「目指すは建設業界のゲームチェンジャー」職人と現場をつなぐ『助太刀』の“感覚だけでは作れないUIUX”のスゴさ
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昨今、巨大な市場規模を持つ「レガシー産業」にテクノロジーを用いて切り込むスタートアップの成長が目立っている。
市場規模約63兆円(出典:国土交通省)の建設業界で、工事会社と職人のマッチングサービス『助太刀』を提供する株式会社助太刀もその一つ。直近1年間で売上高3.4倍、登録する職人は17万人を超え、急成長を見せている。
従来の建設業界では、紙媒体や人づてなどのアナログな手法で求人募集や取引先探しが行われており、適切な人手のマッチングがなされていなかったことから、現状のリソースを活かしきれず人手不足の要因の一つにもなっていた。
そんな業界課題を解決すべく、スマホアプリで職人個人が仕事を探せるサービスを始めたのが助太刀だ。そのサービスは単なるマッチングにとどまらず、徹底した「職人ファースト」なUIUXを採用しながら、建設業界そのものを変えていく革新的なチャレンジを行っているのだという。
助太刀の事業急成長の背景とこれからの挑戦について、同社COOの添田優作さん、VPoEの月澤拓哉さんに話を聞いた。
1年間で売上高は3.4倍に。17万の職人に支持される『助太刀』
――まずは『助太刀』が生まれた背景とサービスの特性について教えてください。
添田:『助太刀』は、個人の職人や工事会社同士を結ぶマッチングサービスです。
建設業界はこれまで、常に人手不足に悩まされてきました。インフラ投資や老朽化対策の増加により仕事はたくさんあるのに、求人しても人が集まらない。そんな課題を解消しようと立ち上がったのが『助太刀』です。
また建設業界の人手不足の背景には、スキルが標準化されにくい仕事であったり、いわゆるキツい職場であったりすることから、若者が集まりにくいことも挙げられます。
そこで『助太刀』は単なるマッチングサービスだけでなく、建設現場を魅力ある職場にするための仕組みも作っていきたいと考えています。
――直近1年間の売上高は前年比3.4倍、ユーザー数も17万人超と、事業の急成長が目立ちます。その要因は何なのでしょうか。
添田:私たちの一番の強みは、職人の登録者数が圧倒的に多いプラットフォームであるということ。そこに価値を感じてくれるクライアントが増え、売上が伸びています。
職人の登録者数が圧倒的である理由には、職人さんが仕事の合間にスマホで気軽に使えるようなアプリの存在が大きいです。
添田:建設業界の特性上、「まずは職人さんたちに使ってもらうサービスを作る」ハードルはとても高いんですよ。
例えば一口に建設業といっても、さまざまな職種があります。大工さんと解体の専門家とでは、必要とされるスキルや能力がまったく違う。『助太刀』ではそうした職種を76種類に細かく分類して、ピンポイントでマッチングできるようにするなど、業界の方が使いやすいサービス開発を工夫しています。
つまり、彼らにとって使いやすいサービスをつくることでユーザーを増やし、クライアントとなる企業も自然と増えていったという背景があります。
月澤:その他にも、ちゃんとしたネイティブアプリの開発には、かなりの工数が必要になります。エンジニアも、それを指揮するリーダーも必要になるので、他社がすぐに作れるわけではありません。
当社はいち早くネイティブアプリの開発に着手したことで得た先行者利益もありますし、これまで培ったユーザーデータの蓄積もあります。そこが『助太刀』の成長要因の一つでもあると思います。
そして今は、いわゆる「プロダクト・レッド・グロース(PLG)」も併せ持つサービスになるために、開発チームの強化を進めているところです。
「エンジニアの常識が通じない」からこその面白さ
――成長要因にもなっている「ユーザーが使いやすいサービス作り」に関して、どのような開発の工夫をしているのでしょうか。
月澤:正直なところ『助太刀』では難しい技術は一切使っていないんですよ。その代わり、徹底して「職人ファースト」なアプリにすることを心掛けています。そのために現場の職人さんにインタビューをしたり、行動データを見たりして、ユーザーニーズのリサーチは欠かせません。
実は、僕も入社当初に「僕らエンジニアの感覚」と「職人さんの感覚」の違いに驚いたことが何度もあるんですよ。
例えば、『助太刀』アプリでは個人認証のために、メールアドレスではなく電話番号を入力してもらっています。僕からしたら、「電話番号の方が個人情報だし、メールアドレスをいれる方が心理的なハードル低くないか?」と思っていたんですけれど。
――なぜあえて電話番号?
月澤:当時、現場の職人さんはメールを使う人が多くなかったからです。仕事の連絡も電話が多いし、仲の良い人とはLINEなどで連絡してしまう。そもそもメールを使う習慣がないと、登録の段階で止まってしまいます。
そのあたりを「僕らの感覚」でやろうとすると、ユーザーである職人さんたちにとっては使いづらいアプリになってしまうので、気を付けなければいけないと実感しました。
――なるほど。そういった職人ならではのUIUX設計が求められるわけですね。
月澤:そこに難しさはありますが、その分やりがいも大きいですよ。
またこの1年でデータ基盤を整えたことで、よりユーザーの行動を可視化できるようになったので、アプリの改善もしやすくなりました。インタビューによる定性的な評価と、データによる定量的な評価の両面から開発を進められるようになったんです。
開発チームでは、小さな改善なども含めて2週間に一度のリリースを繰り返しています。UIUXの改善を始め、さまざまな機能を高頻度でリリースすることで、ユーザーに体験してもらい、データを見ながら改善し、スピーディーなブラッシュアップを実現できてきています。
――建設業界では、古い慣習やルールが残っているイメージがあります。「業界を変えていく」には、現場の職人さんだけでなく、国交省やゼネコン、工事会社などのあらゆるステークホルダーとの関係性も大事になってくるのでは?
月澤:そうですね。建設は巨大産業ですから、業界を変えていこうと思ったら、最終的にはゼネコンや国土交通省などとのやりとりも増えていきます。実際に僕らも、国交省が主導する建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携を始めたり、大手ゼネコンと勉強会を実施したりしています。
ただ業界が大きいからこそ、機動的に動ける僕らみたいなスタートアップの役割が生かされる部分もたくさんあると思います。
添田:業界を変えようなどと言うと、「破壊者」のように見られてしまいがちですけど、私たちはそうは考えていません。
省庁やゼネコンから職人にいたるまで、目指している方向は同じはずですから。「一緒に業界を良くしていこう」と思いを伝えながら、協業していきたいと考えています。
月澤:そういう意味では、当社はスタートアップとしては珍しく、「アプリのこの機能をどうしていくか」といった短期的な目標と、長い目で見た時にどう業界に関わっていくかという長期的な目標がある。そこも助太刀のユニークなところですね。
助太刀は建設業界の「すべて」を変えていく
――助太刀はこれからどのようなチャレンジをしていこうと考えていますか。
添田:直近では、人手不足解消や採用といった、建設業における適正なマッチングを実現してきたいと思っていますが、最終的には「業界のゲームチェンジャー」として産業構造を変えていきたいです。
仕事のマッチングだけでなく、具体的には個人の能力や仕事の状況に基づいた与信提供や保険などのフィンテック、建設機材や工具からお弁当にいたるまで現場に必要な物のEC事業など、さまざまな構想があります。
それに、建設業界に入ってくる人たちの教育にも携わっていきたいですね。この業界に入ってくる若者を増やしていきたいので、専門学校のように職人としてスキルを身に付けられる場があって、建設業界におけるキャリアイメージが持ちやすくなると良いと思っています。
もちろん「現場で10年働いて独り立ちする」といったやり方を否定するわけではありませんが、そういった教育機関があってもいいと思うんですよね。
月澤:僕らのサービスはまだ荒削りな部分もありますが、将来的には「建設業界に関わるなら、とりあえず『助太刀』を入れておけばいいよ!」と言えるようになりたいですね。
このアプリ一つで仕事に必要な情報を得たり、物を調達したり、知見を共有したりできるようなプラットフォームになることを目指しています。まさに職人人生の「ゆりかごから墓場まで」をお世話するというのが、当社代表の想いでもあります。
――まさに、これからさまざまな領域に挑戦していくフェーズなのですね。今のタイミングでエンジニアとして入社するメリットも大きそうです。
月澤:ええ。助太刀ではこれから必然的に、さまざまな事業やプロダクトを立ち上げていくことになるので、エンジニアは多様なサービス作りに関わることができます。
ベンチャー企業では、マッチングサービスだけ、ECだけ、というように事業特化しているところが多いものですが、助太刀はそうではない。僕自身もそれが魅力的でここに参画したくらいです。
多様なサービスを実現するために、これから最適な言語やアーキテクチャを選んでいくことになります。ちょうど今、基盤を刷新しようとしているところでもあるので、サービスの初期フェーズから関わっていきたい人にもうってつけだと思いますよ。
助太刀では、あくまでも事業のためにプロダクトがあります。だからといって、事業部のオーダー通りに開発部はコードを書くだけ、といったことはありません。エンジニアも一緒になって「事業を作っていく」という体制を敷いているので、非常にエキサイティングな経験ができると思っています。
取材・文/高田秀樹 撮影/赤松洋太
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