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「コードを書かなくなる不安からマネジャー職に抵抗が…」Sansan藤倉成太・ZOZO瀬尾直利のアドバイスは?【聴くエンジニアtype Vol.5/MC・キャディばんくし】

働き方

エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! エンジニア読者が抱える仕事やキャリアのお悩みに、注目企業のCTOやさまざまな領域の第一線で活躍する技術者が回答します
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今回は「マネジャーになったらコードが書けなくなる……」という不安を抱えている30代のエンジニアからの相談に回答。今回も藤倉成太さん、瀬尾直利さんをゲストに迎え、MCのばんくし(河合俊典)さんとともにお届けする。

マネジメントポジションで活躍する三名のアドバイスとは?

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【MC】
キャディ株式会社 Tech Lead
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish

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【Speaker】
Sansan株式会社 執行役員/技術本部 インフラ戦略部 部長/同 海外開発拠点設立準備室 室長
藤倉成太さん(@sigemoto

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【Speaker】
株式会社ZOZO 技術本部 本部長 兼 VPoE
瀬尾直利さん(@sonots

【今回の相談】

Hさん(32歳)

上司から「そろそろマネジャーに挑戦してはどうか」と言われているのですが、コードが書けなくなってしまいそうで抵抗があります。
現場で開発を続けたいのですが「やりたいこと」を続けるべきか、会社から求められている「やるべきこと」をするべきか迷っています。

何事も一度やってみれば経験値は確実に上がる

河合:マネジャー職に挑戦するか否か、というお悩みですね。

プレイヤーからマネジャーになった経験をお持ちのお二人に、ぜひお話を聞きたいと思います。まずは瀬尾さん、いかがでしょうか?

瀬尾:悩まずに一度マネジャーに挑戦してみてはどうでしょうか?

マネジメントを経験すると、マネジャー視点を持つことができます。やってみた結果「向いてないな」と感じてメンバーに戻ったとしても、マネジャーがメンバーに何を期待してるのかが分かるようになるんです。すると、良い動きができるエンジニアになれますよ。

さらに、マネジャーになる利点を三つ説明しますね。

一つ目は、情報が入ってくるようになるので適切な判断ができること。二つ目は、自分が希望する方向に組織を動かしていけること。そして三つ目は、一人ではできない大きな成果を出せることです。

自分だけでコードを書くことと、これらの利点を天秤に置いて、どっちを重視しているか考えてみてはいかがでしょう。もしかしたら、マネジャーに挑戦する意欲が出てくるかもしれません。

「それでもやっぱり嫌です」という場合には、技術を突き詰めるキャリアもありますしね。技術力でみんなをリードしていくテックリードのポジションはZOZOでも用意しています。

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河合:瀬尾さんが「マネジャーもいいな」と思ったタイミングはいつですか?

瀬尾:前職でもチームリーダーの経験はありましたが、基本的には「現場の仕事をやらせてください」と言っていました。「マネジャーは絶対やらん!」 と言っていましたね(笑)

でも、ZOZOに入ってマネジメントを手掛けるようになって、前職でもマネジャー経験を積んでおけばもっと視座が上がっていたかもしれない、本当に会社が求めているものを理解した上で成果が出せたかもしれない、と反省しました。

今は自分がリードして組織をより良くしていきたいという思いが強いので、責任を持ってマネジャーをやっていくぞ、という気持ちです。

河合:こういった思いの変化って、環境の変化による影響もありますよね。

藤倉さんはいかがですか?

藤倉:私の場合をお話しすると、エンジニアとしてSansanに入社してしばらくたった頃に「開発部長をやってくれないか」と打診されました。

そうなると、エンジニアリングの第一線としてのキャリアから、方向が変わっていくであろうことは分かりました。

ただ、その時の私はSansanをグローバルで成功させることが自分のミッションだと思っていたので、そのために必要なのであればマネジャー職になろう、と応えることにしたのです。

実際にやってみるとマネジャーも楽しかったので、相談者さんもやってみてはいかがでしょうか。ここは瀬尾さんと同意見ですね。

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藤倉:キャリアには、「自分がやりたいと思うこと」「自分にできること」「会社から求められること」の三つの要素が絡みます。中でも「会社から求められること」というのは自分ではコントロールしづらいですよね。

そのため私は、その時その時で会社が期待してくれることに対して「やってみようかな」と思えたら、それに全力で取り組むようにしています。その結果、新しい景色が見えることもいいことだと思うので。

SansanでCTOをやったり海外開発拠点設立準備室の責任者になることを、狙っていたわけではなくて、結果としてそうなっていたんですよね。そう考えると、私は自分のキャリアを自らつくりあげていくタイプではないようです。

コードを書かなくなっても「戻ろうと思えば戻れる」

藤倉:もう一つお話しすると、キャリアで「ステップアップ」という考え方がありますよね。キャリアをステップアップしていくことは、仕事におけるインパクトを大きくしていくこととほぼ同義だと思っています。マネジャーだとしたら、チームリーダーからグループのマネジャーになり、部長になり……というのが分かりやすいステップですね。

でも、エンジニアにもそういうステップアップはあると思います。現場のメンバーからリーダーになり、テックリードになり、アーキテクトになり……と階段を上っていくに従って、扱う問題の抽象度が高くなり、与える影響範囲が大きくなり、時間軸も長くなりますよね。

影響力がキャリアの積み重ねとともに大きくなっていくとしたら、テックリードやアーキテクトも一緒に働くメンバーのことを無視できなくなってきます。その結果、技術をマネージするとか、技術的な観点でプロジェクトやプロダクト、アーキテクチャをマネージしていく必要があるんですよ。

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河合:ステップアップすることで事業に対するインパクトは大きくなりますが、その一方でコードを書かなくなることによって市場価値が下がるのでは……と悩む人も多そうですよね。

コードを書かなくなったとしても、事業にインパクトを与えられる人材であれば市場価値は高いのでは、と思うのですがいかがでしょう。

藤倉:私自身、自分でコードを書くケースはかなり減りました。コードの読み書きレビューをしたり設計をしたりはありますけどね。

ただ、開発部長時代にはメンバーが120人程いたので、それだけの人数のマネジメントができます。採用面接にも携わっていたので、採用業務もできます。前職の経験が幸いして英語も使えます……となったときに、一つ一つの要素がかみ合うと市場価値も少しずつ上がっていくのではないでしょうか。

私もその結果、今やっている海外事業の立ち上げなどの楽しい仕事に巡り合うことができました。

コードを書くことだけがエンジニアの価値ではないと思います。いろいろなものを組み合わせて自分なりのポートフォリオをつくり、そのレア度が高ければ高いほど市場価値も上がっていくはずです。

河合:藤倉さんのお話を聞いていると、「いろんなことに挑戦しよう」という気持ちがフツフツと湧いてきますね。

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河合:最後にお聞きしたいのですが、お二人ともコードを書くことに多くの時間をささげてきた人たちですよね? 日々の生活や人生の中に「コードを書く」ということが入り込んでいたのかな、と思っているのですが、そこから離れることへのつらさは感じませんでしたか?

藤倉:今でも趣味でコードは書きますが、仕事で1日8時間コードを書くような日々は楽しかったですね。ふと思い出しては「あのとき楽しかったな」とか「あのプロジェクトはしんどかったけどいい経験だったな」などと思います。

ただ、マネジメントや海外事業の立ち上げといった夢中になれるものも知ってしまったので、あの頃に戻りたいとは思いません。もしも戻りたいと思うようになったら、そのときに戻ればいいと思いますね。

河合:新しい面白さを見つけたからこそ、そう思えるんですね。

瀬尾さんは、コードを書かなくなったつらさを感じたことはありますか?

瀬尾:最初の頃は、コード書かなくなると時代についていけなくような不安感がありました。例えば、いつの間にかフレームワークがバージョンアップして新しい機能が増えていたり。昔は細かい変化まで追えていたのに、どんどん追いつけなくなるのでは、と感じることもありました。

ですが、細かい変化くらいであれば後からでも追いつけるかな、と達観できた部分もあります。実際、AWSからGCPを利用する業務に移った後でAWSの大きなアップデートがあったのですが、それでもAWSに戻った時に何とか追いつけた経験もあるので。

また、不安感の背景には「コンフォートゾーンにいたかった」という思いもあったかもしれません。ただ、新しいチャレンジをした結果、今では成長できた実感の方が大きいです。最近もアーキテクトや技術戦略に携わるITストラテジストのようなことをやっているので、今まで使ってなかった脳みそを使うことの面白さを感じています。

それに、アーキテクトとしては、新しい技術が出てきたときには軽く触っておく必要があるんですよね。そうしないと適切な技術選定ができなくなるので。なので、コードを書くポジションに戻りたいと思う日がきても、新しい技術には触っているので大丈夫かな、と。だからこそマネジャーを続けられているのかもしれませんね。

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6月25日(日)『聴くエンジニアtype』公開収録を赤坂で開催!

ポッドキャストチャンネル『聴くエンジニアtype』初の公開収録を東京赤坂の会場で開催します。MCのばんくしさんをはじめ、澤 円さん、池澤あやかさん、小城 久美子さん、増井 雄一郎さんが、エンジニアから寄せられた仕事・転職・キャリアの悩みに回答。収録後には懇親会や、書籍サイン会も開催予定です!
※公開収録はエンジニアtype主催のテックキャリアカンファレンス『ECDW2023』の中のコンテンツとして開催いたします

>>エントリーはこちら(ECDW2023特設ページ)

【開催場所】
〒107-0052 東京都港区赤坂2-5-1 S-GATE赤坂山王ビル 5階
株式会社キャリアデザインセンター 赤坂山王オフィス

【参加費】
無料
※懇親会は15:30~30分程度の予定です
※懇親会への参加は自由です

【定員】
60名(先着)

【エントリー方法】
以下より詳細をご確認の上、エントリーフォームより必要事項をご記入の上エントリーください。

>>エントリーはこちら(ECDW2023特設ページ)

聴くエンジニアtype

文/まゆ

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