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「やらされ仕事は、全て無くせる」エンジニアがWork fun!を実現するための発想の転換術

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    コロナ禍、これまで当たり前のように続けてきた働き方や業務プロセスを見直したエンジニアは多いはず。しかし、そういう「変化の時」には人の感情が浮き沈みしやすいもの。

    急に在宅勤務が始まったり、新しい生活様式への移行が求められる中で、仕事に楽しみを見い出せなくなったり、やる気を失ったりしている人も多いかもしれない。

    そこで今回は、2020年9月に開催されたITエンジニアの祭典『Developers Summit 2020 Summer』において、「リモートワーク×Employee Experienceでつくる ~with コロナ時代の『Work fun! Management』とは~」と題する講演を行った、株式会社Works Human Intelligence(以下、WHI)の新村北斗さんに、どんな状況下でもエンジニアが楽しく働き続けていくためのポイントを聞いた。

    >>講演動画はこちら

    プロフィール画像

    株式会社Works Human Intelligence
    Product Div. SRE Dept. Vice President
    新村北斗さん

    SIerを5年経験し、人事給与ERPパッケージ『COMPANY』の開発を手掛けるワークスアプリケーションズに入社。製品開発を経験後、新製品の開発、営業、コンサルティングを経て、クラウドを活用したSaasサービス『HUE』の開発に参画。サービス運用開始以降はSRE(Site Reliability Engineering)チームの立ち上げメンバーとして、サービスの信頼性向上に携わる。現在は、2019年8月の会社分割により誕生したWorks Human Intelligenceで、同社のSRE部門を統括している

    “楽しい”と思える仕事は、「自分で選択」している

    そもそも、「楽しく働く」というのは、どういう状態なのだろうか?

    捉え方は人それぞれな気もするが、新村さんに言わせると、仕事をする中で楽しいと感じる状況には「共通点」があるという。

    ポイントは、その状況が『他人に強要されたこと』ではなく『自分で納得し、選択したこと』であるかどうかです。

    今回のコロナ禍を例に挙げるならば、在宅勤務は合理的で正しい対応であったとしても、自分で選んだことではなく、外的要因に強いられたものでした。故に、一部から否定的な反応が出たのも当然のことと言えるでしょう」

    急な在宅勤務への切り替えに柔軟に対処できた人もいる一方で、仕事をしながら子どもの面倒を見なければならなかった人、一人でうまく仕事を進められずに困った人もいる。

    後者の人たちにしてみれば、「強制在宅勤務」の状況に納得感が持てず、仕事に対するやりがいや楽しさが失われてしまっても不思議ではないわけだ。

    新村さんは、今回の「コロナ禍における在宅勤務」は一例に過ぎず、仕事にまつわるあらゆるモヤモヤに対しても同じことが言えると言う。

    「例えば四半期~半年に一度のペースで社員個人の目標設定をする企業は多いと思います。このとき、設定する目標が自分の意思とは関係なく、会社や上司の希望のみで決められてしまったら、前向きに目標達成に向き合えるでしょうか?

    日々の業務についても、納得感が持てないにも関わらずただ押し付けられてしまったタスクには、やりがいや楽しさを感じにくいですよね」

    新村北斗さん

    新村さんは、「このような『納得できないこと』によって起こるモチベーションの低下は、一人一人の考え方をアップデートするだけでも改善できる」と主張する。さらに納得感を得ることが『楽しく働く』ことにつながるという。

    「『考え方をアップデートする』といっても、最初のうちは壁打ち相手になってくれる上司の協力が必要です。ただ、思考法を理解し練習を重ねれば、自力でモチベーションをアップし、楽しく仕事に向き合うことができるようになるでしょう」

    新村さんの説く考え方のアップデートには、「発想の転換」が必要だという。それにより、冒頭に新村さんが言及した「楽しく働くために欠かせない『自分で納得し、選択した』状態」をつくれるというのだ。

    考え方一つで「やらねば」を「やりたい」に変えられる

    「『楽しく働く』を阻害する要素は、日々の仕事の中にいくつもあります。その最たるものが『やりたくないこと』の存在でしょう。それがいくら受け入れがたいことであっても、立場や状況的に投げ出すことが許されないならば、『やる』方向に意識を向けざるを得ませんよね。

    しかし、『やりたくないこと』をただ『やらねばならないこと』と考えるだけでは、心理的な負担は解消されません」

    心理的な負担を押さえて楽しさを生み出すためには、発想を転換し「やらねばならないこと」を「やりたいこと」に変えていくプロセスを踏むことが必要だ、と新村さんは続ける。

    「そのためにまず必要なのは、自分にとっての『楽しい状態』を具体的にイメージすることです。『将来こうなりたい』『これを実現するためになら頑張れる』といった目標を、できるだけ明確に思い浮かべてみてください」

    例えば、「自分が開発に携わったサービスで社会課題の解決に貢献したい」、「持てる技術を駆使してユーザーを感動させたい」といった内容で構わないそうだ。

    「それから、描いた目標をかなえる上で、目の前の『やらねばならないこと』がどういった意味を成し、どのように活きてくるのかを考え、落とし込んでいきます。

    立場上『やらねばならない』と思っていた仕事が自己実現につながっていると感じることができれば、その仕事は自然と『やりたい』仕事に変わっていくわけです」

    新村北斗さん

    ただし、目標は頭に思い浮かべるだけでは足りないという。可視化・言語化した上で、「公言」することも重要だ、と新村さんは言う。

    「モチベーションが下がったときや判断に迷ったとき、目標を可視化・言語化していれば、それが指針になります。さらに、あらかじめ周囲に公言しておくことで、何らかの結果が出たときに周囲から評価を得やすくなり、それがまたモチベーションのアップにもつながるのです」

    この思考法は、新村さんが管轄するSRE部門のエンジニアメンバーも日々活用しているそうだ。例えばWHIでは半年に1度、MBO(目標管理制度)を実施している。ここではマネジャーとメンバーがじっくりと相談した上で目標を設定するわけだが、1度の話し合いで納得できる目標が決めきれないことも多い。その場合は日々の1on1を活用しながら、都度腹落ちをするまで話し合いをしているという。

    「私の部署では、マネジャーがメンバーの自発的な意思や希望を引き出し、会社が期待することと擦り合わせながら『腹落ち』させることに注力しています。つまりマネジャーがメンバーの目標と『やるべきこと・やらねばならないこと』を結び付け、『やりたいこと』に変えるサポートをするわけです」

    WHIでは半期の目標を決めた後、その成果を他の社員を交えた成果発表会の場で振り返っている。そのため、設定した目標に対しては第三者に説明できるほどの明確な目的意識を持つことも重要なのだ。

    「もしもメンバーが半期目標を達成することができれば、周囲からの評価も高まり承認欲求が満たされ、自己肯定感も増しますよね。

    逆に結果が芳しくなくても、すでに目標が自発的な取り組みとして腹落ちしているだけに、自主的に対策を考えたり、進めたりすることもできます。つまり、いずれにしても『やるべきこと』に前向きに取り組むことができるのです

    自分の「曲げられない信念」は何か?

    「やりたくない」「受け入れられない」と、現状にただ不満を抱えているだけでは、事態は何も改善しない。そこから抜け出すためには、どうしたらいいかを“考え始める”ことが重要なのだという。「やらねばならないこと」を「やりたいこと」に変える思考法は、まさに状況を打破する始めの一歩となるわけだ。

    新村さんは、「高い成果を出し続けている人は、みんな無意識にこの思考法を取り入れている」と続ける。

    「優れたアウトプットを出し続けている人は、例え壁にぶつかったとしても、状況を冷静に解釈し、解決に向けて合理的な行動が取れるものです。悩みの段階に留まっているだけでは、いつまで経っても状況が変わらないことを理解しているからです」

    “デキる人”のように、目の前のモヤモヤや課題を解決するべく、新しいツールを取り入れたり、周囲に助言を求めたりといった行動が自然に取れるようになるためには、常に目標を意識し、繰り返し反すうする癖を付けることが必要だという。

    WHI

    WHIでは実際に、「在宅勤務で雑談が減ったこと」を課題に感じた社員の提案で『リモティー』や『Timesチャンネル』の導入を実施。それによりコロナ禍でも社員同士のモチベーションを保つことができているそうだ

    今の状況に納得感が持てずモヤモヤしてしまっているエンジニアは、新村さんが唱える「やるべき」を「やりたい」に変える思考法を利用するべく、まずは上司との壁打ちの機会を設けてみたり、自分の願望や目標を文章として書き出し、人に伝えてみたりすることから始めてみるといいだろう。自分を再発見したような、新鮮な気持ちが味わえるはずだ。

    「コロナ禍が引き起こした状況を見ても分かる通り、突然の出来事がビジネスのルールや人々の意識、行動を変えてしまうことはよくあります。

    こうした不測の事態に翻弄されることなく、やりがいを持って楽しく働き続けるためには、『曲げられない信念』と『変えても構わない部分』を分け、柔軟性を保つことが大切だと思います」

    新村さんは、自分の描く「楽しく働く状態」をかなえるためには、時には与えられた仕事を「やらない」という選択を取ったり、転職を視野に入れたりすることも必要だという。

    「以前、ある部下から『昔から保育の分野に興味があり、その業界へ転職をしようか迷っている』と相談を受けたことがあったんですよ。

    なので私は、知り合いのスタートアップに連絡し、彼のために面談をしてもらいました。転職した方が彼が楽しく働けるならば、絶対にその方が良いですからね」

    新村北斗さん

    結局その男性は「WHIでまだやりたいことが見つかった」といい、転職をやめたという。WHIで働く意義が彼の中で腹落ちし、迷いを抱えていた時よりもモチベーションが高まったのだ。

    「もしメンバーの一人が転職してしまったとしても、それはそれで構わないんですよ。WHIから外に出ることによってさらなる成長が見込めるのであれば、将来、有力な社外ブレーンとして当社に力を貸してくれる可能性も高くなりますからね」

    変化の振幅が激しい現代において、楽しく働き続けることは必ずしも容易ではないかもしれない。しかし目標を持って行動し、既成概念にとらわれることをやめれば、環境に左右されることなく、心地良い状態を維持することは可能なのだ。

    「長期的に達成したい目標を定め、日々の業務はその達成のためにあると考えるだけでも『やらされ感』はなくなり、前向きな気持ちになれます。

    逆に何を成すべきかを曖昧にしたままにしておくと、その時々の状態で流されてしまうのが人間というものです。もしどうしても『やりたいこと』が見つからなければ、『やらないこと』から逆算してみるのも一つの方法。

    経緯や手法はどうあれ、『自分で決めて選択すること』が、脳を喜ばせ、悩みから解放される最も重要なポイントなのは間違いありません」

    新村さんが勧める「やらねばならないこと」を「やりたいこと」に変えるメソッドは、これからのエンジニアとして長く仕事を続けていく上で、非常に重要な思考法と言えそうだ。

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    Developers Summit 2020 Summer講演動画

    取材・文/武田敏則(グレタケ) 編集/河西ことみ(編集部)

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