Guide株式会社
CTO
森岡 渉さん
イベント関連会社にてプロモーションのディレクションや制作に従事。その後エンジニアへと転身し、フロントエンド、バックエンドのエンジニア経験を積んだ後、創業メンバーとしてGuideにジョインし現職
【PR】 働き方
グローバル化による人材の多様化、ニューノーマルな働き方の浸透により、プロジェクトマネジメントやチームビルディングの難易度は高まり続けている。マネジメント手腕がプロジェクトの成功可否、企業の事業成長を左右するといってもいいだろう。
多様なメンバーを適切にマネジメントし、高品質なシステム開発を実現しているチームは、どのような体制が確立されているのだろうか。
そこで今回、高いセキュリティーレベルが求められる金融システムの開発を、ベトナムとのオフショア開発で実現しているGuide株式会社のCTO・森岡さんに、同社の開発体制について話を伺った。
Guide株式会社
CTO
森岡 渉さん
イベント関連会社にてプロモーションのディレクションや制作に従事。その後エンジニアへと転身し、フロントエンド、バックエンドのエンジニア経験を積んだ後、創業メンバーとしてGuideにジョインし現職
Guideが強みを持つのは、金融業界のシステム開発。大手ネット証券会社をメインクライアントに持ち、外国為替(FX)やデリバティブ取引(CFD)の取引ツール制作などの受託開発を手掛けている。直近注力しているのが、自社サービスのPush通知システム『Banh mi』の開発だ。
「Banh miは、為替や株価のレートに対してユーザーが任意の値を設定しておくことで、その数値に到達したタイミングでPush通知が自動配信されるシステムです。現在は、国内大手ネット証券会社や大手ネット銀行などに導入いただいています」
Guideの開発体制は、ベトナムに拠点を構えるオフショア開発。グローバルな体制のもと、セキュリティー品質の水準が高い金融業界でプロジェクトを成功へと導いてきた。
オフショア開発の導入理由としては「コスト削減」が真っ先に挙がりやすいが、Guideには別の理由があったと森岡さんは明かす。それが、「技術力」へのこだわりだ。
「国内では、大企業やメガベンチャーを含めてエンジニアの採用競争が激化しています。そして、多くの企業が優秀なエンジニアの確保に苦戦しているのが現状です。ニッチな領域で事業を展開している僕たちのようなベンチャー企業ではなおのこと。
それでも、ビジネスグロースのためには高い技術力を持つエンジニアの力が必要不可欠。どうにか優秀な人材を確保しようと思い、海外へと視野を広げることにしたんです。その結果、目に留まったのがベトナムでした」
オフショア開発国の中でもトップの人気を誇るベトナム。ベトナムではIT人材の育成に国策として取り組んできた他、外資系IT企業の誘致を積極的に行うなど優秀なエンジニアが育ちやすい土壌が広がっている。
既に日系をはじめとする多くのIT企業がベトナムに進出しており、Webシステム開発やソーシャルゲーム開発を行うベトナム企業の数も増加傾向にある。同国の技術力は先進国に匹敵するレベルにまで達している状況で、文字通りのIT人材大国へと成長しているのだ。
「ベトナムは親日国のためカルチャーもフィットしやすく、英語力に長けた方が多いので、エンジニアたちは欧米の論文やテキストから技術を学んでいます。
コストを抑えることはもちろん重要ですが、それだけでは意味がない。僕たちはあくまでも技術力にこだわるために、ベトナムでのオフショア開発を選択したんです」
Guideでは創業当初からベトナムでのオフショア開発を導入しており、現在では日本のエンジニアと日々コミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めている。日本で働くエンジニアも、性別、年齢、国籍全てが多様だ。
しかし、人材が多様化すればするほど、プロジェクトマネジメントやチームビルディングの難易度は上がる。特に、高い品質やセキュリティー管理が求められる金融系システム開発の場合、プロジェクトマネジメントの失敗がサービスの品質低下に直結しかねない。
実際Guideでも、些細なコミュニケーションエラーや関係性の構築不足によってプロジェクトが立ち行かなくなる経験をしたと、創業当時を振り返る。
「当然ではあるのですが、日本の開発チームから渡す設計書が、ベトナムのエンジニアにとっては情報の全て。こちらから伝えた情報以上のアウトプットが生まれることはありません。つまり、設計書の段階でアウトプットの質はほぼ決まってしまうのです。
にもかかわらず、創業間もないころは柔軟性を残した設計をしていたがために、個人によって解釈に差が生まれてしまって……。結果、十分なアウトプットが出てくるまでに時間がかかってしまいました。これは完全にこちら側のミス。ベトナムのエンジニアたちの技術力を活かせていないと反省しました」
対面で日常的にコミュニケーションが取れる開発体制であれば、その都度指示を出しながら開発を進めることができる。しかし、物理的な距離があり、第一言語の異なるオフショア開発の場合ではそうもいかない。
Guideはこの壁を、どのようにして乗り越えたのだろうか。
「どのプログラムを書き、どんなアウトプットを出せばよいのか。設計書を読むだけで、全員が共通認識を持てるまで解像度を上げて、ドキュメントに落とし込むように意識しました。こちらの期待値とエンジニアのアウトプットイメージが一致するように、コードの一行一行まで細かく伝えることを心掛けています。
手間が掛かるように見えるかもしれませんが、この工程が結果的には良い成果につながるので、妥協すべきではないのかなと。それにお互いエンジニアなので、会話するよりも技術的な内容を書いて伝えた方が認識の齟齬が生まれづらいんですよね。コードで会話をするイメージです」
慎重にプロジェクトを進める姿勢は、完成したプログラムの確認にも現れている。森岡さんは、ベトナムのエンジニアのアウトプットをコードの一行一行に至るまで、全て確認しているという。
「ベトナムのエンジニアはスキルが高いので、アウトプットも高品質。最近では何の問題もないことも多いですし、僕も日本の他のメンバーも信頼を置いています。
ただ、99%は問題なくても、100%大丈夫ということはあり得ません。万が一の1%がシステムの品質に影響してしまう可能性は十分にある。そしてその場合の責任は、間違いなく僕たちにあります。どの指示が良くなかったのか、どこでコミュニケーションエラーが生じているのかを把握するためにも、細かくチェックするようにしているんです」
情報の展開からアウトプットの受領まで細かいチェックを重ねているGuide。しかし、「細かさ」は受け取り手によっては「煩わしさ」になりかねない。そうならないために、日本・ベトナム間の信頼関係の構築やシームレスなチームビルディングにも注力しているという。
「リアルタイムでのやり取りを実現するために、東京オフィスとベトナムオフィスをオンライン会議のモニターでつなげています。物理的な距離を感じさせない一体感を作れたら、と考えているんです。企業カルチャーを育てるために、ベトナムのメンバーを日本に招くこともあれば、日本メンバーの希望者がベトナムに出張へ行く場合もありますよ」
さまざまな工夫を行っている中でも、森岡さんはチームビルディングを進める上で「まずは自分がメンバーを信頼すること」を最も大切にしていると話す。
「エンジニアと接する際は、尊敬の気持ちを忘れないように心掛けています。少しでも相手を疑ったりないがしろにしたりする気持ちがあると、それは必ず言葉の端々から伝わる。だからこそ、『あなたのスキルを尊敬している』という前提でコミュニケーションを重ね、それを言葉や態度で表すようにしています」
海外の優れたエンジニアと仕事をすることは、日本で働くエンジニアたちにも良い影響をもたらすと森岡さんは語る。
「高いスキルを持つエンジニアの仕事を身近に感じることは刺激につながりますし、新たな学びを得られるシーンも豊富です。仕事で英語に触れることで自発的に欧米の文献などを読むようになり、新しい技術情報のキャッチアップも速くなっている印象です」
また多様な人材が在籍しているGuideでは、一人一人の自主性を尊重するカルチャーが根付いている。メンバー個人の進め方に合った方法で仕事を進めることが推奨されており、こうしたスタイルもエンジニアたちの成長を後押ししている。
「裁量を持って仕事ができる面白味を感じてもらえているのか、創業当初に比べてメンバーからの提案ベースでプロジェクトを進める機会も増えてきました」
セキュリティーが重視される金融業界では、新技術の導入には慎重になりがちだ。レガシーなシステムが多く残されており、コストの低減やさらなる品質向上など、金融業界のシステムが抱える問題は多い。
こうした課題に、Guideはどのように立ち向かっていくのか。最後に、今後の展望について語ってくれた。
「僕たちのクライアントは金融業界の中でも技術的な部分への理解が強いため、新しいチャレンジも任せていただきやすい。積極的に新しい技術に触れながらエンジニアたちのスキルアップを後押しし、将来的には新サービスの開発を手掛けたいと考えています。国籍問わずに活躍できる文化をこれからもパワーアップさせていきたいですね」
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取材・文/中たんぺい 写真/桑原美樹 編集/今中康達(編集部)
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