32歳・Hさんからの相談
上司から「そろそろマネジャーに挑戦してはどうか」と言われているのですが、コードが書けなくなってしまいそうで抵抗があります。
現場で開発を続けたいのですが「やりたいこと」を続けるべきか、会社から求められている「やるべきこと」をするべきか迷っています。
昨年11月にスタートしたオリジナルコンテンツ『聴くエンジニアtype』。エンジニア読者が抱える仕事やキャリアのお悩みに、注目企業のCTOやさまざまな領域の第一線で活躍する技術者が回答している。MCのばんくしさんの他、これまでに4名のゲストが登場してきた。
音声での配信の他、エンジニアtype上では記事として公開中。日々の業務やキャリア選択のヒントが満載だ。
今回は過去の15回を振り返り、反響の大きかったテーマをご紹介しよう。
32歳・Hさんからの相談
上司から「そろそろマネジャーに挑戦してはどうか」と言われているのですが、コードが書けなくなってしまいそうで抵抗があります。
現場で開発を続けたいのですが「やりたいこと」を続けるべきか、会社から求められている「やるべきこと」をするべきか迷っています。
この相談に答えてくれたのは、Sansanの藤倉成太さんとZOZOの瀬尾直利さん。
マネジャー経験豊富な二名が、自分が管理職へのチャレンジを決めた当時のエピソードを交えつつ、マネジャーになるメリットを解説してくれた。
マネジャーになる利点を三つ説明しますね。
一つ目は、情報が入ってくるようになるので適切な判断ができること。二つ目は、自分が希望する方向に組織を動かしていけること。そして三つ目は、一人ではできない大きな成果を出せることです。
自分だけでコードを書くことと、これらの利点を天秤にかけて、どっちを重視しているか考えてみてはいかがでしょう。もしかしたら、マネジャーに挑戦する意欲が出てくるかもしれません。
「それでもやっぱり嫌です」という場合には、技術を突き詰めるキャリアもありますしね。技術力でみんなをリードしていくテックリードのポジションはZOZOでも用意しています。
キャリアには、「自分がやりたいと思うこと」「自分にできること」「会社から求められること」の三つの要素が絡みます。中でも「会社から求められること」というのは自分ではコントロールしづらいですよね。
そのため私は、その時その時で会社が期待してくれることに対して「やってみようかな」と思えたら、それに全力で取り組むようにしています。その結果、新しい景色が見えることもいいことだと思うので。
【聴くエンジニアtype Vol.5】「コードを書かなくなる不安からマネジャー職に抵抗が…」Sansan藤倉成太・ZOZO瀬尾直利のアドバイスは?
28歳・Fさんからの相談
そこそこ経験も積み、エンジニアとして自分のスキルに自信がついてきたのですが、最近、とても優秀なフルスタックエンジニアに出会いました。圧倒的なスキルの差に「彼と張り合っても勝てない」と挫折感を味わっています。
みなさんの挫折経験や、挫折の乗り越え方を教えてください。
技術力や知識量で評価が決まるシーンも少なくない技術者の世界。周囲と比較して「自分なんか……」と思ってしまう人もいるだろう。
そんなエンジニアからの相談に、Sansanの藤倉さんとZOZOの瀬尾さんはどんな言葉を掛けてくれるのか。自身の挫折体験を交えつつ語った。
楽観的に聞こえるかもしれませんが、私は挫折というものをあまり意識していないですね。
特定の分野において自分が世界一にならない限り、より優秀で、知識を持った人が他にいるわけですよね。毎回挫折していたら、一体どれだけ挫折感を味わわなければならないのでしょうか。
年齢、性別、国籍などは関係なく、すごい人は大勢います。自分よりも一回りも年下の人に対して「すごいな」と思うこともあります。
そういう人に出会ったら、私はうれしくなっちゃいます。「あの人のすごいところ、まねしちゃおう!」と思います。
自分より知識が豊富な人と出会うということは、それだけ吸収できる機会が増えるということだと捉えています。質問には「張り合っても勝てない」とありましたが、私は「すごいな、まねしたいな」「教えてもらおうかな」と思う方が多いですね。
(メンバーから)「今の仕事は向いてない」という相談をされたことがあります。
その時は、本人のキャリアの希望を詳しく聞いた上でどうすべきかを考えた結果、ポジションを異動することになりました。
がむしゃらに頑張ってなんとかしろ、とは思いません。本人の意向を踏まえて、うまいかわし方を一緒に考えていくようにしています。
【聴くエンジニアtype Vol.8】デキる技術者と自分を比べて敗北感…挫折の乗り越え方をSansan藤倉成太・ZOZO瀬尾直利が回答!
31歳・Sさんからの相談
最近マネジャーになりメンバーの評価をする立場になったことで、エンジニアの評価の難しさを実感しています。
皆さんがエンジニアを評価する際に意識していることや、評価制度の工夫を教えてください。
マネジャーの重要な業務の一つである「評価」。本人にとっても、周囲にとっても納得のいく評価をするにはどうしたら?
この相談に答えてくれたのは、カミナシの原トリさんと10Xの石川洋資さん。評価者として、普段から心掛けていることを明かした。
基本的には、「評価を下してやる」といった姿勢ではなく、「その人の成果を他人に説明するための手伝いをする」ような感覚でいます。
(中略)
評価の材料は、マネジャー自身よりメンバーの方が多く持っていますよね。ただ、メンバー一人一人が自分の成果を説明できるようにする責務はマネジャーにあるので、マネジメントの立場から見えてるものを付加していくんです。
その結果として、メンバーと協力して部門外の人に対してでも説明できるようにすることを意識しています。
メンバーが大きな成果をドンっと出したとします。もちろん評価すべきなのですが、大抵の企業にはジョブグレートやジョブレベルと呼ばれるような等級がありますよね。
成果が出たときに等級を上げるという判断になるかというと必ずしもそうではなくて、今回の成果に再現性があるかどうかを見るようにしています。再現性のある成果の出し方をしていたり、動き方ができていたりしたら、それは等級を上げるのにふさわしいですよね。
再現性の有無が怪しい場合は、何度か同じ規模の成果を確認できてから等級を上げることを検討する、といった方針で評価のフィードバックをするようにしています。
【聴くエンジニアtype Vol.11】エンジニアの評価、難しくない? 悩めるマネジャーに各社の事例からアドバイス
27歳・Yさんからの相談
私の上司はいつも「やりたいことがあったら言ってね」と声を掛けてくれるのですが、正直なところこれといってやりたい仕事がありません。
皆さんはどうやってやりたい仕事、やってみたい仕事を見つけましたか?
職場で上司と面談をするとき、キャリアの目標を立てるとき、「やりたい仕事」「やってみたい仕事」がキーワードとして使われがちだ。しかし、誰もが明確に「やりたい仕事」を持っているとは限らない。
そんな「やりたい仕事迷子」の相談者に、カミナシ原トリさん、10X石川さんがアドバイスしてくれた。
前提として、生まれた時から「やりたい仕事」が決まっている人はいないですよね。特定の状況に置かれて「やってみたら面白かった」といったケースが大半ではないでしょうか。
やりたいことは、その辺りに転がっているものではありません。ただし、自分のそばに転がっているものというのは、自分にとってのチャンスです。
「これは面白いかもしれないな」と思えるものも、「別にやりたくないな」というものもあるでしょう。それをヒントにしながらやりたいことを見つけられるといいのではないかと思います。
いきなりやりたい仕事を探すのではなく、自分がいる会社の中にどんな仕事があるのか見てみると楽しいのではないでしょうか。その中に「これめっちゃ面白そうじゃん」と思う仕事があるかもしれないですからね。
【聴くエンジニアtype Vol.15】やりたい仕事なんてないのだが…即実践できる「興味のあること」の探し方を伝授!
▼ゲストプロフィール
【MC】
キャディ株式会社 Tech Lead
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish)
【Vol.1~Vol.10 Speaker】
Sansan株式会社 執行役員/技術本部 インフラ戦略部 部長/同 海外開発拠点設立準備室 室長
藤倉成太さん(@sigemoto)
【Vol.1~Vol.10 Speaker】
株式会社ZOZO 技術本部 本部長 兼 VPoE
瀬尾直利さん(@sonots)
【Vol.11~Vol.15 Speaker】
株式会社カミナシ 執行役員CTO
原トリさん(@toricls)
【Vol.11~Vol.15 Speaker】
株式会社10X Co-Founder, 取締役CTO
石川洋資さん(@_ishkawa)
ポッドキャストチャンネル『聴くエンジニアtype』初の公開収録を東京赤坂の会場で開催します。MCのばんくしさんをはじめ、澤 円さん、池澤あやかさん、小城 久美子さん、増井 雄一郎さんが、エンジニアから寄せられた仕事・転職・キャリアの悩みに回答。収録後には懇親会や、書籍サイン会も開催予定です!
※公開収録はエンジニアtype主催のテックキャリアカンファレンス『ECDW2023』の中のコンテンツとして開催いたします
【開催場所】
〒107-0052 東京都港区赤坂2-5-1 S-GATE赤坂山王ビル 5階
株式会社キャリアデザインセンター 赤坂山王オフィス
【参加費】
無料
※懇親会は15:30~30分程度の予定です
※懇親会への参加は自由です
【定員】
60名(先着)
【エントリー方法】
以下より詳細をご確認の上、エントリーフォームより必要事項をご記入の上エントリーください。
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