株式会社Avirity Informationの中途採用情報
経営理念は「関わる人全てを精神的に経済的に豊かにす...
「受託に追われて自社開発ができない」悩みを解決する、とあるITベンチャーのプロダクト戦略
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Webサイト制作やシステムの受託開発で2007年の創業以来、8期連続で160%の売り上げ増を記録してきたベンチャー企業Avirity Informationがこのほど、請求領域のERP開発という自社プロジェクトを新たに立ち上げるという。
多くの受託開発会社が試みつつも断念している自社開発へのシフトという挑戦自体が興味深いものだが、さらに目を引くのはその手法だ。開発者は当面、常駐型受託開発と自社開発の二足のわらじをはき、常駐先で学んだ技術を自社開発に活かすサイクルを作りたい考えだという。
エンジニア個人にとってもゼロからの自社サービス開発は一つの「集大成」。受託案件でビジネスを回しつつ、足りない技術を都度、補完しながら自社サービスを作れるのであれば、確かにそれは理想的といえる。
だが、果たしてそんなことが本当に可能なのだろうか。Avirity Informationが“都合の良い話”を実践できる背景を探るべく、代表取締役の奥野友美さんと、今年2月に立ち上がったばかりの自社開発プロジェクトチームのメンバーに話を聞いた。
エンジニアが仕事を選べる受託開発があった
業務系アプリの受託開発歴が長い藤野敬行氏は、奥野さんからの熱烈なスカウトメールを受ける形で2月に入社した。
「企業や案件によっては、エンジニアって使い捨てのようにされがちじゃないですか? このままテクノロジーが進んでいけば、自分のようなエンジニアはいらなくなってしまうんじゃないかと感じたこともあったんです。そんな折に情熱的な誘いがあり、自分の経歴をちゃんと見てくれていると感じました。自社サービスに携わるというのは、エンジニアとしての集大成。可能性に懸けてみようという気持ちで転職を決めました」(藤野氏)
さっそく常駐先は音楽配信系サービスの会社と決まり、受託開発と並行して自社開発のプロジェクトに携わることになった。
実はこの受託案件、トップダウンで藤野氏に割り当てられたものではない。提示された複数の案件の中から、藤野氏自身が選んだものだという。
「どんな案件が提示されるかは、もちろん会社としての方向性が優先ですが、個人の意見も汲み取ってもらえます。今回の場合、自分としてはどれを選んでも学びがありそうで良かったのですが、自社サービスと並行して進めることを考えて、最終的に稼働が低そうなものを選びました」(藤野氏)
受託仕事といえば、会社が受注した案件が、スキルマッチする社員に割り当てられるのが相場。エンジニア個人が好きな方を選び、客先からせっかく受注した仕事を断る権利を持つなど、一般的には多くないだろう。
Avirity Informationの場合、仕事を受注するのも、最終的に断りを入れるのも代表の奥野さんの仕事だ。
「普段から、こういう自社開発がやりたいから、それに合ったスキルが身に付く案件を探している、ウチであればこの分野でこういうことができる人材がいる、といったことを話して回っていると、自然とほしいタイミングで欲しい案件が来るんです。お客さんにも、『本人(社内の技術者)がやりたくないと言ったらお断りすることになります』と最初から言っているので、トラブルにはなりません」(奥野さん)
このあたり、起業前に経験した不動産営業で培ったという奥野さんの営業力や人柄のなせる業という印象だが、「本人たちにも、相手がお客さまであっても、ここぞという時にはプロとしてガツンと本音でぶつかってほしいと言って送り出しています」と言い切るように、技術者の働きやすさありきの経営姿勢は徹底されている。
原動力は「自社開発のやりがい」と「新たな学び」
この自社開発プロジェクトは、年内にβ版リリースまでこぎ着ける予定で、リリース後の1年で5万~10万社への導入という青写真が描かれている。
仮に計画通りにプロジェクトが進んだとしても、開発者はここ1、2年の間は、常駐先案件との掛け持ちになる。もちろん契約時に発注元の理解を得た上でのことだが、常駐先の仕事が終わった平日の定時以降を自社開発に充てるというハードワークの日々が続く。
ただ、現在6人いるプロジェクトメンバーは、こうした環境に身を置くことをむしろ歓迎しているという。
藤野氏と同じく今月入社した荒井弘樹氏は、大手受託開発会社に務めた新卒からの7年間、常駐先の勘定系システムの開発・保守一筋だった。
「そこそこ大きい会社だったので、実力は評価していると言われながらも、上が詰まっていて昇進は見込めない。案件の中でも自分の意見はなかなか届かないなど、前職の環境に不満を感じていました」
そうした手詰まり感のある状況が転職を決意させることになったのだが、「それでもパートナー企業のスキルの高い人から得られた学びや刺激は、本当に大きかった」と振り返る荒井氏。
稼働が高くても、いろいろな仕事を受けて社外の人と交流することが自分のスキルの向上につながる。考え方や世の中のトレンドを知る上でも必要不可欠なことであると、身をもって感じているようだ。
大手SIer出身の飯沼渉氏は、「歯車として働くのではなく、自社サービスをゼロから立ち上げられるところに強く惹かれた」と昨年11月に入社した。「転職にあたって10社以上と面接する中で、先を見据えたしっかりとした計画があったことも、この会社を選んだ理由でした」と語っている。
飯沼氏が言う「計画」は、事業計画にとどまらない。3年以内に全社員を対象にした1カ月の「秋休み制度」を導入することや、社宅、保育所の設置など、同社はWebサイトなどを通じて内外に「社員が仕事に没頭できる環境づくり」を約束している。
社員の働きやすさを重視する同社の姿勢の表れと言えるが、これらはすべて、自社開発プロジェクトの成功が前提となっている。つまり、頑張っただけの「見返り」が約束されていることも、社員のモチベーションの醸成につながっているようだ。
技術とアイデアをフラットに持ち寄り、大手に挑む
さて、こうした手法でまさに立ち上がろうとしている同社の新プロジェクト『Let Bell』(仮称)だが、「まったく新しいERP」という謳い文句のほか、「クラウド活用」、「グローバル展開」、「モバイルとの高い親和性」といったいくつかのキーワードを除くと、具体的に公開されている情報はない。
それは、グローバル展開を視野に入れた国際特許出願を控えているという事業戦略上の理由とは別に、どんなものを作るのかという企画自体も、代表やプロデューサーによるトップダウンではなく、エンジニア同士がアイデアを出し合って形作っていく進め方を想定しているからに他ならない。
そのため、メンバー3人はプロジェクトチームそのものについても、「リーダーが要件定義をして、その下の人がコーディングするというよくある縦関係ではなく、フラットな組織にしていきたい」と口をそろえる。
「この業界に入る人には、もともとモノづくりが好きだったからという人が多いと思うんです。だからこそ、誰かに言われたものを作るのではなく、みんなが自分が作りたいものを発信しやすい環境にしたい。モノづくりを本当に楽しめるように、というのが自分たちの思いです」(飯沼氏)
IT技術者の不足が指摘される中、同プロジェクトには「1カ月間で即戦力レベルの技術者で30人以上、若手も含めると60人以上」(奥野さん)と、かなりのペースで応募が殺到しているという。
応募してくる技術者の得意とする開発言語やバックボーンはさまざまだが、むしろ、得意分野の異なるスペシャリストの集団になることこそが、彼らの描く理想だ。
SAP、ワークスアプリケーションズなど、海外の超大手企業が跋扈するERPの業界に、まったく新しい方法で挑もうとするAvirity Information。スペシャリストたるエンジニアたちが異なるキャリア、異なる常駐先での学びを持ち寄り、フラットな関係でアイデアを出し合うことで、業界に新風を吹き込むことができるか注目したい。
取材/伊藤健吾 文/鈴木陸夫(ともに編集部) 撮影/竹井俊晴
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