コンサル業界で繰り広げられるSIer出身エンジニア争奪戦――勝ち組企業の採用・人材育成は何が違うのか
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ここ数年急速に、ITコンサルティングの需要が拡大している。ビジネスモデルやビジネスプロセスを刷新する『デジタルトランスフォーメーション』(DX:Digital transformation)に企業の注目が集まっていることが理由の一つだ。
テクノロジーの活用があらゆる産業に求められる時代になり、ITコンサルティング業界にとっても技術的素養を持ったエンジニア人材の確保は最重要課題になっている。
増加するDX需要を背景に業績を伸ばしているITコンサルティング企業のビッグツリーテクノロジー&コンサルティング(以下、BTC)の成長を支えているのも、外資系コンサルティングファームや大手メーカー系SIerなどで経験を積んだエンジニアたちだ。
多くのITコンサルティング企業がエンジニアの採用に凌ぎを削る中、同社にはなぜエンジニアが集まるのか。その理由を、執行役員の安達邦彦さんに聞いた。
ここ5年でニーズが激変。「守りのIT」から「攻めのIT」へ
IT調査会社のIDC Japanが2018年に発表した調査によると、国内ビジネスコンサルティング市場は、2017年から2022年の間に年間平均成長率7.4%で伸び続け、2022年には市場規模が5,612億円に達する見込みだという。この成長を牽引しているのがDX関連ニーズの急増だ。
大手外資系コンサルティングファームから転職し、現在BTCの執行役員として活躍する安達邦彦さんも、この変化を肌で感じていると言う。
「特にこの5年は、古い基幹システムを、マネージドサービスが完備した従量課金型のパブリッククラウドに移行させるなどして、『Run the business』費用(ビジネスを支えるシステムの運用・保守費用)を圧縮する動きが活発でした。最近はこうした動きが一巡し、コスト削減によって浮いた費用を使って『Grow the business』(ビジネスの成長)に投資する動きが活発になっています」
ここでいう「Grow the business」への投資とは、例えば、伝統的な製造業や流通業をメインとしていた企業が、サブスクリプション型のプラットフォームビジネスに乗り出したり、バリューチェーンを改善しデジタル領域をビジネスの主戦場に移すといった、DXによって新たなビジネスモデルをつくり上げたりするような大きな動きを指す。
10年ほど前であれば、ITの導入目的は省力化や効率化と相場は決まっていた。しかし、破壊的イノベーションを起こそうと異業種参入を狙う新興ベンチャーの躍進を前に、コスト削減を主とする「守りのIT」に終始していては、生き残ることさえ難しい時代になったというのが大方の企業の見立てだ。だからこそ、IT投資の目的に利益を生み出す「攻めのIT」へと割り振る企業が増えているのだ。
「従来であれば、ビジネスモデルを変えるともなれば、何年もの歳月が必要でした。しかし、企業を取り巻く経営環境はもの凄い勢いで変化しています。もはやそのような悠長なことをいっていられる時代ではありません。変革に前向きな企業ほど、ウォーターフォール型の開発スタイルより、アジャイル型の開発スタイルが好まれるのは、一刻も早く新しいビジネスを立ち上げたいという意欲の表れなのです」
クライアントがシステムの品質にこだわるのは悪いことではない。しかし品質に固執するあまり、100点満点のクオリティーが保証されるまでリリースすべきでないという考え方に縛られていては、競合他社に出し抜かれてしまうリスクを回避できないのもまた事実だ。
安達さんは、長い時間をかけて完璧なシステムを作るよりも、コンセプトができたらすぐにプロダクト化し、グロースハックによって改善を積み重ねていくべき、と考える顧客が増えていると話す。
「特に私たちと取引をしていただいてるような業界トップクラスの企業の皆さんは、品質に加えてスピード感に関しても非常に敏感です。一般的には、品質とスピードはトレードオフの関係にあると言われています。しかし、どちらか一方に振り切った対応で良しとするのは、昨今のビジネスではあり得ないことです。今求められているのは、品質とスピードの両方にコミットし、テクノロジーによってビジネスを変えられるコンサルタントなのです」
エンジニアは「フルスタック」より「スーパーマン」を目指せ
BTCは今年1月、SI事業部を廃止し、新たにDX事業部を創設した。その理由について安達さんは、「従来型のSIerは向こう数年で淘汰され、テクノロジーとビジネスの視点を併せ持つ、DXに長けた企業だけが生き残れる時代が来るから」と説明する。
「システム開発の世界は、フルスクラッチでゼロから手組みしていた時代から、再利用可能なフレームワークを活用した効率化の時代を経て、現在はマイクロサービスをAPIで連携させる“組み合わせ”の時代に突入しています。この変化に伴って、求められるエンジニアの資質も大きく変わろうとしています」
BTCでは、全ての中途採用者がエンジニア経験者によって占められている。ビジネスの課題解決がテクノロジーやシステムと表裏一体の関係にある以上、作り手としてシステム開発に携わった経験がなければ、適切なITコンサルティングはできないという考えがあるからだ。
「それだけ私たちは、エンジニアに期待しており重要視しているわけです。しかし、これからのエンジニアは、特定の技術要素を深掘りしていく探究心も大切ですが、それ以上にテクノロジーの“目利き”としての能力が強く問われるようになると思います。つまり技術の組み合わせを考えることができ、最短で要求を満たせる仕様を適切に判断できるエンジニアが求められる時代が来るということです。エンジニアからコンサルタントに転身するのであれば、なおさらその傾向は強くなるでしょう」
フロントサイドからサーバーサイドまで、幅広い領域をカバーできるエンジニアを「フルスタックエンジニア」という。しかし、技術領域に限定されるフルスタックエンジニアよりも、ビジネスの知見を兼ね備えたコンサルタントやアーキテクトのほうが「将来性があるのではないか」と安達さんは話す。
「今のIT市場には、上辺だけで技術を語るコンサルタントや、ビジネス視点が欠けたエンジニアが非常に多いと感じています。私たちは、技術的な知見の上に、ビジネススキルやコンサルティング力を積み重ねていく人材育成方針を『スーパーマンモデル』と呼んで推奨しているのですが、まさにこうした能力を持つコンサルタントこそ、これからの時代の標準モデルになるのではと思っています」
大き過ぎるプロジェクトは、個人の成長を阻害することも
実際、BTCの人材育成方針に惹かれて入社してくるエンジニアは多いという。例えば、プロジェクトの規模が大き過ぎるが故に、サブプロジェクトのリーダーしか任せてもらえず不満を感じていた大手SIerのマネジャー、また、10年以上の開発経験があっても勤め先がプライムベンダーでないために上流工程に一切関われず、閉塞感を覚えていたエンジニアなどだ。彼らはこうした状況を打開しようと強く願い、BTCの門を叩いたと言う。
「当社が主に扱うプロジェクトの規模は、最大手のITコンサルティングファームに比べれば、決して大きくはありません。しかしその分プロジェクトマネジャーが、提案から納品までの各段階で何を考え、どう行動しているかを間近に感じることができますし、能力と意欲があれば、クライアントとともに新領域を開拓することも可能です。事実、その点に魅力を感じてくれるエンジニアは少なくありません」
会社の看板ではなく、個人の名前で仕事を取れるようになりたいと考えるエンジニアにとって、同社の環境はチャンスが多いはずだと安達さんは自負する。
「もし業界トップクラスのクライアントとともに、クラウド、RPA、AI、デジタルマーケティングなど、先進的なDX案件に携わりたいのであれば、トップマネジメントと現場の距離が近いBTCで学べることが多いのは確かです」
また、現在BTCは、数年後のIPOも見据えながら急ピッチで社内制度の整備に取り組んでいる。
「BTCは、社内の仕組みが完成された大手企業と違って、組織の成長とともに個人の成長が実感できるはずです。こうしたフェーズで働けるかどうかは、運とタイミングに左右されるものですが、いまのBTCにはそれがあります。もしエンジニアとしての経験を生かしたキャリアアップを検討されているなら、当社も検討候補に入れてもらえたら嬉しいですね」
企業を取り巻く経営環境の変化は、古いSIerを淘汰し、エンジニアのキャリアパスのあり方も変えていく。エンジニア需要の高い今だからこそ、この環境に安住せず、自らの将来を見直すべき時なのかもしれない。
取材・文/武田敏則(グレタケ) 撮影/桑原美樹
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