市場規模1兆円を超えるリユース市場において、業界の覇者として躍進を続けてきたメルカリ。「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」という揺るぎないミッションを掲げる同社は、今年で創業9年を迎える。そんな彼らが次のステージとして見据えるのは、世界に引けをとらない「グローバルテックカンパニー」の地位だ。本特集では、進化を続けるメルカリの現在地と未来をお届けする
メルカリジャパン新CEOにJeff LeBeau氏が抜擢。データドリブンなプロダクト開発の先に見据える“真のグローバルテックカンパニー”とは
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2022年1月1日、株式会社メルカリの国内事業を統括するメルカリジャパンのトップが交代。2018年から3年にわたりCEOを務めた田面木宏尚氏から、CPO兼Analytics担当の執行役員を務めてきたJeff LeBeau(ジェフ・ルボー)氏に引き継がれた。
リユース市場を独自に切り開き、創業から9年で急成長を遂げてきたメルカリだが、同社の目線はまだはるか先にある。Jeff氏が見据えるのは「真のグローバルテックカンパニー」。世界基準の技術、組織、カルチャーを持つ企業となることを目指しているという。
さらに「データドリブンなプロダクト開発の体制を強化し、『メルカリ』を“リユース商品売買の場”以上のものへと進化させていく。そのために、エンジニアリング組織の拡大が急務だ」とJeff氏は採用への意欲を語る。
彼の就任で、メルカリはどう変わるのか。新CEOに、次のビジョンを聞いた。
シリコンバレーで養ったグローバル感覚&データドリブンな開発を『メルカリ』に生かす
2013年7月のサービス開始以降、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」というミッションの達成に向けて、主にリユース市場の拡大に取り組んできたメルカリ。
今回のCEO交代の背景には、「グローバル化」と「データドリブンなプロダクト開発」の推進という二つの狙いがあったとJeff氏は明かす。
「メルカリが今後さらなる成長を目指す上で、この二つは最重要課題です。そこで前CEOの田面木はSVP Global Expansion(グローバル推進担当)として新規参入国の選定や立ち上げに専念。メルカリジャパンの新CEOとしての私の役割は、データとテクノロジーを駆使してロードマップ上に記されたマイルストーンを最速でクリアしていくことにあります。
目標を確実に達成するのはもちろん、いかに短い時間でそのゴールにたどり着くか。すべてはこれからの取り組みにかかっています」
Jeff氏はこれまで同社のCPO兼Analytics担当の執行役員として、データ分析基盤の構築やデータ連携の推進、機械学習による顧客体験の向上に取り組んできた立役者だ。優れた分析力や技術的知見の深さ、シリコンバレーで養ったグローバル感覚が買われ、今回メルカリジャパンの新CEOに抜擢された。
そんな新体制で走りだしたメルカリの目標は、世界に引けをとらない「グローバルテックカンパニー」となることだ。国内企業で初となる地位を目指すべく、フリマアプリ『メルカリ』のさらなるグロース戦略を練っている。
「これまでの『メルカリ』はあくまでリユース商品の売買のためのアプリという位置付けで、お客さまは欲しいもの、売りたいものがあった時にアプリを立ち上げてきました。しかし今後はリユース商品だけではなく、新商品や、隙間時間に取り組める仕事など、形を問わない多様なコンテンツと『メルカリ』を通じて出会えるようにしていきたい。
アプリを開くたびにインスピレーションを刺激されるようなワクワクする体験を生む。それが、これから『メルカリ』が目指す姿です」
これまでのメルカリは、年齢や性別を問わず幅広いユーザーに親しまれるアプリのUI設計をはじめ、販売後の梱包・発送作業を提携業者が代行する『あとよろメルカリ便』、ワンストップで出品が可能なリアル店舗『メルカリステーション』の設置など、バーチャル・フィジカルを連動させた体験設計に力を注いできた。
それによりリユース市場を独自開拓し、アプリのMAUは今や2,000万を超えるほどまでに成長している。
今後はそれらのユーザーデータ(属性や購入・検索・閲覧などの興味関心データ)と『メルカリShops』や『メルワーク』などメルカリが展開する各種サービス、その他1次流通を担う小売店やメーカーが持つ商品データなどを掛け合わせ、新たな価値の提供を目指す。その上で今後はデータとテクノロジーの重要性が一層増していくという。
「『メルカリ』にはすでに『メルペイ』や『メルカリShops』など、個人間商品取引とは異なる文脈のサービスが加わっています。今後さらに要素をプラスして実装していく上では、これまで通りのシームレスなお客さま体験を維持することが不可欠です。
そのためには、データとテクノロジーをフル活用し、お客さまの行動や嗜好に合わせて『適切な商品やコンテンツを、適切な人へ、適切なタイミングで届ける』高度なマッチング技術が欠かせません」
Jeff氏が推進する「データドリブンなプロダクト開発」は、今後『メルカリ』が世界的に唯一無二のサービスへと成長を遂げるためのアドバンテージにもなる。
「これまでの『メルカリ』のコアコンピタンスは『簡単で使いやすいUI』にありました。しかしそうしたUIは今やWebサービスやアプリの大前提。
一方で大量の顧客データやそれを用いたパーソナライゼーション、マッチングは他社にはマネしにくい要素です。今後はわれわれが持つデータを最大限生かしたプロダクト作りによって、『メルカリ』をさらにグロースさせていきたいと考えています」
エンジニアのクリエイティビティを最大化し、世界で戦えるエンジニアリング組織へ
今後『メルカリ』を「リユース品の流通プラットホーム」から、「セレンディピティー(予想外の発見)を誘発するプラットホーム」へと変革する上で、クリアすべき課題は山ほどある。
その一つが、ビジネス共通基盤の強化だ。そこでメルカリでは2021年11月にRFS(Robust Foundation for Speed)プロジェクトを立ち上げ、技術的リソースを基盤改善に投資。「新たな『メルカリ』」に生まれ変わらせるための準備を進めている。
加えて「エンジニアリング組織の拡大も欠かせない」とJeff氏。その上で今後は一人一人のエンジニアがオーナーシップやアカウンタビリティを果たせるカルチャーづくりに力を入れるという。
「すでにメルカリジャパンに所属するエンジニアの外国籍比率は50%を超えていますが、多様なバックグラウンドを持ったエンジニアが能力を発揮するためにはコミュニケーションのローコンテクスト化が欠かせません。
ドキュメントの英語化や、なるべく分かりやすいプレーンな言葉遣いは、今後も推進していかなければならないと考えています」
ここではJeff氏のマルチリンガルな面が大きな強みとなることは間違いない。加えて、「エンジニアが課題解決に主体的に取り組める組織づくり」をCTOの若狭氏とともに推進する。
具体的に目指すのは、「Camp体制の拡大」だ。
「Camp体制」とは前CEOの田面木氏が、エンジニアリング組織の生産性を高めながら、エンジニアの才能を引き出すような組織体制づくりを目的に、メルカリジャパン内で推し進めてきたもの。
複数のスクラムチームを一つにまとめた大きなグループを「Camp(キャンプ)」と呼び、Campごとに目標を設定。その達成に向けた戦略選定や日々の開発における意思決定権を委ねられる、という独自の組織構造を指す。
「メンバー自身が主体的にサービスの改善に取り組めるよう、Camp内では肩書や職種による壁をあえてなくし、組織横断的な動きを強く推奨しています。私はこの職種を超えた横断的な取り組みが、メルカリグループ全体の開発カルチャーとして根付くよう働き掛けていくつもりです」
一人一人のエンジニアが自然とオーナーシップを持てるような流れをつくりたいとJeff氏は意気込む。
「エンジニア自身が所属するプロジェクトの中だけでなく、外部のステークホルダーを巻き込みながら課題解決に向けたアイデアを出し、施策の実行にまでアカウンタビリティを持って関与する頻度を高めたいと思っています。エンジニアのクリエイティビティを最大限引き出す環境をつくる。これも私にとって大切なミッションの一つです」
ベンチャーと大企業のメリットを享受できる“希有なフェーズ”が到来
新CEOの指揮のもと、真のグローバルテックカンパニーへの道を歩むメルカリ。エンジニアリング組織のさらなる拡大を「プロダクトグロースのエンジン」と再定義し、エンジニア採用のアクセルを強く踏み込んだところだ。
Jeff氏は、今のメルカリは「スタートアップと大企業、両方の魅力を備えている稀有なフェーズを迎えている」と表現する。
「開発基盤の構築やエンジニアを支える制度、待遇などは大手企業と遜色ないレベルで投資しています。一方で、変化を許容する組織横断的な開発体制は、ベンチャーの気風を残している。
ある意味、ベンチャーと大企業のいいとこ取りができる環境です。
こうした環境で、国内で類を見ないほどのグローバルテックカンパニーとなることを目指すのは、エンジニアの皆さんにとっても面白い経験になるのではないでしょうか」
その上で、自分の技術力をより大きな課題解決に生かしたいというマインドセット、グローバルな環境で働いてみたいという好奇心がある人に、チャンスをつかんでほしいとJeff氏は言う。
「私はメルカリに入社するまで、シリコンバレーで働いていました。ちょうどその頃にメルカリのCEOである(山田)進太郎さんに出会ったんです。私自身も彼から聞いた『新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る』というミッションに引かれ、メルカリUSにジョインした一人です。
この時に感じた『メルカリは必ず成功する』という確信は、CEOになった今も変わりません。変化の激しい環境で自らを成長させたいと願うエンジニアにとって、最上の選択肢になるはずです」
リユース市場もまだまだ成長の余地があり、既存事業や新規事業のシナジーを狙った新たな取り組みにも注力するとJeff氏は明かす。
「メルカリはすでにある市場の『何パーセントを取りにいく』という志向ではなく、新たな市場をつくり、大きく育てることに注力している会社です。目指す目標が大きいだけに、グロース志向のある方にとって、これほどやりがいのある環境はないでしょう。
このインタビューを通して、一人でも多くのエンジニアに、これからのメルカリのことを知っていただけたらと思います」
取材・文/武田敏則(グレタケ) 撮影/赤松洋太 編集/河西ことみ(編集部)
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