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宇宙に向けてTENGAを飛ばす。嘘のようなホントの話にホリエモンも熱視線【TENGAロケット機体お披露目記者発表会レポート】

ITニュース

宇宙に向けてTENGAを飛ばす。そんな冗談のようなプロジェクトが、まもなく現実のものになろうとしている――。

ロケット開発事業を行うインターステラテクノロジズ株式会社(以下、IST)と株式会社TENGAは2021年6⽉30⽇、共同プロジェクト『TENGAロケット』の機体お披露目記者会見を行った。

会見には、TENGAの代表取締役社⻑・松本光⼀さん、IST代表取締役社⻑・稲川貴⼤さんに加えて、ISTのファウンダー堀江貴⽂さんも登壇。「宇宙空間での実験や、エンタメへの活用に対して扉を開く」などとこのプロジェクトにかける思いを熱弁した。

会見の様子はYouTubeでも生配信され、Twitterハッシュタグ「#TENGAロケット」「#愛と自由とTENGA」でも、ロケットのお披露目を待つ視聴者が盛り上がっていた。

「決して悪ふざけではない」同プロジェクトの意義とは。技術的にはどのような注目点があるのか。会見の内容をレポートする。

お披露目されたTENGAロケット

今回お披露目された『TENGAロケット』の機体

民間初「宇宙空間へのペイロード(荷物)放出と回収」に初挑戦

今回使用される機体は、ISTの観測ロケット『MOMO』シリーズ7機目となる『MOMOv1』。MOMOは2019年に打ち上げた3号機で、民間が開発・製造したロケットとして国内で初めて宇宙空間に到達しており、今回も期待が高まる。

シリーズ初の単独スポンサー案件となる『TENGAロケット』は、三つのミッションに挑戦すべく打ち上げられる。

MISSION① クラウドファンディングで集めた1000⼈分の想い・願いをTENGA型メッセージPODに⼊れて宇宙に届ける

MISSION② TENGAロボがロケットに搭乗し、宇宙空間から地球へ帰還する

MISSION③ 計測⽤のTENGAをロケットに搭載し、「宇宙⽤TENGA」の開発をスタートする

なぜ、宇宙とTENGAなのか。会見冒頭では、松本さんが次のようにTENGAの目指す世界観を熱く語った。

TENGAロケットミッション画像

「TENGAには『性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく』というビジョンがありますが、さらにその先に目指しているのが、一人一人が自分らしくいられて、好きなことを好きと言えて、それを互いに認め合える世界です。

国境や人種のない宇宙から、愛と自由を叫びたい。これは、愛と自由への思いを皆さんに届けるロケットです」

松本さんは、アルミの1枚板から制作し、強度と軽量化の両立を実現したというペイロード(宇宙に放出する荷物)の開発についても自ら説明。横で聞いていた堀江さんに「機体にまでこんなに口を出すスポンサーは初めて」と言わしめた。

機体の出来に手応え。背景にエンジニアリング力の向上

実は、MISSION②「ペイロードの放出と回収」には『MOMO』4号機でもチャレンジするはずだった。この時はロケット本体の不具合により、放出できずに終わっている。今回成功すれば、国内では⺠間初の「宇宙空間へのペイロード放出と回収」を⾏ったロケットとなる。

「国内民間初」に期待が膨らむが、今回放出しようとしているペイロードは、4号機の時のものより大きく、放出機構の大型化という仕様変更を行わなければならなかった。

TENGAロケット放出機構の動作実験の様子

松本社長も立ち会った放出機構の動作試験の様子

ロケットの機体に横穴を開け、そこから放出することになるので、穴の大きさはロケット本体の強度に大きく影響してしまう。難しいチャレンジになるが、堀江さんは今回の機体に対して「かなり改良されているし、部品を少なくするシンプル化もできている」と手応えを感じている様子。その背景には「ISTのエンジニアリング力の向上」があるという。

「純粋にエンジニアの人数が増えたのが大きい。開発メンバーのSlackを見ていても、しっかりと資料が作られていたりと、“ちゃんとした会社の開発のやり方”をスピーディーにやれるレベルになっている。まだまだ足りていないことも多いが、エンジニアがいい仕事ができる組織になってきた。宇宙業界に興味がある人は今がチャンスですよ」

「奇跡的に打ち上げ成功した3号機の頃と比べるとまったく別の会社になったよう」と、現在の開発体制に太鼓判を押す堀江さん。弊メディアの読者に向けて「エンジニア絶賛募集中」とのメッセージをくれた。

TENGAロケットの打ち上げは今夏。新型コロナウイルス感染症拡大防止の対策のため、打ち上げ日時は直前まで非公開、完全無観客を予定しているが、良いニュースが届くことを期待したい。

動画アーカイブ

「TENGA Channel」と「堀江貴文 ホリエモン」チャンネルにて会見動画を閲覧できる。

取材・文/根本愛美(編集部)

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