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「コードで食っていく」は何歳まで可能か?エンジニア300人調査で見えた理想と現実
専門職コースはあれど、なれる人の割合は……
できるだけ長く開発業務に携わる仕事人生を送りたいと考えるエンジニアにとっては、少々先行きの暗い結果となったが、ここで、近年多くのIT・Web企業がキャリアパスの多様化を目的に採り入れる「専門職コース」についても調べてみよう。
「あなたの会社では、社内のキャリアパスに技術専門職はありますか?」という問いに対する回答は、以下のようになっている。
この数字が多いのか少ないのかは、過去に同様の調査を行っていないため定かではない。ただ、ここで注目したいのは、専門職のキャリアパスがあるという会社に勤めるエンジニアが「専門職になれる割合」と「給与」だ。
【Q4】で「ある」と答えた人に、専門職になれる人は社員の何%程度か?を聞いたところ、上位はこのような結果に。
・1位: 5%未満(22.9%)
・2位: 6~10%くらい(18.8%)
・3位: 21~30%くらい(16.0%)
・4位: 11~20%くらい(10.4%)
・5位: 41~50%くらい(6.3%)
非常に狭き門であることがうかがえる。これは、専門職として認められるだけの高度なスキルに加え、長い仕事人生で「どれだけ錆び付かずに学び続けられるか?」といったマインド面も考慮されるからと予想される。
また、給与の面からこのキャリアパスについて考察してみると、「技術力で会社に貢献できる人」を企業がどれだけ評価しているのかが見えてきた。
年収1000万円越えの多くは「管理職」という現実
以下は、アンケート回答者300名からマネジャー以上の役職に就いている人たちを抜粋し、「一般管理職」と「技術専門職」の人たちの年収分布を算出したものだ。
傾向として、技術専門職の年収が大体400~700万円をボリュームゾーンとなっているのに対して、一般管理職の年収はバラつきこそあれ1000万円越えの層が専門職より厚くなっている。
この分析に関しては母数が少なく、適切な分析を導けないという点を差し引いて見ても、これではより良い評価や報酬をあきらめて専門職を選んでいるという人が多いことになってしまう。このトレードオフを前提に開発業務を続けることに、明るい将来を見るエンジニアは少ないはずだ。
では、このような現実を踏まえた上で、エンジニア個々人が「好きな開発」と「キャリアメイク」を両立させていくには何が必要なのか。そして、業界、企業はどう変わっていけば、エンジニアが幸せな仕事人生を送れる世界を作ることができるのか。
その解を探るべく、弊誌はこの調査結果をもとに
■Increments プロダクトマネージャの及川卓也氏
■さくらインターネット代表取締役 社長の田中邦裕氏
の2名に対談を申し込んだ。日本のIT・Web企業のあるべき姿から個人のキャリア形成についてと、幅広いテーマに及んだ対談の模様は、後日掲載する予定だ。
>>【2016年4月6日追記】及川氏と田中氏の対談「生涯エンジニアとして食っていくには何が必要?」はコチラ
文・構成/伊藤健吾(編集部)
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