3000人以上のエンジニアと面接をした人事が証言!”自己PR”で落ちてしまうエンジニアに足りないモノ
【PR】 転職
今エンジニアは空前の売り手市場。だからといって人気企業の選考基準が下がっているという話は聞かない。
今後も応募書類や面接の場で自分のことを正しく理解してもらうことが、転職の成否を分けるポイントであり続けるのは間違いなさそうだ。
そこで今回は、これまで3000人以上のエンジニアと面接をし、数多くのエンジニア採用を手掛けてきたファンリードの人材戦略部部長・山口晋也さんに、転職を成功させたいエンジニアのための「自己PR術」について教えてもらおう。
面接の場でむしろ問題なのは、
自己PRに”苦手意識を持っていない”人
山口さんはこれまで、3000人を超えるエンジニアを面接してきたが、中には対処に困ってしまう自己PRをするエンジニアもいると明かす。
「例えば、過去に参加したプロジェクトで扱った技術を、あたかも自分の得意分野のように話す人。際立った実績や経験が無いのに、特定の技術領域にしか関心がない、他の仕事はしたくないと断言する人。こちらが止めるまで職務経歴書の内容を頭から朗読した人もいましたね。また、会社のウェブサイトの内容を拾い読みして作った、ありきたりな自己PRを並び立てる人も一定数います」
彼らに共通しているのは、「面接官がどう感じるか」という視点がすっぽり抜け落ちてしまっている点にあると山口さんは指摘する。
「自己PRが下手な人というと、一般的には『流暢に話せない人』や『質問に端的に答えられない人』などをイメージされると思います。ですが、大半の面接官は相手に合わせて話を引き出すことに慣れています。たとえご本人に苦手意識があったとしても、面接官はさほど気にしないものです」
むしろ問題があるのは「自己PRに苦手意識を持っていない人の方かもしれない」と山口さんは分析する。
「あらかじめ考えたことを話すのは構いませんし、自分の強みを強調し、弱みを隠したくなる気持ちもよく分かります。でも面接はあくまでも相互理解を深める場です。お互いに綺麗事を並べるより、得意なこと、苦手なことを正直に話してくれた方が実りある時間になるのは間違いありません。私たちの会社は、まだできて7年目。整っていない部分があるのは確かなので、会社としての“できること”、“できないこと”を、なるべく正確にお伝えするようにしています。でも応募者の中には、正直に自己開示してくださらない方がいるのも事実です」
”今やりたいこと”しか出てこない
自己PRはもったいない
転職から間もなく離職せざるを得なくなるような不幸なミスマッチを防ぐためにも、正直な自己開示が重要であるのは頷ける。では、そんな自己PRをするためには何をしたらいいのだろう。
「まずは自己PRについて考える前に、少し遠い未来の自分、いつかなりたい自分を想像してみてください。その理想を起点に時間を遡っていけば、5年後、3年後、そして、今すべきことがきっと見えてくるはずです。自己PRは、そうした中長期的な展望としっかり結びついてこそ説得力があるものになるはずです」
逆に言えば、今習得したい技術や携わりたい案件しか伝わってこない自己PRは、「もったいない」と山口さんは話す。
「もちろん技術や案件に関する希望はあって構いません。でもそれに加えて面接官が知りたいのは、なぜそう思うのか、その希望がご自身の将来像とどういう関係があるのかということなんです。それが分かれば人事のプロとして、キャリアパスの可能性を提示することができます」
面接は、意見をぶつけ合って優劣を決める「討論会」でもなければ、一問一答で合否が決まる「クイズ」でもない。未来を共有できるかどうかを確かめ合う「お見合い」のようなものではないかと山口さんは話す。
「先ほども申し上げた通り、面接は相互理解の場です。コミュニケーションを取りながら認識を合わせ、条件に乖離があれば、どこまで歩み寄れるかを調整する場でもあります。『応募者は選ばれる側』という認識が強すぎる人は多いですが、私はそうは思いません。応募者が会社を選ぶ場でもあるのです」
自己PRはエンジニアとしての
市場価値を高めるために必要なステップ
加えて山口さんは、「自己PRは自分の市場価値を高めるためにも必要なステップ」だとも強調する。
「なぜなら、理想の姿になるためにやるべきことが、自己PRを整理することで明確化されるからです。今は売り手市場だからこそ、たくさんのチャンスがありますよね。やりたい技術に挑戦したり、自分の強みを伸ばしたりといったことがしやすい状況ですから、ぜひ『市場価値を高めるために何をすべきか』という視点を持ってほしいですね」
そうやって見えてきた「やるべきこと」と一致した仕事ができることは、日々の仕事のモチベーションにも繋がる。
「ファンリードでは『一人ひとりのキャリアが活きなきゃ始まらない』という人材ポリシーを掲げ、それぞれのエンジニアが理想像に近づけるよう、各自の希望や適性にできる限りフィットした案件のアサインを行なっています。その結果、エンジニアのパフォーマンスが上がり、クライアントからの信頼にも繋がっていると感じます。実際に、現場のエンジニア経由で案件の継続依頼や新規案件のご発注をいただくことも多いんです」
クライアントからの信頼が厚い理由は、技術力だけではない。品質やスピードを兼ね備えたシステム開発を提供することに加え、クライアントや取引先の要望を把握し、解決策を提案する意識が非常に強いのだと山口さんは続ける。
「つまり、市場価値の高いエンジニアに共通する点は、“技術力が全てではない”ということです。突出した才能を持つ一部のエキスパートだけが、市場価値の高いエンジニアとは限らない。仕事に対する視野の広さ、若いうちから課題解決やマネジメントの手法に携わるなど、技術以外の領域も重要であることを念頭に置いて、『自分はどんなエンジニアを目指すべきか』を考える。面接の場でそんな自己PRができれば、きっといい結果に繋がると思いますよ」
取材・文/武田敏則(グレタケ) 撮影/野村雄治
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