「プロジェクトの途中でトラブルがよく起こる」「自分の説明が伝わっていない気がする」そんな“技術以外”の課題の背景にあるのは、ひょっとして「コミュニケーション」の問題かもしれない。プレゼンの神・澤円が自身の経験やノウハウをもとに、仕事がスムーズに進むコミュニケーションのヒントを伝授!
目標設定時、マネジャー・メンバー間で確認し合いたい必須項目って?【澤円「コミュ力おばけ」への道】
株式会社圓窓 代表取締役
澤 円(@madoka510)
立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。武蔵野大学専任教員。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。 著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界No.1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)/『「疑う」から始める。これからの時代を生き抜く思考・行動の源泉』(アスコム社)/『「やめる」という選択』(日経BP社) Voicyチャンネル:澤円の深夜の福音ラジオ オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム
皆さんこんにちは、澤です。
2024年になりました!
新年を迎えて、新たな目標を掲げているエンジニアの方も多いのではないでしょうか。
ちなみにボクは筋トレとピアノの練習を頑張ります!(仕事はどうした)
さて。
年始ということでマネージャーの方の中には、メンバーとの目標設定のミーティングを控えてる方もいると思います。
もちろん、目標設定は年初に限らずいろんなタイミングでするとは思うのですが、「目標設定をするために必要なコミュニケーションの必須項目」について考えてみたいと思います。
【一つ目】数値化できるものは必ず数値化する
エンジニアと言っても、仕事の内容は多種多様ですよね。
なので、数値化できるものもさまざまなものがあるでしょう。
ただ、数値化できるはずのものを感覚でやると、たいてい評価の時にもめます。
・なるべく多くのプログラミングを仕上げる
・たくさんのユーザーに同時に使ってもらう
・テストは早めに終わらせる
これは、ちょっとやばい設定の例ですね。
「なるべく」「たくさん」「早め」といったあいまいな表現は、お互いのイメージしている数字と大きく乖離する可能性が高いです。
・毎月3本のプログラムを仕上げる
・5,000同時接続ユーザー数を安定稼働させる
・テストは5日以内の完了を原則とする
こんな風に設定しておけば、できているレベルも可視化できるので、プロセス管理にも効果的です。
「今もう2週目だけど、まだ1本しかプログラムができてないですね。何か私にできることはありますか?」と途中で助けやすくもなります。
【二つ目】他者への貢献が評価されることを伝える
エンジニアの中には、対人関係構築が苦手で「自分の世界だけで仕事をしたい」というタイプの人もいます。
それはそれで尊重してもいいと思うのですが、やはり「他者とうまくやっていく」というのはビジネスをスケールさせるうえで極めて重要なポイントです。
そして、「他者とうまくやる」ために効果的な方法が「他者を助ける」なのです。
どのように助けるかは、人それぞれでいいでしょう。
大事なポイントは、
・本人が得意な分野で他者に貢献できるようにしておく
・言語化して誰もが理解できるようにしておく
これら二つの内容でしょう。
漠然と「他の人のお手伝いをする」とかではなく、「自分の得た知識を社内SNSに毎週一つ以上アップする」とか「新人向けの勉強会を四半期に一回開催する」といった具体的な内容で設定をするのがお勧めです。
そして、この「他者貢献」は加点方式で評価するのが大事ですね。
「やらないと減点」ではなく「やればやるほど得をする」という評価のやり方のほうが、ポジティブに受け取られるのではないかと思います。
【三つ目】双方が納得の上で合意をしたことを確認する
目標設定をする際、例えばマネージャーが一方的にあれもこれもと押し付けることは、メンバーのモチベーション低下や、リテンションリスク(やめてしまうリスク)を高めてしまったりしかねません。
逆にメンバー側があまり頑張らなくても達成可能なユルい目標を出してきたのをもやもやしながら承認してしまうと、そのエンジニアの成長を妨げるだけではなく、会社全体にネガティブな影響を与えることになります。
目標設定は、とにかく双方が納得するまで話し合うことが大事です。
あらゆるミーティングの中で、最も大事なものの一つが、目標設定などを含めた「未来の話」をすることです。
どのように未来を作るかを双方が納得し、合意したことを確認することが大事です。
「面倒だからもういいや」という状態は、納得も合意もできてないと言ってもいいでしょう。
ここでお互いに心開いて話せるかどうかが、エンジニアのキャリアを作るうえでは極めて大切だということを肝に銘じましょうね。
2023年10月19日に澤の新著が出版されました!
自分自身をメタ認知するための考え方について書いた本です。
ぜひ手に取ってみてください。
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