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フリーランスエンジニアとして成功するには?高単価案件を安定獲得するコツを紹介

エンジニア辞典

常に“エンジニア不足”が叫ばれているIT業界。正社員に限らず、契約社員や派遣社員、そしてフリーランスのエンジニアと契約を結ぶ企業が増えています。

今回は、これからフリーランスエンジニアを目指そうとしている会社員エンジニアのために、フリーランスの働き方や、案件の獲得方法をご紹介します。

フリーランスエンジニアの契約方法や会社員との違い、高単価案件を取得する方法について知りたい方は、ぜひご覧ください。

※この記事は2020年12月14日に公開し、2021年9月14日に最新情報を更新しています。

フリーランスエンジニアになる前に抑えておきたい基礎知識

同じエンジニアでも、フリーランスと正社員では多くの違いがあるもの。そもそもの契約形態が違うため、メリット・デメリットもはっきりとしています。そこでこの章では、フリーランスエンジニアの働き方とお金事情について解説します。

どういったフリーランスエンジニアを目指すのかを考える上でも、それぞれの基本情報をしっかり抑えることが大切です。

フリーランスエンジニアの契約形態と働き方

はじめに、フリーランスエンジニアの契約の種類についてご紹介します。フリーランスエンジニアの主な契約方法は、以下の2種類です。

・請負契約 
・常駐案件(準委任契約)

請負契約は、成果物を納品することが前提となります。

例えば、LPのコーディングを10万円で受けたとします。この場合、エンジニアは成果物であるLPを納品する責任があり、クライアントは納品されたものに対して報酬を支払う責任があります。納品するまで報酬が支払われないのが、請負契約の特徴です。

時間で縛られているわけではないため、働く場所や時間帯は基本的に自由です。また、案件を早く進めれば進めるほど、時間当たりの単価は高くなります。しかし、報酬支払いのタイミングが納品時ではなくリリース時だった、納品後の修正対応が何度も発生する、クライアントの確認期間が長くなかなか納品ができない……など、クライアントとのトラブルが起こりやすい側面もあります。

一方で、準委任契約は、成果物ではなく、能力や時間を提供することが求められます。

多くの場合では契約期間が決められており、その間に開発スキルをはじめとしたスキル(能力)を提供する必要があります。その分、請負契約のように納品に対しての責任はありません。また請負契約とは異なり正社員と同じ時間・場所で働くことを求められることが多く、フリーランスとはいえクライアント先に常駐することもあります。

準委任契約は働いた時間に応じて給料が振り込まれるため、請負契約と比較すると低リスクな働き方と言えるでしょう。

それぞれの契約形態にメリットデメリットがあります。自分がどのような働き方をしたいか、何を重視するかによって適切な契約形態を選ぶことが大切です。

フリーランス

フリーランスエンジニアとお金

次に、フリーランスエンジニアのお金事情について紹介します。フリーランスエンジニアのお金に関するメリットは以下の三つです。

・報酬を自分で設定できること
・技術の成熟度によって単価を上げられること
・経費の計上で節税ができる場合があること

フリーランスエンジニアの場合、報酬その他条件はクライアントと両者合意の上で契約を進めることになるため、案件の単価交渉がしやすいのが利点です。

また技術の成熟度が上がるほど単価が高くなる傾向があるため、専門分野の案件だけを受けて効率よく報酬を得たり、「得意なPHPの案件を週4日高単価で受けつつ、週1日は未経験のPython案件に挑戦しよう」といったように、収入を補いながら成熟度の低い案件に挑戦したりすることもできます。

さらに、フリーランスの場合は所得を抑えることで節税をすることも可能です。所得を抑えるためには、まずは仕事で使ったお金(接待費やPC購入費、スキルアップのためのセミナー受講費など)をきちんと経費申請することが大切。

また「小規模企業共済」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」、「ふるさと納税」などの活用もおすすめです。

一方で、フリーランスエンジニアになる前にお金の面で注意しなければならないのは、以下の三つです。

・収入が安定しにくい
・ボーナスや手当がない
・確定申告をする必要がある

フリーランスエンジニアは案件単位、もしくは期間単位で依頼を受けることになります。そのため、例えばクライアントの業績が不安定になったり、担当していたプロジェクトが終了したりした際に、発注が継続されない可能性があります。

常に安定した収入を得るためには、複数社から仕事を受ける、営業をかけて新規案件を受けられる体制をつくっておく、などの努力が必要です。

加えて、正社員とは違いボーナスや手当などもありません。大きな支出の際に備えて日頃から計画的に貯蓄をすることが大切です。

さらに、フリーランスエンジニアは自分で確定申告を行わなければなりません。領収書の整理やお金の管理を日頃から心掛けておく必要があります。どうしても自分で作業できない場合は、税理士に依頼をするのも一つの手です。

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フリーランスエンジニアの主要な6職業

続いて、フリーランスエンジニアの職種についてご説明します。ここでは主要な以下6つの職種について、その特徴をご紹介します。

・プログラマー
・システムエンジニア
・フロントエンドエンジニア
・バックエンドエンジニア
・インフラエンジニア
・プロジェクトリーダー

まず、プログラマーです。プログラマーは、システムエンジニアが作成した仕様書をもとに、システムを構築する役割を担っています。案件によって適切なプログラミング言語が変わるため、複数言語を習得しておくと受けられる仕事の幅が広がります。

システムエンジニアは、エンジニアの職種の中でも顧客との関わりが多いのが特徴です。顧客と打ち合わせをし、それをもとに仕様書を作成。場合によってプログラミングまで担当します。能力や経験値によって単価を上げやすい職種でもあります。

フロントエンドエンジニアは、Webブラウザ上で動作するプログラムの表面の部分を作ります。Webデザインの領域に携わることができ、使用言語もHTMLやCSS、JavaScriptと比較的学習しやすいため人気の職種です。

バックエンドエンジニアはフロントエンドエンジニアとは対照的に、Webサービスの裏側のプログラムを担当する職種です。ユーザーの目には見えない、Webサーバーやデータベース回りの技術を担います。

インフラエンジニアは、バックエンドエンジニアが使用するサーバーやネットワークそのものを構築し、管理します。インフラに障害が発生するとサービスが止まってしまうこともあるため、障害が起きた際に即時復旧作業を行うなど、不規則的な動きを求められることもあります。

最後に、プロジェクトリーダーです。プロジェクトリーダーは、ソフトウエア開発やシステム構築といったプロジェクトの先頭に立ちながら、全体の進行管理を行います。開発の知識だけではなく、コミュニケーション力、マネジメント力など、幅広い能力が求められます。

フリーランスで案件を獲得するには

フリーランスエンジニアは自分の力で収入を確保しなければなりません。そのためには何よりも、案件を獲得することが必須です。では、フリーランスエンジニアはどのように案件を獲得すればいいのか。この章では三つの案件獲得方法をご紹介します。

仕事紹介サービスで案件を獲得する

はじめに、仕事紹介サービスの仲介で案件を獲得する方法をご紹介します。一般的には以下のサービスを利用することが多いです。

・求人サイト
・クラウドソーシングサイト
・エージェント

それぞれの特徴やメリット・デメリットをあげていきます。

『転職サイトtype』や『Indeed』などの求人サイトは、正社員の募集・スカウトのほか、業務委託の形式で人材を募集していることもあります。ただ、他の応募者との比較をされることも多いため、未経験の分野に挑戦するのはややハードルが高いと言えるでしょう。

クラウドソーシングサイトは、未経験者が応募できるものから経験者向きのものまで、幅広い案件が揃っています。実績がなくても気軽に応募できるのが最大のメリットです。一方で、単価の低い案件も多く、また一般的に報酬の内5~20%がシステム利用料として差し引かれるため、効率良く稼ぐのは難しいかもしれません。

最後に、エージェントです。フリーランスエンジニアと企業をつなぐエージェントサービスでは、さまざまな案件から自分の理想の条件や内容に近い案件を見つけやすいのが最大のメリットです。人を挟むため応募やマッチングのスピード感は求人サイトやクラウドソーシングサイトにやや劣る傾向がありますが、質の良い案件を選びたい場合はおすすめです。

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営業して案件を獲得する

仕事紹介サービスを利用せず、フリーランスエンジニアが自ら営業をして案件を獲得するという方法もあります。

営業といってもテレアポや訪問ではなく、制作会社のホームページの問い合わせフォームやメールアドレス宛に問い合わせをするのが一般的です。この際、これまでの実績や制作物をまとめたポートフォリオを用意しておくと、案件獲得につながりやすいです。

また、TwitterやFacebookなどのSNSを活用して案件を募集することも。SNSでエンジニアを探している企業も今は増えているので、投稿が目に留まれば直接クライアントと契約を結べる可能性は十分あります。この場合も、投稿やプロフィールページにポートフォリオを載せておくのが有効です。

知人や過去の契約企業に案件を紹介してもらう

フリーランスエンジニアが目指したいのは、自分で仕事を探さなくても、勝手に仕事が舞い込んでくる状態です。仕事を探す時間を削減することもでき、収入の心配も比較的なくなります。打診のあった案件の中から条件の良い仕事を選べるといったメリットもあります。

案件を紹介してもらうルートは、主に二種類あります。

一つ目は、知人からの紹介です。例えば制作会社で働いていたり、フリーランスで大型のプロジェクトを請け負っている人が、開発者を探しているといった場合。いきなり人材サービスやSNSで人材を探すのではなく、まずは知り合いのエンジニアに声を掛ける、というケースがほとんどです。

なぜなら新しい人に仕事を依頼する場合、スキルの見極めが難しく、信頼関係を築く時間や採用コストも掛かります。一方で見知った相手であれば、例え仕事の依頼が初めてであっても、コミュニケーションをしっかりとって、リスクヘッジをすることができますよね。

同じような理由で、過去の契約企業からの案件依頼も方法の一つです。一度受けた仕事で良い成果を出すことができれば、信頼関係が構築され、「またこの人にお願いしたい」と思ってもらえます。そしてそれが積み重なれば、長期的な継続発注につながることも。

つまりフリーランスエンジニアとして安定的に案件を獲得するためには、始めのうちは主体的に仕事を探すこと。そして、受けた仕事を責任を持ってきっちりとこなすことが、何よりも大切なのです。

フリーランスエンジニアが高単価案件を目指すには

フリーランスエンジニアとして収入や生活を安定させるために、案件を安定獲得することと同じくらい重要なのは、一つ一つの案件の単価を上げる事です。

例えば同じような開発案件であっても、あるエンジニアとは20万円で契約しているのに、別のエンジニアとは15万円で契約する…といったことは当たり前にあります。では、この2人の違いは一体どこにあるのでしょう?

この章では、高単価案件の獲得方法と、獲得するために必要なスキル、身に付け方をご紹介します。

スキルアップして高単価案件を獲得する

フリーランスエンジニアとして高単価案件を獲得するためには、以下三つのスキルを身に付ける必要があります。

・上流工程のスキルセット
・提案力
・コミュニケーション力

一つ目は、上流工程のスキルセットです。上流工程とは、システム開発・設計において最初に行なうフェーズを指します。実際の開発(プログラミング)に取り掛かるために必要な「要件定義」や「設計」が上流工程にあたります。もちろん開発の規模感にもよりますが、上流工程の単価は下流工程よりも10~20万円ほど高くなることも多いようです。

二つ目は、提案力です。フリーランスエンジニアとして仕事を受ける場合、基本的には指示書や仕様書を元に案件を進めるケースが多いです。しかし時には「仕様書にはこう書かれているけれど、もっとこうした方がいいはず…」と、より良い方法を思い付くこともあるでしょう。そうした際は思い切って、ベストな方法を提案してみるのがおすすめです。

ときにはチームの方針であえて仕様書の方法を推奨している、といったケースもあるかもしれませんが、発注元の開発知識が浅くベストな方法を知らないといったケースもあり、後者の場合は大変喜ばれます。目的に対してより良い提案をしてくれる姿勢は、信頼関係を築く大きな材料になります。

さらに業務をこなす上でも、信頼関係を構築する上でも、コミュニケーション力は欠かせません。また単価交渉やトラブル対応の際にも適切なコミュニケーションができるかできないかによって、内容が大きく変わります。

フリーランスエンジニアとして高単価を目指していく場合、これら三つを意識しながらスキルアップを進められるといいでしょう。

直接契約で単価を上げる

もう一つ、単価を上げるために大切なことは、クライアントと直接契約を結ぶことです。仕事紹介サービスやエージェントを用いて仕事を探す場合、クライアントはプロジェクトの予算から採用コストを使っており、その分応募者に還元できる金額が低くなるケースが稀にあります。

またクラウドソーシングサイトや一部のエージェントサービスでは、報酬から手数料が差し引かれることも。同じ内容の案件であっても直接契約か仲介契約かによって単価が変わるのであれば、直接契約の方が間違いなく得ですよね。

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まとめ

今回は、フリーランスエンジニアが案件を安定獲得する方法や、高単価案件を獲得するために必要なスキルについてご紹介しました。

フリーランスエンジニアは正社員や派遣よりも幅広い業務を担うこともあり、さまざまなスキルが求められます。一方で、ワーケーションやリモートワークなど、自分の理想の働き方を叶えやすい形態でもあります。どれだけ稼げるかも自分次第。ある意味、自分の力を試される働き方とも言えそうです。

今後フリーランスエンジニアとして活躍していきたいと考えている方は、ぜひ本記事を参考に準備を進めてみてくださいね。

文/高城つかさ

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