ミクシィ・GMO・ペイミーのエンジニアが証言!“働く環境”のメリデメとは【WTTレポート】
「ライフステージが変わっても、エンジニアの仕事を続けたい」
「刺激的な仲間と一緒にプロジェクト作りがしたい」
自分の理想とする働き方は、どんな環境なら叶えられるのだろうか。
2019年6月15日(土)に行われた女性エンジニアによるキャリアと技術のカンファレンス『WOMAN TECH TERRACE(サイバーエージェント主催)』内のセッション「大企業・スタートアップ・フリーランスで働くエンジニアの働き方の違い」では、異なる環境で働く4名の女性エンジニアがスピーカーとして登壇。それぞれが感じる、自分が選んだ働く環境のメリット・デメリットを語ってくれた。
社内に知見が豊富な大企業、自由度高く働けるスタートアップ
ミクシィ・桃原:当社は今社員数が800人強で、そのうちエンジニアは300人くらい。人数がそれなりにいるので、「技術面でも生活面でも相談できる人が社内にたくさんいる」のがいいところだと思います。
GMO・中村:多様なロールモデルがすぐ近くにいるっていうのは大きいですよね。あとは、研修制度などもしっかりしているので、1からスキルアップしたい人にも大手企業は良い環境なんじゃないかと思います。
ミクシィ・桃原:学びやすい、情報交換がしやすい環境ではありますね。例えばうちでは最近『DocBase』が導入されたんですが、そこが“社内版Qiita”みたいになっていて。技術のことだけでなく、産休前の準備や結婚時に必要な手続きなどの情報も、経験者がまとめて共有してくれているので、「分からないことがあればまずここで検索しよう」という感じです。
GMO・中村:あとはやっぱり、福利厚生が充実しているのも大手ならではの強みだと思います。GMOの場合は社内に託児所があったり、結婚や出産を意識したときの安心材料が豊富に揃っていると感じますね。
ペイミー・森:当社は今社員数が15人。人数が少ないからこそ、社員個人のパーソナリティーも分かるし、それぞれのプライベートな事情まで把握できる。だからお互いを理解しているという安心感はありますね。あと、関わる人が少ないから無駄なミーティングも少なくて、物事を決める時も即決、時間の融通が効きやすいのも大きなメリットです。ほとんどSlackやチャットツールで会話は終わりますし、働く場所に縛られることもありません。
ペイミー・森:時と場合にはよりますが、リモートワークの環境は整っていますね。いつでもどこでも仕事ができます。ミーティングが少ない分、メンバーと会えないというデメリットはありますが。
ペイミー・森:はい。どうしてもテキストベースでのコミュニケーションになると、こちらはそんなつもりがなくても「怒ってるのかな?」と思われることもあります。だからあえて意識的に、顔を合わせる機会をつくるようにしていて。その時に「あれは怒っていたわけじゃないよ!」とか、誤解を解くことを大切にしています。
ミクシィ・桃原:いいなあ。私はリモートワークに憧れがあるんです。「脚が痛いから通勤はしたくないけれど、仕事はできる」みたいな日は、リモートで働きたいなと思うんですが、ミクシィではセキュリティ面や業務の都合などで禁止されています。それはそれで意味があるので、会社がどちらを選ぶかですけどね。
フリーランスエンジニアには「何時間働かなきゃ」という制約がないことも
竹馬:私は、今は会社に所属していますが、過去にフリーランスでフルリモートの案件を担当していた時は本当に自由でしたね。お昼ぐらいに起きて、ご飯を食べてコーヒー飲みながら仕事を始めて……みたいなこともよくありましたし(笑)。時間の使い方が全て自分に委ねられているという自由さがあります。
女性はどうしても体調に波がありますし、つらいときには自分のペースでしっかり休めるのもフリーランスのいいところですね。時給で働いているとそうもいかないと思いますが、私の場合は「成果物」で契約が決まっていたので、納期とクオリティさえ守っていれば「何時間働かなきゃ」という制約もありませんでした。
竹馬:幸い、そういうことはほとんどありませんでした。私の場合は仕事と趣味の境目があいまいなので、気付くと働いてるってことも多いですし。
ミクシィ・桃原:分かります。私も新しい技術を覚えるのが趣味のためなのか仕事なのか、もはやよく分かりません(笑)
GMO・中村:そこは私も一緒ですね。仕事が楽しみや趣味の延長線上にある感覚です。
どんな働き方でも「自分らしい仕事軸」を持つことが大事
ミクシィ・桃原:はい、『ミクシィキャリアチャレンジ(MCC)』という社内制度があります。これは「上司への異動承認がいらない、社内公募制度」。エンジニアが職種や部署をまたいでチャレンジできる制度で、エンジニアがデザイナーにも、企画へも転向できるチャンスがあります。私も3年で2回チャレンジしました。
ペイミー・森:そうですね。その代わりに「決まった役割」みたいなものもありません。私の場合はフロント、インフラだけでなく、ディレクターもマーケティングも、全部一人でやっています。それをどう捉えるかは人次第ですけど、私の場合はそれがすごく楽しくって。全てを経験できる機会って、なかなかないですから。
ペイミー・森:デメリットとも言い切れませんが、スタートアップの場合は働く環境や役割がタイミングによって左右されることがあります。会社が急スピードで成長している場合、どのフェーズにいるのかで社員に求められる動きも変わりますし。
GMO・中村:私の場合、会社のネームバリューに支えられている部分は少なからずあるなと。これから先は、会社の名前がなくても生きていけるような、個人としての力を高めていきたいなと思っています。
ペイミー・森:私は働く上で、「人」を重視しているので、実際に自分が関わるプロダクトとそこで働く人を見て決めたいと思っています。
竹馬:私も森さんと同じで、何をしたいかより誰と働きたいかだなと思っています。これはフリーランスを経験して至った結論で。私は「楽しく一緒に働ける人と、作りたいものを作っている」という状況が幸せだと感じるので、それが会社選びの軸ですね。
竹馬:その通りだと思います。好きな場所や雇用形態で、好きな言語をやってもいいし、転職したっていいし……とにかく「自分の軸」を持って生きていくことが大事だと思います。
ミクシィ・桃原:ライフステージに合わせて働くためにも、エンジニアとしてのスキルを身に付けておくことは最低限必要だと思います。そうすれば大企業であってもフリーランスであっても、どこでも働いていくことができますから。
取材・文/石川 香苗子
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