNAのエンジニアで初めてのことだったみたいです。
DeNA・西野:育休って、休暇というよりは休職に近いんですよ。その期間は、仕事をしちゃいけない。だから、育休に入るときは休職者と同じように、全ての会社アカウントを凍結されました。最初は不安でしたが、そのおかげで育児に専念することが出来たので、結果的にはよかったですね。奥さんにも感謝されましたし。育休を取るって決めたらすぐにチームに報告し、できるだけ早く引継ぎをしていたので仕事に支障はなかったかと思います。何よりも、2カ月間というまとまった時間を、家族との時間に充てられたということ自体、社会人生活においてそうないようなことなので、とても貴重な体験だったと思います。
エンジニアの「働く場所」事情~GMOインターネット、サイバーエージェントの場合~
GMO・樋口:私は47歳ですが、まだ現場の最前線にいますよ(笑)。私は働きやすい環境を整えるために、「リモートワーク」を始めた話をしたいと思います。
GMO・樋口:GMOでは2000年に、Windowsを使ったポスティングサービスをつくりました。でも当時社内のWindowsエンジニアは私一人しかいなかったんです。何か起きたら私が24時間365日対応しなくてはいけない状況でした。いつ何時でも、車を飛ばしてでも会社に行かなきゃ!なんて大変すぎますよね。その時から、会社のシステムを家につないでリモート作業ができるようにしました。当時はあくまで緊急用のリモート、といった感覚です。
そして2011年、東日本大震災が起きました。ほとんどの社員が出社できず、サービスを安定的に提供できなかった。その時にリモートワークの必要性が叫ばれたんです。
震災がきっかけで、GMOでは今でも年に1回、全社員がリモートワークをする日を定めて防災訓練をするようになりました。以来、会社の意識も変わってきましたね。
GMO・樋口:リモートって確かにすごく便利ではあるんですが、会社からしてみると勤怠や社員の体調管理がしづらいというデメリットも多い。そのあたりの環境整備や調整は今後も必要だと思いますね。
DeNA・西野:仕事をする場所と休む場所がどちらも自宅というのは社員にとっても難しいですよね。仕事と休日の境目が曖昧になりがちで、人によっては夜遅くや休日もダラダラと仕事を続けてしまったりということもありそうです。働き方の多様化が進めば、それに伴って時間管理などの自己管理能力もしっかり身につけていく必要がありそうですね。
サイバー・井上:私はモノづくりではなく、問題を解決すること自体に喜びを感じるタイプのエンジニアなので、常に情報収集を怠らず、技術を研鑽しながら問題が発生したときにるように心がけています。
終身雇用が当然だった時代が終わり、エンジニアたちは自身のライフステージに合わせて、働く場所や環境を自ら見つけ出さなければならなくなっている。しかし、それは言い方を変えれば自ら選択できる余地が格段に拡がったということ。
自分自身で理想の働き方を実現できる時代だからこそ、何にやりがいを感じるのか、何を成し遂げたいのか、自身の思いに改めて向き合っていく必要があるだろう。
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取材・文/大室倫子(編集部)
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