本連載では、圓窓代表・澤円氏が、エンジニアとして“楽しい未来”を築いていくための秘訣をTech分野のニュースとともにお届けしていきます
インターネット黎明期に似たにおいを感じる、「移動」に関わるテクノロジー【連載:澤円】
株式会社圓窓 代表取締役
澤 円(@madoka510)
立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。琉球大学客員教授。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。
著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界№1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『あたりまえを疑え。―自己実現できる働き方のヒントー』(セブン&アイ出版)/『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」 』(プレジデント社) Voicyアカウント:澤円の深夜の福音ラジオ オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム
皆さんこんにちは、澤です。
最近、公道を走れる電動キックボード、『LUUP』が話題ですね。
公道を走れるというだけでも十分に素敵なのに、シェアまでされるとなると、これは非常に魅力的ですね。
事故の心配は付きものですが、世の中ゼロリスクにはならないものなので、「うまく定着させていく」のが大事かなと思います。
ボクも今、電動バイクをオーダーして、届くのを楽しみにしている最中です。
ボクが選んだのは、Future株式会社が出している『Future Mobility F1』というモデルです。
最高速度45キロ、航続距離30キロの「近所に買い物に行くには十分」というスペックです。
家庭用電源で簡単に充電できて、ランニングコストは極めて安い移動手段になってくれそうです。
テクノロジーが解決できるのは「時間」と「空間」
さて、COVID-19によって人類がもっとも影響を受けたのが「移動」ではないかと思います。
何度かこの連載でも書かせてもらいましたが、テクノロジーが解決できるのは「時間」と「空間」です。
人間によって変えることのできない、これら二つのパラメータを仮想的に解決してくれるのがテクノロジーの力です。
産業革命以降、移動に関するテクノロジーの発展によって「長距離」を「早く移動」できるようになりました。
しかしながら、COVID-19はこの「移動」に対して、大きな制限を与え続けています。
特に海外渡航については、2年前とは完全に別世界になっていますね。
この状況は、まだ当分続くのではないか、とボクは思っています。
今は全世界的にワクチン接種を急ピッチで進めていて、これが行き渡ればある程度事態は好転するかもしれません。
しかし、今後は「移動」というものが持つ意味が大きく変わってくるとボクは思っています。
日本の都市部は、公共交通機関での移動が前提で社会構造が出来上がっている側面があります。
しかし、リモートワーク・在宅勤務が徐々に浸透するにしたがって「満員電車に乗ってまで出勤すること」に疑問を持つ人が増えてきているのではないかな、と予想をしています。
ちなみにボク自身は、サラリーマン時代からかなりの頻度でリモートワークをしており、たまに出勤するときはタクシーを利用することが多くありました。
移動中にストレスを受けるのを避けるために必要な投資、と考えていたからでした。
でも、2年前は朝の通勤時間帯のタクシーも割と争奪戦のところがあって、予約できないこともしばしばありました。
今はタクシーの利用そのものの絶対数が減っているようですが、どうしても移動しなくてはならない人たちによる利用は増えているかもしれませんね。
「移動」に関わる業界で、面白いイノベーションがたくさん起きてくる
今、「人がたくさんいるところに行く」ことに、恐怖を抱く人が増えていることは間違いないでしょう。
しかし、「移動を伴う仕事」をしなくてはならない人たちにとって、どうやって移動するかは大きな問題になります。
カーシェアの市場は、成長は鈍化しているものの、利用者数は2020年には200万人を超えて、安定してきた感じがあります。
「自分で車を持つほどではないけれど、電車などには乗りたくない」というニーズには、ぴったりのサービスです。
カーシェアやシェアサイクルなどをひっくるめて「MaaS=Mobility as a Service」と呼んだりしますね。
もともと北欧のフィンランドで生まれたこの概念は、SaaSやIaaSと同様、支えるのは最新のテクノロジーです。
長く歴史のある移動そのもののテクノロジーに対して、ICTが大きく寄与する時代がやってきていることは、テクノロジーに携わる者として感慨深いものがあります。
移動を「手段」としてとらえた場合、安全に、そして簡単に、さらには安価に利用できることは必須条件になるかと思います。
それを実現するためには、高度なテクノロジーが絶対に必要になりますね。
今までは、ICTとは距離のあったさまざまな「移動」に関わる業界が、どんどんICTと融合される時代になってきました。
これって、エンジニアにとって朗報だと思うのですよね。
モノづくり系のエンジニアとICT系のエンジニアが融合していけば、面白いイノベーションがたくさん起きてくると思います。
また、「安全」の部分が、物理的な事故だけではなく、悪玉ハッカーによるサービスの悪用に対する防御など、今までにはない対策が求められることになります。
こういう時代こそ、動いた方がいい。
今はエンジニアの選択肢が増えつつある黎明期そのものです。
なんとなく、インターネット黎明期に似たにおいを感じるのは、ボクだけではないでしょう。
ぜひアンテナを高く張って、「移動」をキーワードに自分のキャリアを見直してみるのも面白いかもしれませんよ!
常識に縛られたら、思考は停止する。
澤円さんが「既存の価値観を取り払い、豊かな人生をデザインする思考法」を紹介する。
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