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インフォシス、国内大手小売企業の人工知能(機械学習)を使ったオムニチャネル戦略に見る~SEが店舗運営・マーケティングも学ぶべき理由

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    インフォシス

    インド・バンガロールに本拠を置き、日本をはじめ世界約30カ国でビジネスとソリューションのコンサルティング事業を展開しているインフォシス。同社は2014年、自社開発による「InteractEdgeプラットフォーム」を国内大手小売企業に導入し、業界初のオムニチャネル・パーソナライゼーションを実現したことを発表した。

    インフォシスはこれまで、主に海外での案件でオムニチャネル・パーソナライズエンジン製品「InteractEdgeプラットフォーム」の導入を手掛けてきた実績を持つ。複数の導入実績を経て、サービスとしての信頼性と品質が高まったことから、顧客企業が求めるオムニチャネル・パーソナライゼーションのニーズを満たすプロジェクトが実現したという。

    プロジェクトが正式に動き出したのは2013年10月だったとプロジェクトを統括した新庄氏は振り返る。

    「顧客企業はそれまで、ECサイトとメールニュース、モバイル向けアプリ、それに実店舗での消費者動向を、それぞれ別々に把握、管理していました。これを包括するシステムを導入して売上げ向上だけでなく、より消費者一人一人の顧客満足度を高めるオムニチャネル化を実現したいというニーズがありました」

    新庄氏は物流会社で社会人としてのキャリアをスタートし、IT業界へ異業種転職。その後、事業会社でサービスを利用する側、SEとしてシステムやソリューションを提供する側などと立場は変わっても、一貫してITとビジネスに関わってきた経歴を持つ。

    「今回、物流や小売の業界に身を置いたことがある経験から、このプロジェクトにアサインされたのだと思います。過去の経験から顧客企業のニーズをキャッチアップするスピードは早かったと思いますね」

    店舗運営、マーケティング上の課題を技術で“翻訳”し解決へ導く

    事業会社やSEとして一定の知識や経験があっても、顧客企業の求める店舗運営、マーケティング上の課題を一つ一つヒアリングして抽出、それを技術でクリアしていくプロセスはかなりハードルが高かったと振り返る。

    「最初のヒアリングに3週間、その後の要件定義に3週間、次のフェーズに1.5~2カ月を要しました。顧客企業の担当者は店舗運営、マーケティングが専門の方だったので、小売業界で普通に使われる用語をRFM分析や頻出パターンマイニングといったソリューションに当てはめていく“翻訳”と適用が自分にとってのミッションになりました」

    インフォシスの「InteractEdgeプラットフォーム」を導入するメリットは大きく3つある。一つは、消費者の購買行動などをログとして収集し分析するビッグデータ解析機能。次に、プラットフォームが持つ個々のアルゴリズムを調整することで、高度なレコメンド機能が実現できること。そして、人工知能(機械学習)によって、その精度が次第に高まっていくことだ。

    業界初となるオムニチャネル・パーソナライゼーションの導入プロジェクトを推進した新庄氏

    業界初となるオムニチャネル・パーソナライゼーションの導入プロジェクトを推進した新庄氏

    「『InteractEdgeプラットフォーム』を使えば、高度なオムニチャネル化が実現できることは分かっていても、日本ではまだ、誰も手掛けていなかったので、全て英文で書かれたドキュメントを読んで、仕様を詰めていきました。そのプロセスは日々、新しい勉強という感じで大変でしたし、貴重な経験にもなりましたね」

    顧客企業の販売チャネルのうちモバイル向けアプリは、このソリューション導入に合わせてリニューアルされ、昨年8月にアップデートがリリースされた。この時点でDL数は213万超。店頭やECサイトで延べ1,300万回以上も利用されてきた実績がある。

    アプリを利用する消費者の動向を把握するだけでも膨大なデータを収集・分析することになる。

    「特に小売や物流といった業界のソリューションを手掛ける際、こうしたビッグデータをどう扱うかを担うのがエンジニアの役割になります。一般的な基幹システムやERPの設計・構築であれば、顧客企業側の担当者は情報システム部門かもしれませんが、今回のような店舗運営、マーケティング上の課題、オムニチャネルの課題解決といったオファーがあった場合、店舗運営、マーケティングや営業戦略担当者といった方が窓口になる可能性があります。ですからエンジニアも顧客企業側の店舗運営、マーケティングや営業戦略に関する知識を把握する必要がありますね」

    オムニチャネル・パーソナライゼーションの導入で売上げと効率が改善

    今回のプロジェクトで新庄氏は“日本側の統括責任者”となっている。実際に設計・開発やアルゴリズムの調整などコーディングを手掛けたエンジニアは全てインド本社のエンジニアだと新庄氏は語った。その数、総勢約15人。つまり、全てオフショアでの開発だったことになる。

    「仕様さえしっかり決まってしまえば、個々のエンジニアがやるべきことは明確になりますから、オフショアであることを、特に大変だと感じたことはありません。実際にテストして稼働させてみた後で、安定させるための調整などは、こちらのミッションとして必要になりました」

    インフォシスの「InteractEdgeプラットフォーム」が誇る人工知能(機械学習)は、DBとしてのログが蓄積されていくほど精度が増していくことは前述した通り。このため、一人一人の消費者が「お気に入り」に商品を登録した、ある商品を「購入した」といった行動履歴をもとに、一人一人の好みや嗜好に合った的確なレコメンドへと反映させていく機能は「まったくの無人化。全て自動化しました」と新庄氏は強調する。

    「ソリューション導入以前は、顧客企業ではレコメンドへの反映をスタッフが行っていました。消費者の好みや嗜好に合ったものだけが表示され、レコメンドのミスマッチを防ぐことができているという評価をいただいています」

    「InteractEdgeプラットフォーム」の導入後すぐに成果が現れたという

    「InteractEdgeプラットフォーム」の導入後すぐに成果が現れたという

    この結果、レコメンドを反映させていた人件費の削減が実現したばかりでなくECサイトなどでの購買率が「数%」アップしたという。

    「それもソリューションを導入、稼働させてすぐに、こうした結果が出ました。オムニチャネル・パーソナライゼーションは、全ての販売チャネルのデータ蓄積を重ねることで精度を高め、一人一人の消費者にマッチしたきめ細かな店舗運営、マーケティングに活かしていくのが目的。具体的な成果は、まだこれから出てくると思います。しかし、導入直後でさえ、これだけの結果を残せたことに満足しています」

    インフォシスでは、日本で初となる今回の「InteractEdgeプラットフォーム」導入をきっかけに、幅広い業界や企業へ向けて、その優位性をアピールする機会が増えているという。海外で豊富な導入事例を持つソリューション・ベンダーとしてのインフォシスと、新庄氏のようなキャリアを持つPMの存在こそが、高度なオムニチャネル構築・導入を成功に導くケーススタディーの一つと言えるだろう。

    「ビッグデータとオフショアを組み合わせたプロジェクトに限らず、グローバルソリューション・ベンダーならでの仕事があると自負しています。こうしたプロジェクトに身を置き、知見を深めたい方にとって、インフォシスは最適なフィールドだと感じています」

    取材・文/浦野孝嗣 撮影/小林 正

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