キャリアVol.774

どんなに仕事が忙しくても“成長したいエンジニア”が疎かにしてはいけない2つのこと【澤円】

【連載】澤円が解説!エンジニアキャリアNew Wave

日々新たな技術が生まれるのと同じように、エンジニアの働き方やキャリア形成のあり方も刷新され、新たな潮流が出来つつある。しかし、トレンドをキャッチアップし、多様化する選択肢の中から自分の進むべき道を決めるのは難しい。そこで本連載では、外資系テクノロジー企業勤務/圓窓代表・澤円氏が、エンジニアとして“楽しい未来”を築いていくための秘訣をTech分野のニュースとともにお届けしていきます

圓窓代表 澤 円立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、外資系大手テクノロジー企業に転職、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。琉球大学客員教授。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。
著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界№1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『あたりまえを疑え。―自己実現できる働き方のヒントー』(セブン&アイ出版)※11月末発売予定
連載:リクナビNEXTジャーナル『澤円のプレゼン塾』/ダイヤモンド・オンライン『グローバル仕事人のコミュ力』

皆さんこんにちは、澤です。
過去二回にわたり、私の過去のお話をさせていただきました。

連載三回目からは、私自身の現在の仕事のやり方や考え方、テクノロジーそのものの可能性などについても触れていきます。そして今回は、「体験すること」と「学び続けること」の2つが、エンジニアの成長にとっていかに大切かということをお話したいと思います。

この記事を読んでくださっている方の多くは、エンジニアもしくはテクノロジーに近い世界にいる方ではないかと思います。
テクノロジーに触れるようになったきっかけは、さまざまでしょう。

もともと子供の頃からコンピューターが好きで、趣味と実益を兼ねて今でも最新のテクノロジーに触れている人もいるでしょうし、別に興味はなかったんだけど、たまたま入った会社でIT部門に配属されて、なんとなくテクノロジーが生業になった人もいるでしょう。

私の場合は、学生時代から慣れ親しんでいたわけではないのですが、就職するタイミングでコンピューターの業界に入ることを決めて、それ以来ずっと公私ともにテクノロジーに触れ続けています。

最初に買ったパソコンは、連載の第一回目でも書きましたが、『Gateway 2000』という通販専門のメーカーのタワー型パソコンでした。

P5-133というモデルで、存在感たっぷりのフルタワー。モデムも28.8bps のボードタイプのものが差さっていて、毎日会社から帰るとすぐにインターネットに接続して「ピー、ギャー」という音を楽しんでいました。

また、携帯端末としてシャープから出ていた『Zaurus』を愛用していました。これにはアナログモデムが搭載されていて、公衆電話に電話線を差し込んでネットにつなぐなんてことをやっていました。

携帯電話を持ち始めたのもかなり早くて、今のソフトバンクの前身でもある「東京デジタルホン」というキャリアの携帯電話を持ち歩いていました。

その当時勤めていた生命保険のIT子会社の中で、携帯電話を持ち歩いていたのは3~4人しかいませんでした。ちなみに、会社から携帯電話が支給されるのが一般的ではない時代でしたので、純粋に「携帯電話を持っている」というだけで極めて珍しがられたものです。

その当時から変わっていないのですが、私は完全な「ガジェッター」で、新しいガジェットが出ると、とりあえず所有しようと試みます。もちろん、私は普通のサラリーマンですから、限られた予算の中でどうにか……という感じではありますが、それでも相当な「ガジェットエンゲル係数」を誇っていると思います。

iPhoneもほぼ毎回買い換えますし、WindowsパソコンもMacもiPadも常に複数台あります。
ちなみに「何のためにそんなにパソコンやデバイスを持っていたのか」という質問をよく受けます。

はっきり言ってしまえば、合理的な理由は何一つありません。
所有することが目的化しています。

でも、所有するというのは「体験」に他ならないわけです。

例えば、アップルストアにMacやiPad を買いに行けば、どれくらいアップルストアの対応が素晴らしいかを体験できますし、そこから見えてくるビジネスのヒントもたくさんあります。

『Surface』をオンラインで購入すれば、何日くらいでどういう箱で送られてくるのかを体験できます。
まっさらな状態からセットアップすれば、そのプロセスもすべて自分自身の体験になります。

体験したことは、生き生きと語れます。
体験は自分オリジナルのストーリーにできるので、熱を込めることができます。

もちろん、失敗したり躓いたりすることもありますが、そういった体験はすべて人に語るべき素晴らしいストーリーになります。

ちょっと前にTwitterなどで話題になりましたが、「エンジニアは週末も勉強すべきかどうか問題」というのがあります。

「仕事の知識は会社がトレーニングの場を準備すべきだ」
「いやいやエンジニアたるもの、週末も勉強してスキルアップすべきである」
と、結構真っ向から対立する意見が見られて、プロレス的に楽しんで眺めていました。

さて、私はどっち派かというと、「キャリアをどう考えるかによって変わってくる」という、ちょっとずるい立ち位置を取っています。
というのも、「今いる会社でそこそこ給料をもらって生活できていればいい」と思うなら、週末にまで勉強することはないでしょう。
会社にいる間に身に付くものだけで、どうにかやっていけばよいのではないでしょうか。

ただし、それで「給料がなかなか上がらない」とか「全然昇進しない」とかいうのはNGですね。
エンジニアとして待遇に差が出るのは、勉強量に比例することこそフェアだからです。

そして、与えられる講習や勉強会などで得られるのは「汎用的な知識」であり、その場にいる人たちに等しく配られるものです。
なので、それを手に入れても抜きん出た存在になるのは少々難しいと言わざるを得ません。

でも、自分が独自に何かの体験をすれば、それは自分自身のオリジナルストーリーとして語ることができます。
会社の人が行かないような勉強会に顔を出したりすれば、その道では会社の中で第一人者になることができます。

また、新しい範囲でデバイスを買っていじっていれば、いざ会社で正式導入するという際にはインストラクターとして重宝されるでしょう。
「そんなの会社に便利に使われておしまいでは?」と思うなら、ぜひ「会社」と交渉をしましょう。

ここでいう「会社」とは具体的には「上司」かもしれませんし「人事」かもしれません。あるいは「社長」かもしれませんね。
いずれにせよ、自分が独自に身に付けたスキルや知識は、会社には正当な価値を認めてもらわなくてはなりません。

エンジニアはプロのスポーツ選手のような存在であってほしいと思っています。
プロスポーツの選手、例えば野球選手なんかは、グローブやバット、スパイクについては相当な手間とコストをかけて自分オリジナルのものを開発して使用している人が少なくありません。

エンジニアであれば、それが技術的な知識やスキルだったりするわけです。もちろん、パソコンそのものやキーボード・マウス・ディスプレイなどの周辺機器をそろえるのもアリですね。

会社での利用が禁止されてるなら、せめて家では最新デバイスで自分の技術力を磨く訓練をするのもいいですね。
あるいは、スキルアップの手ごたえを感じたタイミングで自由にデバイスが選べる会社に転職してしまうのもいいでしょう。

エンジニアは、最新のテクノロジーを体験することで成長すると思っています。
そして、今はそのテクノロジーが極めて安価にかつ手軽に手に入る時代になりました。

無料で使えるアプリはいくらでもありますし、パソコンやスマホも、選べば安いモデルはあります。
そして、開発する環境もどんどんそろってきてます。軽く勉強する程度であれば、投資ゼロでかなりのことができるようになりました。
あとは、やるかどうかだけの話です。

与えられるのを待つのではなく、自分から手に入れようと行動することが大事だと思っています。
最新のテクノロジーにいち早く触れることで、エンジニアの人材マーケットの中では無条件で「前の方に立つこと」ができます。

もちろん、そのままトップランナーとして走り続けるには継続的な努力が必要ですが、まず体験しておけば少なくとも「前の方に立つこと」だけはできるわけです。
そして、最新テクノロジーに触ると、たいていのエンジニアはわくわくしますよね。

仕事がどんなに忙しくても、最新テクノロジーを体験できるくらいの余裕は残せるようにしたいものです。
あるいは、その時間を捻出するために、頭を使うことも大事ですね。

「働き方改革」というキーワードが巷で流行りまくっていて、実際私もあちこちでこのテーマで話をしていますが、ここは乗っかっていきましょう。

そして、時間をつくって最新テクノロジーに触れまくって、楽しくキャリアをつくっていきましょうね。


▼澤円氏 最新書籍『あたりまえを疑え。 自己実現できる働き方のヒント』(セブン&アイ出版)

あたりまえを疑え。 自己実現できる働き方のヒント

セブン&アイ出版さんから、私の三冊目となる本が発売されました。
「あたりまえを疑え。自己実現できる働き方のヒント」というタイトルです。
本連載の重要なテーマの一つでもある「働き方」を徹底的に掘り下げてみました。
ぜひお手に取ってみてくださいね。

>>詳細はこちら

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