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海外オフショア「3つの壁」とは?IBS Global Bridgeが実践する、“グローバルチーム型”開発で壁を打ち破る方法

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    プロジェクトリーダーの山入端翔氏、ゼネラルマネジャーの仲本貴紀氏

    (写真左より)プロジェクトリーダーの山入端翔氏、ゼネラルマネジャーの仲本貴紀氏

    人員の確保のしやすさやコスト削減などの利点から、大規模なプロジェクトに挑む手段として定着したかのように見えるオフショア開発。

    しかし、言葉やカルチャーの違いなど、未だに多くの課題が残されている。事実、進捗管理やエンジニアのマネジメントがままならず、プロジェクトが頓挫してしまうケースも少なくない。

    そんな中、従来のオフショア開発の課題を払拭し得る、新たなプロジェクトマネジメントモデルがあるのをご存じだろうか。それが、IBS Global Bridgeが手掛けている“グローバルチーム型”の開発スタイルだ。

    従来のオフショア開発では、日本語が話せる外国人をブリッジSEとして現地に配置するのが一般的。その場合、日本のSEが現地のエンジニアを直接マネジメントできないため、コミュニケーションロスや手戻りが生じやすいという課題があった。

    一方、IBS Global Bridgeが実践するグローバルチーム型開発は、現地・日本を問わず全員を一つのチームとして捉えることに加え、英語を共通言語とするためブリッジSEが不要となる。結果、円滑なコミュニケーションが可能となるため、従来よりも進捗管理やマネジメントが行いやすくなるのだ。

    しかし、このグローバルチーム型の開発を効果的に取り入れるためには、乗り越えなければならない壁があるという。それが、

    【1】距離の壁
    【2】言葉の壁
    【3】意識の壁

    の3つだ。今回は、これらの壁を打ち破るヒントを、IBS Global Bridgeで活躍する2名のエンジニアの話から探った。

    コミュニケーションの頻度と質を高めるための「仕組み化」を実施

    ブリッジSEを介さない新たなプロジェクトマネジメントモデルである“グローバルチーム型”開発(出典:同社Webサイトより)

    ブリッジSEを介さない新たなプロジェクトマネジメントモデルである“グローバルチーム型”開発(出典:同社Webサイトより)

    「もともと、ベトナムでのオフショア開発に失敗したことがきっかけで生まれたのがグローバルチーム型の開発だったんです」

    そう過去を振り返るのは、同社でゼネラルマネジャーを務める仲本貴紀氏だ。かつては同社の母体であるインテリジェンス ビジネスソリューションズもベトナムでのオフショア開発を手掛けていたが、完成品のクオリティの低さや、バグ修正などの指示を出す際のコミュニケーションエラーに頭を悩ませていたという。

    「何が原因なのかと考えたところ、一体感のなさが致命的なのではないかと思い至りました。一般的に、発注側とオフショア先のエンジニアは、それぞれが別の会社に籍を置いています。つまり、詳細なメンバー構成もわからなければ、各々の目的も違うのです。それに加えて、日本とベトナムという物理的な距離と言葉の壁が立ちはだかっている状況で、プロジェクトが上手くいくはずがなかったのです」(仲本氏)

    そこでインテリジェンス ビジネスソリューションズは、IBS Global BridgeとIBSベトナムを戦略的グループ会社として設立し、物理的な距離の壁と言葉の壁の払拭に取りかかったのだった。

    「これまでマネジメントを行っていたブリッジSEの代わりに、日本とベトナムの双方を見るチームリーダーを配置し、コミュニケーションの円滑化を図りました。また、そもそも現地のブリッジSEは、日本語ができるというだけで、技術力やマネジメント能力はリーダーを任せるレベルに達していないケースが往々にしてありました。ブリッジSEを介さずにコミュニケーションが取れるようになったことで、ベトナムと日本との距離は確実に縮まり、スケジュールもコントロールしやすくなりました」(仲本氏)

    ここで大切なのが、ただ直接コミュニケーションを取るよう意識付けするだけでなく、仕組みに落とし込んで対話を重ねること。

    同社では、日本・ベトナム双方で導入しているコミュニケーションツール『Microsoft Lync』などを駆使しながら、1~2時間おきにベトナムのプログラマーに声を掛けるようにしているそう。

    さらに、やみくもに「作業指示を詳細化して、現地の考える余地をなくす」のではなく、ベトナムのプログラマー自らが課題解決に乗り出してくれるようなコミュニケーションを重ねるという(その詳細は後半で紹介する)。インプット情報を増やすことよりも、現地で行間を補えるようにすることで、【1】の距離の壁を乗り越えているのだ。

    では、【2】の言葉の壁を越えるには何が必要なのか。同社のプロジェクトリーダーである山入端翔氏はこう語る。

    「新規のシステム開発のプロジェクトの場合には、仕様書をはじめから英語で作成することでコミュニケーションエラーを防いでいます。既存システムの改修プロジェクトの場合は、仕様書を英語に翻訳するだけでは伝わりにくい部分もありますが、ラフな絵や画面共有を積極的に利用して認識合わせをしたり、実際のソースコードを見せながら説明することで理解を深めてもらえるように工夫しました」(山入端氏)

    グローバルチーム型開発では、チーム内の公用語は英語で統一されている。そのため、通常の会話がスムーズに行えることはもちろん、必要書類を最初から英語で作成することで精度の高い情報交換が可能になる。

    日本語から英語への翻訳を介すことで細かな意図が伝えにくい場合には、開発言語というエンジニアならではの共通言語が活躍するというわけだ。

    こうして【1】の距離の壁と【2】の言葉の壁を乗り越えることは可能となった。しかし、最も高くそびえ立っていたのは、意識の壁だったと仲本氏は続ける。

    指示者と作業者という意識を変え、チームでのプロジェクト進行へ

    エンジニアの意識の醸成に対する思いを語る山入端氏

    エンジニアの意識の醸成に対する思いを語る山入端氏

    環境が整備されても、人の意識というのは簡単に変わるものではない。

    主流となりつつあるオフショア開発の影響で、ベトナムのエンジニアには「日本人は顧客である」という意識が根付き、日本側のエンジニアにも「指示はこちらから出すもの」という考えが抜けないケースが少なくなかったのだ。

    そこで【3】意識の壁を乗り越えるべく、同社が取った施策について、山入端氏は次のように語った。

    「これまで、ベトナムのエンジニアには開発業務に必要なことのみを説明してきたのですが、クライアントのビジネスモデルや、プロジェクトの成功がクライアントにもたらす価値なども伝えるようにしました。すると、自身に求められていることを自ら考え、主体的に行動するようになっていったのです」(山入端氏)

    さらに、単にプログラミングのみを任せるのではなく、ベトナムのエンジニアが基本設計や要件定義などの上流工程から参画できるような体制を整えたという。

    同社で手掛けているのは、基本的にプライム案件。自由度高く取り組める案件であるという点に加えて、同社とベトナムとの間にあるグループ会社という関係性の近さが、上流から共に取り組むという意識の醸成に一役買っているのだろう。

    「上流工程から参画してもらうことで、仕様がわからなくて作業が滞るという事態を未然に防ぐことができます。結果、指示されたことのみしか行わないという受け身なスタイルが改善されていきました。私は以前、ベトナムに滞在してプロジェクトに取り組んだことがありますが、ベトナムのエンジニアたちのスキルは非常に高い。チャンスさえ用意すれば、上流工程ができないわけがないと感じていました」(山入端氏)

    目指すはプロジェクト成功のさらに先、アジアエンジニアのスキルUP

    仲本氏は、海外エンジニアの育成にかける思いについて熱く語った

    仲本氏は、海外エンジニアの育成にかける思いについて熱く語った

    さまざまな施策を実践しながら、ノウハウを蓄積していくことで、グローバルチーム型というプロジェクトマネジメントモデルは普及していくことだろう。しかし同社にとっては、それも通過点に過ぎない。

    「現地エンジニアが主体的にプロジェクトに取り組めるような仕組みを作ることで、アジアのエンジニアのスキル向上に取り組んでいきたいと考えています。それは結果として、共に働く私たち日本のエンジニアにとっても刺激となり、成長を後押しする存在となってくれると確信しています」(仲本氏)

    そのためには、日本人の意識の変革が必要不可欠だという。海外エンジニアとのプロジェクトだからと必要以上に細かく指示を出したり役割を限定するのではなく、同じチームの仲間として、対等に向き合うことが必要だと仲本氏と山入端氏は繰り返すのだった。

    取材・文/秋元祐香里(編集部) 撮影/小林 正

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