本記事は、特集「IT賢者に聞く! “今、20代エンジニアだったら”働きたい会社の三大条件」の内容より一部抜粋して作成しております

新年度のスタートに読んでおきたい、IT賢者が20代エンジニアへ贈るアドバイス6選【ひろゆき、川上量生、松本勇気、牛尾 剛、及川卓也、青木俊介】
NEW! 働き方
4月。新年度の始まりは、期待と不安が交錯する季節だ。
エンジニアとしてのキャリアを歩み始めたばかりの人も、数年目の節目を迎えた人も、「これからどう成長していけばいいのか」とふと立ち止まる瞬間があるかもしれない。
そんな20代のエンジニアたちに向けて、あの著名人たちはどんな言葉を贈るのだろうか。
起業家、有名企業のCTO、ネット文化の旗手……。それぞれが歩んできた道のりから語られるアドバイスには、きれいごとではない“生きたヒント”が詰まっている。
これからの自分の選択を考える上で、きっと背中を押してくれるはずだ。
目次
ひろゆき「周囲と“うまくやる力”は身に付けて損しない」
ひろゆきさんは、若手時代の選択や仕事ぶりで「今だったらこうするのに」と後悔していることってありますか?
特にないですね。僕、壁にぶつかりそうになったら「あ、これは上手くいかないからやめよう」って、さっさと辞めちゃうんですよ。諦めが早いんで、大きなダメージを受けることがあんまりないっていう。
ひろゆきさんらしい回答ですね(笑)。では、20代のうちに「これはやっておいた方がいい」と思うことってありますか?
「周囲とうまくやる力」を身に付けることかなと思います。エンジニアって個人で成果を出すイメージが強いですけど、結局、プロジェクトやチームの中で動くことが多いですよね。その中で、どうやって自分の成果を正しく評価してもらうかとか、どうやってチームとして結果を出すかを考えるのが大事なんじゃないかな、と。
特に20代のうちは、先輩や上司と一緒に働くケースも多くありますもんね。
チームの中での調整力とか、周囲とスムーズにやり取りする能力は身に付けておいて損しない。その力があれば、無駄な対立を避けられるし、自分の仕事にも集中できる。「一匹狼タイプのエンジニア」でなくても十分成果を出せる環境を作るには、周囲とうまく付き合う力が役に立つと思います。

ひろゆきさん(@hirox246)
本名・西村博之。1976年生まれ。「2ちゃんねる」開設者。東京プラス株式会社代表取締役、有限会社未来検索ブラジル取締役など、多くの企業に携わり、プログラマーとしても活躍する。2005年に株式会社ニワンゴ取締役管理人に就任。06年、「ニコニコ動画」を開始。09年「2ちゃんねる」の譲渡を発表。15年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。著書に『働き方 完全無双』(大和書房)『プログラマーは世界をどう見ているのか』(SBクリエイティブ)『1%の努力』(ダイヤモンド社)など多数。ABEMAで配信中の『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』も好評
川上量生「“ビジネス”を学ぶことから逃げてはいけない」
川上さんの「若手の頃に経験できて良かったこと」を教えてください。
若いうちに「全体を見渡す目」を養うことができたのは大きかったですよ。
僕が学生時代にアルバイトで関わったCADシステムの開発や運用は、当時としてはかなり高度で大規模なものだった。それを現場で学びながら、システム全体をどう動かすかを考える経験ができたのは、僕にとって大きな財産です。
プロジェクト全体を動かす側ことで得られる経験ですね。
現代のエンジニアの多くは、「この部分だけを担当する」という狭い役割にとどまりがちだから、どうしても視野が狭くなってしまう。
専門性を高めるという意味ではいいかもしれないけど、これからはAIが進化して細かい作業を代替していく時代。ただ単にシステムのことだけを考えるのではなく、ビジネス全体の流れを把握して、プロジェクトを動かしていく力が求められるようになります。
若手のうちに基礎となるスキルをしっかり固めた上で、できるだけ早く「俯瞰する力」を養うポジションに挑戦してみるべきですね。

川上量生さん(@gweoipfsd)
株式会社ドワンゴ顧問、学校法人角川ドワンゴ学園理事、株式会社KADOKAWA取締役。1968年生まれ。京都大学工学部を卒業後、コンピューターの知識を生かしてソフトウエアの専門商社に入社。97年に株式会社ドワンゴ設立。通信ゲーム、着メロ、動画サービス、教育などの各種事業を立ち上げる
松本勇気「成長したいなら“責任を取る側”に立つこと」
松本さんは、今でも後悔している20代の頃の失敗って何かありますか?
いくつか思い浮かぶものはあるんですが、ただそれを経験しなければ良かったかと言われると、また別の話かなと思います。20代の自分には避けられないことも多かったし、だからこその学びもたくさんありました。
後悔というよりも、失敗したことを次にどう活かすかが大事なんですよね。その失敗をしっかり理論化して次の行動につなげることで、結果的に自分の成長になっている。だから、振り返って「あの時ああしていれば」と思うことがあっても、それを必要以上に引きずることはないですね。
20代のうちは、失敗を恐れずにどんどんチャレンジをしてほしいと。
とにかく私が20代の方にお勧めするのは、全力で責任を取りに行くことです。責任を取りたがる人って意外と少ないので、実は重宝されるポジションですし、自身のスキルを圧倒的に伸ばすことができます。
その過程では、もちろん失敗することもあるでしょう。私自身も、過去の失敗を数えたらキリがありません。特に組織運営に関しては、今でも教訓として肝に銘じている失敗をたくさんしてきました。
しかし私は、20代のうちの失敗は、基本的に恐れる必要がないと思っています。若い頃の失敗は、むしろ評価してもらえるはず。そこから得られる教えを自分のものにすれば、次に成功する確率は確実に上がります。

株式会社LayerX
代表取締役 CTO 兼 AI・LLM事業部管掌
松本勇気さん(@y_matsuwitter)
東京大学在学時にGunosy入社、CTOとして技術組織全体を統括。2018年にDMM.com CTOに就任し技術組織改革を推進。2021年、LayerXの代表取締役CTOに就任。開発や組織づくり、及びFintechとAI・LLM事業の2事業の推進を担当。CTO協会理事
牛尾 剛「“理想の環境”に一発で行く必要はない」
牛尾さんは40代でマイクロソフトに転職しましたよね。そこに至るまでは、相当な苦労もあったのではないでしょうか。
そういう風に聞かれることが多いんですが、実際のところ全くそんなことはなかったですね。何の問題も、苦労もなかったんです。
みんなマイクロソフトに入るのは難しいと勝手に思い込んでるだけ。マイクロソフトに行きたいなら、まず面接を受けてみればいいのに。そうすれば、何かしらフィードバックが得られますからね。それを元にネクストアクションを起こせばいいんです。
「自分には無理」と思い込む前に、戦略を立ててアクションを起こすことが大事だと。
その通り。一発で行けたら格好いいですけど、別にそんな必要ないんですよ。多少遠回りしてもいい。
それよりも、最終的に一番行きたい場所にたどり着くための戦略を自分で立てる方が大事です。「この経験を積んで、次はここに挑戦しよう」みたいな筋道を描く。その方が、自分のパッションも自然と湧いてくるし、最終的な満足感が全然違うと思います。
難しいのか簡単なのか、自分に合っているのかどうかは、やってみないと分からないんです。最初から「難しい」って決めつけてしまうのが一番良くない。とにかく挑戦してみること、それが大事です。

米マイクロソフト
Azure Functionsプロダクトチーム シニアソフトウェアエンジニア
牛尾 剛さん(@sandayuu)
1971年、大阪府生まれ。シアトル在住。関西大学卒業後、日本電気株式会社でITエンジニアをはじめ、その後オブジェクト指向やアジャイル開発に傾倒し、株式会社豆蔵を経由し、独立。アジャイル、DevOpsのコンサルタントとして数多くのコンサルティングや講演を手掛けてきた。2015年、米国マイクロソフトに入社。エバンジェリストとしての活躍を経て、19年より米国本社でAzure Functionsの開発に従事する。ソフトウェア開発の最前線での学びを伝えるnoteが人気を博す
及川卓也「“探求心の有無”で、キャリアの到達点の差が広がる」
変化の激しい時代ですが、及川さんは今の若手エンジニアはどのようなスキルを積極的に身に付けるべきだとお考えですか?
スティーブ・ジョブズが「Connecting the dots」という言葉に込めたように、何がどう役に立つかは事前に全て分かるわけではありません。内発的動機に従って打ち込んだものが、結果として将来、思わぬ形で役立つということもあります。
そういう意味では、役に立つか立たないか、必要かどうか以前に、表層だけでは飽き足らず、「もっと知りたい」という気持ちが湧き上がること自体が重要なのかもしれないです。
技術を探求する姿勢が大切だと。
今は生成AIがあります。もちろん全部を鵜呑みにするわけにはいきませんが、一読しただけでは理解できないような論文やドキュメントを読み込ませて「どういうことなの?」と聞いていくと、正しい情報を踏まえた上で、分かりやすく紐解いてくれます。
つまり、どこまでも知の探求ができる条件が整ってきているということです。探求する心がある人とない人とで、辿り着ける深さや広さに、より大きな差が生まれる時代になっていると言えるのではないでしょうか。

Tably株式会社
代表取締役 Technology Enabler
及川卓也さん(@takoratta)
早稲田大学理工学部卒業、日本DECを経てMicrosoftに転職。Windowsの開発に携わり、その後Googleではプロダクトマネジメントとエンジニアリングマネジメントに従事。退職後はスタートアップを経て、テクノロジーによる課題解決と価値創造で企業支援やプロダクト開発エンジニアリング組織づくりの作成支援を行うTably株式会社を設立
青木俊介「20代は“ゴールデンタイム”。迷ったら挑戦しろ」
青木さんは、若くしてアメリカや中国といった最先端の環境で活躍されてきました。当時の過ごし方を振り返って、いま率直にどう思われますか?
体力も気力もまだまだ十分ある20代のうちに「もっと全力で取り組んでおけば良かった」と感じることはたまにあります。
僕も20代のころMicrosoft ResearchやCMUにて、週末も含めて時間をほぼ仕事や研究に充てるなど、それなりにハードに働いていたつもりです。ただ今振り返ってみると、「いや、もっとやれたかもな」と思うこともあって。
20代と30代以降だと、やはり違うものなのでしょうか……?
20代にしかできない働き方や集中力って、確実にあると思うんです。特にソフトウエアやAIの世界ではそれを強く感じます。
東大松尾研究所の松尾 豊先生もおっしゃっていましたが、AIのトッププレイヤーに40代や50代の人はほとんどいないんです。トップレベルでガリガリ開発を続けている人は、圧倒的に20代から30代前半に集中しています。
失敗を恐れず、とにかく挑戦する。そうすればいつか自分の得意な分野が見つかり、そこで大きな成果を出す準備が整います。だから僕から20代のエンジニアにアドバイスするなら、「迷ったら挑戦しろ」と伝えたいです。怖がらず、恥ずかしがらず、まずは一歩を踏み出して欲しいですね。

チューリング株式会社
共同創業者 取締役CHRO
青木俊介さん(@aoshun7)
米・カーネギーメロン大学 計算機工学科で博士号取得。米国では自動運転システムの開発・研究に従事し、サイバー信号機の開発や大手自動車メーカーの自動運転機能の開発に携わる。2021年より国立情報学研究所 助教として着任し、青木研究室を主宰。名古屋大学 客員准教授・JSTさきがけ研究員を兼任。MITテクノロジーレビュージャパンより35歳未満のイノベーターIU35に選出
写真/赤松洋太、桑原美樹 構成・編集/今中康達(編集部)

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