株式会社ROKAI
代表取締役
原田大介さん
30歳を目前に未経験でIT業界に飛び込み、システム開発会社でSEを経てPMへ。多彩なプロジェクトをけん引した後、2019年に独立。エンジニアが安心してキャリアを構築できる会社を目指してROKAIを設立。現在はプレイングマネージャーとして、会社経営とPMを兼任
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Webサービスやシステム開発の大規模・複雑化が進む昨今、国内外でプロジェクトマネージャー(PM)不足が叫ばれている(出典)。
その上でさらに問題視されているのが、“名ばかりPM”の存在。スキルも経験も不足したままPMになった人が、プロジェクトを迷走させてしまったケースを目にしたことがあるエンジニアも多いはずだ。
では、そんな“名ばかりPM”と、プロジェクトを正しくゴールに導けるプロフェッショナルなPMを分ける違いとは何なのだろうか。
この問題に答えてくれたのは、ITコンサルティングとプロジェクトマネジメントに特化した事業を展開する、株式会社ROKAI代表の原田大介さんだ。
株式会社ROKAI
代表取締役
原田大介さん
30歳を目前に未経験でIT業界に飛び込み、システム開発会社でSEを経てPMへ。多彩なプロジェクトをけん引した後、2019年に独立。エンジニアが安心してキャリアを構築できる会社を目指してROKAIを設立。現在はプレイングマネージャーとして、会社経営とPMを兼任
同社は社員数6人(2023年2月時点)の少数精鋭の組織ながら、システム開発やDXに必要な幅広いIT領域を網羅。卓越したプロジェクトマネジメント力で、クライアントの経営を支援している。
「ここ数年、システム開発の複雑化やサービス開発の大規模化により、プロジェクト管理の難易度が増しています。
また、あらゆる業界でDXのニーズが高まる中で、プロジェクトを正しくゴールに導けるPMを必要とするクライアントが増えてきました。
各社が抱える課題もプロジェクトの目的も違うため、一つ一つのケースに合ったマネジメントができるPMが必要とされています」(原田さん)
いま特に需要が高いのは、プロジェクトメンバーが持つ専門性をつなぎあわせる能力を持った、ゼネラリストタイプのPMだと原田さんは言う。
「最近は、特定の技術領域を極め、専門分野を絞ってキャリア形成をするエンジニアが増えています。
あらゆるテクノロジーが急速に進化している今、それ自体は悪いことではありませんが、それによってエンジニア一人一人がプロジェクト全体を見渡すことも難しくなっている。
そこで、幅広い技術が求められる中、各分野のスペシャリストの専門性をつなぎながらプロジェクトのかじ取りを行うことができるPMを、各社が求めるようになっています」(原田さん)
また、プロジェクトマネジメントの難易度が年々高まっていくのと比例して、「PMに求められるレベルもますます高くなっている」と原田さんは実感を語る。だが、実際にはプロジェクトを正しく導けない“名ばかりPM”も多い。
「PMにとって大切なことは、言うまでもなく、プロジェクトを『目的達成に導く』ことです。
このプロジェクトの目的は何か、そこに向かう上での課題は何か、どうすればそれをクリアできるのか、各プロジェクトの状況に合った手段・方法を考え策を講じていく必要があります。
ですが、実際には『PMとは本来何をすべき人なのか』が分からないままPMとして走りだしてしまう人も少なくありません。
その場合、プロジェクトが進行していく中で起こる問題の火消しや関係者のコントロールにばかり追われてしまい、目的達成に向かわないケースが起こりがちです」(原田さん)
プロジェクトを目的達成に導くーー。
この至極シンプルなPMの役割を理解せずプロジェクトマネジメントにあたる人が出てきてしまう背景には、「会社側の説明不足も大きいのではないか」と原田さんは指摘する。
「PMがプロとしてその役割を全うできるかどうかは、PM自身が『このプロジェクトを何のために、なぜ自分がやるのか』ということに腹落ちしているか否かにかかっていると思います。
ですが、多くの会社ではPMをアサインする際にそういった説明を省いてしまうし、PM側も会社によく確認せずにプロジェクトに入ってしまう。これまでに、そういうケースをよく目にしてきました」(原田さん)
そこでROKAIでは、一人一人のPMの興味や仕事のやりがいを理解した上で動機付けを丁寧に行い、「何のためにやるのか」「なぜ自分がやるのか」この二つをクリアにするところからPMに仕事を任せるようにしている。
その上で、プロフェッショナルPMとして長く現場で活躍できる人には、「相手の立場に立って考えられる『想像力』と、本当の意味での『コミュニケーション能力』がある」と原田さんは言う。
「プロジェクトの目的は一つでも、関わる人の立場によって優先事項がバラバラなことはよくあります。
ですから、各関係者の立場や意志を想像して尊重しながらも、みんなの目線を正しいゴールに向けられるかどうかがPMの腕の見せ所。
そして、正しい目線合わせをするためには、PMが各関係者としっかりコミュニケーションをとっていくことが欠かせません」(原田さん)
コミュニケーション能力が高い人というと、人当たりが良く感じのいい会話ができる人を思い浮かべる人が多いかもしれない。だが、原田さんは「必ずしもそうではない」と言い切る。
「コミュニケーションの本当の意味は、意思の伝達。自分の考えと相手の考えを正しく理解し合えていることがとても重要です。
でも、『クライアントはきっとこうしてほしいはずだ』『上司にメールしたからきっと読んでおいてくれるはずだ』など、相手に確認もせずに一方的な思い込みで物事を判断してしまう人は少なくありません。
ですが、意思の伝達をおろそかにすることはPMにとって命取り。思い込みでプロジェクトを進めてしまうと、取り返しのつかない事態を招くことにもつながりかねません」(原田さん)
自分の伝えたいことが相手に正しく伝わっているのか、確信が持てるまで確認を取ること。相手の言いたいことを何となくで理解してしまっていないか、自分自身に問い掛けてみること。
「小さな心掛け一つで、PMの能力はぐっと伸びていく」と原田さんは言う。
原田さんが率いるROKAIがこれから先に目指すのは、同社で働くPMの興味・やりたいことを最大限に生かし、クライアントのビジネスに貢献していくことだ。
「人は自分が興味のあることややりたいことだと、『もっと知りたい』『もっと関わりたい』と思うから、自然と想像力が湧いてくるし、関係者とコミュニケーションを取るようになるものですよね。
先ほど、プロフェッショナルPMには、『想像力』と『コミュニケーション能力』が欠かせないとお話ししましたが、PM自身の興味ややりたいことに合わせたプロジェクトアサインができれば、自然とそういったものも育つし、ROKAIという会社にとっての強みにもなると考えています」(原田さん)
実際、まだ会社規模が小さく少数精鋭で事業を行うROKAIだからこそ、一人一人のPMの状況や希望に合わせた業務のアサインが可能だと言う。
「もしも『PMをやってみたけれど、エンジニアでいる方が、自分の実力を発揮できる』と思うのであれば、その人のためにシステム開発の仕事をとってくるような動きを取ることも選択肢の一つです。
ROKAIはそれくらい、社員に『何をしてもらうか』より社員が『何をしたいのか』を重視する会社だし、社員に『自分のやりたいことができている』、『興味のある仕事にあたることができている』という感覚を持ってもらうことに全力をそそぐ会社です。
PM一人一人の個性や強みを本気で伸ばしていけば、それがROKAIという会社の強みになり、成長にもつながる。それがいまの私の信念です」
そう言って原田さんは穏やかにほほ笑む。
エンジニアからPMへのキャリアチェンジを決めたなら、それと同時に自分が本当にやりたいことや、心から興味を持つことができるテーマは何なのか、改めて問い直してみてほしい。
きっとそれが、プロフェッショナルなPMとして長く活躍していくための、自分の強みになっていくはずだ。
取材/夏野かおる 撮影/竹井俊晴 編集・文/光谷麻里、栗原千明(ともに編集部)
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