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半導体製造装置は“マルチタレント時代”に突入。澤円が東京エレクトロンに聞く「エンジニアが半導体業界で働く」って実際どう?

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パソコン、スマホ、5G、電気自動車、最近ではメタバースにも活用されるなど、あらゆるテクノロジーを支えている半導体。

現在の世界的な半導体不足はエンジニアなら誰もが知るところだが、高まるニーズに応えるべく、半導体製造装置の体制強化に取り組んでいるのが東京エレクトロン(以下、TEL)だ。

半導体製造装置メーカーとして国内1位、世界3位のシェアを誇る(2021年)同社は、業界未経験者も含め、エンジニア採用をますます加速させている。

とはいえ、異業種で働くエンジニアにとって、半導体業界で働くイメージはなかなかもちづらいのも事実だ。

そこで、メタバース企業の顧問を務め、「大のガジェット好き」でもある澤円さんと一緒に、TELを訪問。同社でソフトウエア開発を統括する戸田哲哉さんに、今まさに半導体業界で起きている変化や、開発現場で必要とされるエンジニア像について聞いてみた。

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東京エレクトロン株式会社 コーポレート・イノベーション本部
システム開発担当 システム開発センターシステム開発部
部長 戸田哲哉さん(写真左)

1996年に東京エレクトロン東北(現 東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ)へ新卒入社。複数工場での個別の装置向けソフトウエア開発、コーポレートでの共通ソフトウエア開発の両方でソフトウエアエンジニア、アーキテクト、マネジャーを歴任し、現在はSDC(システム開発センター)で、全社共通ソフトウエア、AIなどの開発をリードしている
株式会社圓窓 代表取締役 澤 円さん(@madoka510)(写真右)
立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、19年より(株)圓窓 代表取締役就任。複数の組織で活動を行う「複業」のロールモデルとなるべく活動中。テレビ・ラジオ等の出演多数。日立製作所の「Lumada Innovation Evangelist」はじめ、武蔵野大学専任教員、数多くの上場企業やベンチャー企業の顧問を務める

エレクトロニクスのあらゆる分野にTELの技術が組み込まれている

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澤:僕のようなガジェットオタクはもちろんのこと、IT業界にいてTELさんの名前を知らない人はいないでしょう。

IoT時代の技術を支える半導体製造装置の分野ではもちろんのこと、メーカーとして世界的にもトップクラスのシェアを誇る日本企業は意外とそれほど多くない。まさに日本を代表する企業だと思います。

ただ、半導体は最終製品ではないので、一般の人に広く知られているとは言い難い。実はありとあらゆる製品に、TELの技術が組み込まれているんですよね?

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戸田:そうですね。われわれの直接のお客さまは半導体チップを作るメーカーになりますが、その先ではパソコンやスマートフォン、自動車などに幅広く使われています。

TELでは現在、国内は4工場で半導体製造装置を生産していますが、ラインナップは多く、装置の特性もさまざまです。

それぞれの装置用のソフトウエアは各工場で個別に開発していますが、私はコーポレート部門で全社共通の要素や土台となる部分のソフトウエア開発を統括しています。

半導体製造装置については、かなり早くからネットワークでつないでデータを分析、管理する仕組みが構築されており、装置本体や周辺のサーバーや端末などのソフトウエアが必要になります。

澤:開発にあたっては、これは最終的に何に使われるのか、意識して作っているのでしょうか。

戸田:それは意識しますね。求められる性能も、チップによって違ってきますので。例えば最新のメタバースに使うとなると、やはり従来とはまた構造が違う精密なものを作らないといけない。

どういうものを開発していくか、お客さまとは密にコミュニケーションを取りますし、エンドユーザーの話を聞くこともあります。

澤:それはエンジニアとして楽しいですよね。メタバースもそうですが、最新テクノロジーの発展に、自分たちの仕事が寄与していることが実感できると、やりがいが感じられるのではないでしょうか。

戸田:これだけ世の中に半導体が使われている中で、上流の部分を担っているという誇りと喜びは、当社のエンジニアの多くが持っているものだと思います。そもそも半導体製造装置がないと作れない物がたくさんありますからね。

まだ世の中にない製品をつくるために、未来を先取りして開発

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澤:僕が携帯電話を持ち始めたのは1995年で、かなり早い方でした。実際に使ってみて、コミュニケーションが大きく変わったなと実感したんですが、これがスマホのように画面に触れるようになるという発想は、当時まったく思いつきませんでした。

もちろん、こうした新しいアイデアを実装するには、必ず半導体が必要になってきます。これはすごいなと思うものが世に出たら、多分その1年、2年前にはすでに作り始めているはずです。

そのときにも、「こういう世界観に基づいて、こういうものを作っていこう」という未来像を持っているのでしょうか。

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戸田:ある程度の未来像は持っていますね。お客さまとコミュニケーションを取りながら、四世代くらい先の製品を考えたりします。

それはどう使われるのか、どういう性能が求められるか、未来を先取りしているところは確かにありますね。

澤:コンセプトモデルについてディスカッションしたりもするわけですね。それはうらやましい(笑)。まだ世の中に出回っていない、そしてどうやら実現する可能性のあるものに携われるなんて、ワクワクします。

戸田:特に今はDXという話もあって、われわれに求められるものが広がってきています。半導体製造装置自体も、ますます複雑さが増しています。

澤:どのようなニーズの変化があるのでしょうか。

戸田:半導体製造装置に求められる基本的な要件は変わりませんが、より早く、より精密にという、基本性能をいかに上げられるかの勝負です。

半導体は年々微細化が進んでおり、それにあわせて加工精度も格段に難しくなっています。既存のやり方では性能が出ないケースも出てきますし、チップの作り方も進化している。そうなると、従来とはまったく違う新しい製造装置を考えなくてはなりません。

澤:教科書のない世界ですね。

戸田:特に最先端のチップのところに関しては、われわれもお客さんもアイデア勝負。先を見据えて手探りで進めていく形になります。

澤:本当にこの世界の技術革新のスピードは速い。戸田さんご自身は、今ご自身が作っているような半導体製造装置をつくる未来を予想されていましたか?

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戸田:いや、想像以上ですね。この業界では、「半導体回路の集積密度は1年半〜2年で2倍となる」というムーアの法則が有名ですが、入社当初は半信半疑でした。

でも実際にそうなっていますからね。本当にどこまでいくのだろうかと(笑)

澤:アポロ11号は史上初めて月面着陸を果たしましたが、当時のコンピューターは今でいうファミコンレベルだったそうです。

そう考えると恐ろしい話ですが、シミュレーションを徹底的にやって、これだけの偉業を成し遂げたわけです。

でも今や大きく技術革新が進み、信用に足るデータが大量に得られるようになっているので、それだけ大きなチャレンジができる。

人間が思い描く、こうあったらいいという夢が、より実現しやすくなっていますね。

前例踏襲では立ちいかない状況。マルチタレントな組織でイノベーションを起こす

澤:TELさんでは、組み込みエンジニアに限らず、ソフトウエアエンジニアリングやデータ分析などさまざまなスキルを持ったエンジニアの採用を強化されていますよね。

戸田:今は多様なバックグラウンドを持つエンジニアにとっても半導体業界で働くチャンスが広がっていると思いますね。なぜなら、半導体製造装置にはいろいろな機能が必要になっているからです。

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戸田:例えば、ロボットと組み合わせるなど末端制御のレイヤーでも選択肢が増えていますし、生産計画の効率化も追求していかなくてはいけません。

DXの流れの中で周辺機器との連携も必要ですし、セキュリティーに関しては認証方法も進化しています。半導体チップの製造プロセスにおいては、機械学習を使ってさまざまな化学反応のシミュレーションを行うこともあります。

活躍のフィールドは広がっているし、そこで自分のアイデアを生かすこともできる。それは大きな魅力だと思います。

澤:異業種で腕を磨いた人たちも活躍できそうですね。

戸田:まさにそのとおりです。TELの風土としてもチャレンジを応援し、失敗をとがめられない文化があり、一人一人が主体的に動き、自分から提案することを奨励しています。

現在の業務と直接関係ない分野でも、新しい知識を得たいと思えば、そのための費用を一部補助する仕組みもある。

イノベーションは上から指示されて生まれるものではありません。自分たちで新しいものを作るのだから、エンジニアが自らの興味に突き動かされて新しい分野にも挑戦していくことが一番だと思っています。

澤:やはり、そうやって自ら興味を持って主体的に勉強していく人たちの方が、エンジニアとして力をつけていくと思います。

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澤:そして、世界的な需要も激増していますし、半導体業界は、まさに今、非常に面白い時期ですよね。

戸田:コロナ禍をきっかけに、半導体不足が社会問題化する中で、いかに早く効率的に生産を増やしていけるかがますます重要になっています。

そして、われわれの手掛ける半導体製造装置も、また一段上のステージを目指していかなくてはならない。

それと並行して、消費エネルギーの削減などサスティナビリティーへの取り組みも同時に進めていく必要があります。

今までのやり方を踏襲していくだけでは、こうした動きに対応していくことは不可能です。

会社としてさらなる成長を目指していく上でも、テクノロジーによってより良い暮らしを実現するためにも、TELで必要とするのはまさにマルチタレント。

さまざまな経験や能力を持つ人たちが集まり、新しいアイデアをどんどん出し合っていくことが今後ますます必要不可欠になっていくと思いますね。

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文/瀬戸友子 撮影/桑原美樹 取材・編集/玉城智子(編集部)

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