キャリア Vol.1159

ボクがマイクロソフトを辞めた理由。「仕事を選ぶことは、誰にでも許されている自由」【連載:澤円】

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株式会社圓窓 代表取締役 澤 円(@madoka510)立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。琉球大学客員教授。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。
著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界№1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『あたりまえを疑え。―自己実現できる働き方のヒントー』(セブン&アイ出版)/『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」 』(プレジデント社) Voicyアカウント:澤円の深夜の福音ラジオ オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム


皆さんこんにちは、澤です。

ボクのことをSNSなどでフォローしてくださっている方はご存知かと思いますが、8月31日をもって、日本マイクロソフト株式会社を退職いたしました。

22年11カ月を、マイクロソフトの正社員として過ごしました。とても良い経験を積むことができましたし、そしてやり切った感で満ちているというのが正直なところです。

そこで今回は、マイクロソフトでの過去を振り返ってみます。

マイクロソフトで手にした貴重な体験と出会い

1997年、日本マイクロソフト株式会社にITコンサルタントとして入社し、メッセージングインフラ製品である『Exchange Server』の導入支援をするのが最初の仕事でした。

その後、競合製品からの移行が得意なコンサルタントとして、いろいろな顧客向けにコンサルティングを提供させてもらいました。

また、いわゆる「企業内ポータル構築」も担当業務領域になっていき、情報共有系システム構築支援をメインに活動。

情報共有基盤というのは、ID管理やセキュリティー設定、既存システムとの接続まで幅広く扱うことができて、エンジニアとしてはとてもやりがいのあるものでした。

何社も素晴らしいお客さまに恵まれ、社内の賞をいくつもいただけるようになったのを覚えています。

2003年あたりからプリセールスSEとして活動するようになり、2006年には競合他社の製品から自社製品への多くの移行実績が評価され、「Chairman’s Award」(※)受賞しました。

(※)ビル・ゲイツが全世界のマイクロソフト従業員約10万人の中からトップクラスの成績を収めた者に与える賞

「ここがプレーヤーとしてのピークかな~」と思って、この年にマネジャーに職掌転換しました。これは、本当に自分としては良い判断ができたと思っています。

というのも、マネジャーになることによって一度過去の成功体験を全て断ち切ることができたからです。

その後は、さまざまな製品領域の営業マネジャーを歴任し、2011年からは9年間マイクロソフトテクノロジーセンターのセンター長として活動しました。

とにかくこの役職は、「幅広く製品を扱う」「あらゆる顧客セグメントと接点を持つ」という点で、ボクにぴったりでした。

特定の領域に特化して何かをするというのは、どうしてもボクの性に合わないんですよね。なので、幅広くあれこれ触れたのはラッキーでした。

また、サイバークライムセンターという、サイバー犯罪の情報を扱う役割を兼任させてもらえたのも幸せなことでしたね。

おかげで、ITセキュリティー界隈のめちゃくちゃ面白い人たちとつながりを持つことができました。

ITセキュリティー

他にも、データセンターツアーガイドという、「クラウドの中を顧客に見せる」という特殊任務的な仕事を担当させてもらったこともあります。これは本当に貴重な体験で、マイクロソフトの中でも十数人しかやっていない仕事でした。

どうやってクラウドのセキュリティーを守っているのか、どんなリスクがありどうやって対処しているのか、最新のテクノロジーはどのように導入されるのか、ボク自身にも大いなる学びがありました。

何一つ不自由のない職場を辞めた理由

これまで書いたように、マイクロソフトは本当に最高の職場で、面白い仕事ばかりやらせてもらっていたわけです。

社外での活動の自由度も十分に担保されていて、好き勝手やっている社員の代表格だったと思います。つまり、辞めなくちゃいけない理由は何もないし、本当に会社が大好きでした。

では、なぜこのタイミングで辞めたのでしょう。これは、もちろん新型コロナウイルス(COVID-19)と無縁ではありません。

新型コロナウイルスによって、世界にリセットがかかりました。ちょっと前までの常識が全く通用しなくなり、既存のビジネスのエコシステムは機能不全を起こしました。

誰も正解を持っておらず、人類が不安に襲われています。そんな時こそ、思い切って動く方が面白いと思ったのです。

歩く人

ボクは、今まで「安定運用されている世の中で、あえてあれこれ波風立てる自由なサラリーマンのロールモデルとなる」のを楽しんでいました。

実際、十分なお給料をもらい、世間的にも通りの良い肩書を与えられ、何一つ不自由はありませんでした。そして、そういった働き方は多くの人にポジティブな影響をプレゼントできていたと思っています。

「会社勤めのおじさんでもいろいろできるよ」というメッセージを送り続けることが、ボクの使命だと思っていました。混乱の世の中で、その役割を続けていくのも一つの生き方でしょう。

でも、ボクはそれを選びませんでした。これだけ大きな変化が訪れたタイミングこそ、思い切った行動をした方がいいと考えたからです。

自由ほど価値の高いものはない。「過去を大切にしつつ未来をつくる」

これからは「自分の生きたい人生を生きる」を最重要ミッションに掲げながら時間を使うことをチョイスしました。人生は、何を選んでもいいのです。住む場所も、食べるものも、身に着けるものも、もちろん仕事も。

自由ほど価値の高いものはありません。そして、自由であることの大切さほど、忘れてしまいやすいものです。実は自由なはずなのに、なぜか自分を縛ってしまう。

例えば、会社で決められているルールに合わせて行動できないことを気に病んでいたりしませんか? 朝9時の始業に合わせて起きるのが、辛くて仕方ないとか。でも、世の中には「何時から働き始めてもいい仕事」はいくらでもあります。

本当に朝がしんどいのであれば、そういう仕事を選べばいいのです。

「今いる会社を辞めるのは怖い」という気持ちも分かりますが、だからと言って辛い働き方を選び続けるのは、自分にとって良いことなのでしょうか。

仕事を選ぶことは、誰にでも許されている自由です。でも、現状を変えることには勇気が必要なのも事実ですよね。

特に、入るのに苦労した会社や、大きな成功体験を得た職場を離れることに、ためらいが生まれるのは無理のない話です。ただ、「過去を大切にしつつ未来をつくる」という思考は、心を解放してくれます。

マイクロソフトは大きな成功体験をする場を、ボクにたくさん与えてくれました。でも、それは全て過去のこと。しがみつくものではありません。

過去の成功体験は、間違いなく今のボクを作る糧になっています。そのエネルギーを他のことに向けるタイミングが、今だと思って退職しました。

今この原稿は三浦半島で書いています。この辺りは、サーファーの人たちもたくさん訪れる場所。サーファーからすれば、波は楽しむものです。

COVID-19によって大きな変化の波が世界中で巻き起こっています。この波を怖いものとして受け止めるのか、乗りこなすきっかけにするのかは、自分自身の心の持ちよう次第かなと思っています。

ボクは試しに沖に出て、乗りこなしてみようかと思っています。もし迷っているなら、ご一緒しませんか?

広い海

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