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女性社員が「あたりまえに」長く働ける職場環境のつくり方

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    写真左から:株式会社アイ・ピー・エルの小林沙央里さん(ともにコンサルティング補佐)、大野絵理さん、神馬和歌子さん(ともにシステムエンジニア)

    写真左から:株式会社アイ・ピー・エルの小林沙央里さん(ともにコンサルティング補佐)、大野絵理さん、神馬和歌子さん(ともにシステムエンジニア)

    第2次安倍内閣は発足後すぐに日本経済の再生を最優先課題とし、「3本の矢」と名づけた3つの政策(1.大胆な金融政策、2.機動的な財政政策、3.民間投資を喚起する成長戦略)を次々に打ち出した。

    これらの成長戦略の中で、よく議論の的とされるのが、「職場における女性の積極活用」だ。

    昨年4月、総理自らが「全上場企業に1人は女性役員を」と語ったのをはじめ、育児休暇の拡充や待機児童の解消など、女性が働きやすい環境の整備に努める姿勢を積極的にアピールしている。

    だが、事はそう単純ではない。ほかの経済政策に比べて難しいのは、もともと女性の比率が少ない分野・業界が存在すること、働く女性すべてが昇進や出世を目指しているわけではないといった“理想と現実のギャップ”だ。

    特にIT業界は、もともと女性エンジニアが少なかったこともあり、女性が安心して働ける職場づくりに関する動きが鈍かった。大手ベンダーや外資企業は、以前から「ダイバーシティ」の名の下で女性社員のキャリアメイクを支援する制度を充実させてきたが、まだまだ裾野が広がっているとは言いがたい。

    こうした中、女性がフレキシブルに働ける職場環境づくりを進め、着実な実績を築いている企業がある。神奈川県厚木市に本拠を置く中堅SIerのアイ・ピー・エルだ。

    今回、実際に働きやすい環境を求めて同社へ転職してきた3人の女性社員に話を聞き、その特徴とは何なのかをレポートする。

    大切なのは「制度」よりも「風土」

    アイ・ピー・エルのホームページ

    アイ・ピー・エルのホームページ

    1992年2月の設立から、間もなく22年目を迎えるアイ・ピー・エルの主力事業は、大手企業を顧客とするシステム開発と自社開発だ。いわゆる受託開発のほか、パッケージシステムの導入コンサルティング、独自の3D画像処理技術を用いた地図情報システムやクラウド型動画配信プラットフォームの開発を行っている。
    女性エンジニア・コンサルタントの採用には近年から注力し始め、現在、約50人の従業員のうち女性社員が7人となっている。2013年だけで3人が入社したという実績からも、女性を積極的に採用する姿勢が窺える。

    話を聞いた3人、神馬和歌子さん、大野絵理さん、小林沙央里さんは昨年入社した社員だ(それぞれ1月・7月・8月入社)。

    その中で、幼い子どもを育てながら仕事を続けたいと転職してきたのが神馬和歌子さん。これまで10年以上にわたって3DCADソフトの開発やカスタマイズを手掛けてきた。

    保育園への送り迎えや家事との両立を図りながら、エンジニアとしてのキャリアを活かせる職場としてアイ・ピー・エルを選んだという。

    「それまで勤めていたところでも両立を目指そうと思っていましたが、職場に制度や規則があるだけでは難しかったというのが転職した理由です」

    この「制度や規則があるだけでは難しい」の真意を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

    「システムエンジニアの仕事では、お客さま先の勤務時間に合わせることが多いですし、残業や休日出勤が恒常化しているようなプロジェクトでは、帰りにくい雰囲気があるので、制度があっても職場環境によっては利用しにくい場合があります。でも、例えば納期前のようにあらかじめ忙しくなるのが分かっていれば、夫に送り迎えを頼んで残業することもできます。本当に必要なのは、その時々の状況で柔軟な働き方ができる風土なのだと思います」

    出産、育児を経て仕事を続けていくには、「制度が固まり過ぎているとやりにくい場面も」(神馬さん)

    出産、育児を経て仕事を続けていくには、「制度が固まり過ぎているとやりにくい場面も」(神馬さん)

    取材した3人全員が「余分なルールがないので、逆に働きやすい」と話すように、アイ・ピー・エルでは個々人の状況に応じて仕事のやり方を調整できるようになっている。これが、柔軟な働き方を実現する前提条件のようだ。

    さらに、同社がこの柔軟さを提供できる理由には、受託と自社開発の両方を行っているという点もある。「家庭の事情などで勤務時間が限られる場合でも、ほかのメンバーがフォローできる環境が整っている」(神馬さん)という。

    とあるSIerでプログラミングを手掛けた後、自分のペースで働きたいとアイ・ピー・エルに入社した大野さんは、キャリアメイクの観点でもこの利点は活かせると話す。

    「わたしは前職で地図情報とも動画システムとも関係のない開発をやっていたので、これらの開発でよく用いられるC系言語やOpenGL、DirectXの知識はほとんどありませんでした。でも、アイ・ピー・エルには自社開発チームがあるため、右も左も分からない状況でいきなり受託現場に入るようなこともなく、スムーズに仕事に慣れることができた。ステップアップしていくための環境としては、とても良いと感じています」(大野さん)

    未経験のチャレンジも「声を挙げれば認めてくれる」

    ステップアップできる環境という意味では、現在コンサルティングチームに所属する小林さんの入社もこれが決定打だった。

    前職は通販会社で広告宣伝を担当していたという異業種からの転職。特にIT業界を志したわけではなく、エージェントを通じてキャリアアップを図れる職場環境を探した結果、アイ・ピー・エルに出合ったと話す。

    「面接の際に、知識やスキルだけではなくて、わたし自身の適性を尊重していただいたこともあって、これなら成長しながら長く働けそうだと思いました」(小林さん)

    たとえ未経験でも個人の資質や適性を把握し、その挑戦を会社がサポートする。こんな環境にも、女性が長く働くことができる職場づくりのヒントがありそうだ。

    社長室の扉がいつも開いている理由

    取材で出てきた「制度より風土」、「自社開発と受託開発を行き来できること」、「声を挙げれば検討してもらえる組織体制」といった特徴がもたらすのは、女性だけが働きやすい環境ではない。

    「エンジニアの仕事は、本来、男女差なくやれる仕事」と神馬さんも話すように、男女問わず働きやすい環境が本当の意味で「あたりまえに」長く働ける職場といえよう。

    同社代表取締役社長の吉川実さんも、「制度を人に合わせて変えていくのを重視している」と明かす。

    「大企業であれば、ある程度制度化しないと運用できない面があると思いますが、われわれはまだ中小規模の開発会社なので、逆にその利点を有効活用していこうと考えています。能力主義で評価・登用するという意味でも、プログラミングこそ男女関係なく評価しやすい仕事。だから、今後も男女問わず採用を行っていく予定です」(吉川さん)

    余談になるが、アイ・ピー・エルでは社長室の扉が常に開いており、組織運営や自身のキャリアについての相談を持ち掛ければ「社長が適宜検討してくれる」という不文律があるそうだ。社員がより良い職場環境をつくるために提案したことを、経営トップが理解し、決断する。

    ボトムアップとトップダウンとがバランス良く機能している点が、独特な「風土」を生み出すのだろう。

    この風土が実態の伴うものだというのは、大野さんが「アイ・ピー・エルに入って通勤時間がかなり長くなったけれど、それでも転職には満足している」と話すことが証明している。

    取材・文/浦野孝嗣 撮影/竹井俊晴

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