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転職は業種、流行じゃなく「仕事の種類」で選ぼう~ 成長・支援・維持・再生という4分類【ちきりんの”社会派”で行こう】

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    はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー”ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く”ちきりんワールド”をご堪能ください(※本記事は、『Chikirinの日記』に掲載されたエントリーを再構成したコラムです)。

    ■ 記事提供:『ビジネスメディア誠(現ITmedia ビジネスオンライン)

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    おちゃらけ社会派ブロガー
    ちきりんさん(@InsideCHIKIRIN

    兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し”働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から”おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。ブログは『Chikirinの日記』

    仕事には、いろんな分け方があります。業種で分けたり、大企業、中小企業、スタートアップ、と分けたり、もしくは開発、営業、企画、財務など職種で分ける方法もあるでしょう。

    ちきりんが「これも仕事を選ぶ時に役立ちそう」と思っているのが、次の4つに分ける方法です。

    1.成長の仕事
    2.支援の仕事
    3.維持運営の仕事
    4.再生の仕事

    転職は業種、流行じゃなく「仕事の種類」で選ぼう

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    成長の仕事とは、新しいビジネスを立ち上げる、立ち上がって間もない仕事を軌道に乗せる、伸び盛りの分野で業容を拡大する、などの仕事です。

    グルーポンやオンライン英会話など新しい業態のビジネス、モバイルやソーシャルゲーム、SNSなど急成長分野、高齢化に着目して伸び始めたビジネスや、中国やインドなど高成長国を担当する場合も成長系の仕事です。

    2番目の支援の仕事。典型的なのはプロフェッショナルサービスと呼ばれる弁護士、会計士、コンサルティング、投資銀行やベンチャーキャピタルの仕事です。マーケティングやPRの支援企業もありますね。個人で支援の仕事をしている人も多いです。

    3番目の維持と運営の仕事。仕事の数としてはこれが一番多いです。公務員の大半はそうだし、大企業の大半の仕事もこれです。

    維持するものは2つあり、1つが定番のオペレーション、もう1つが組織自体です。ずっと長く行われているビジネスは普通に回していくだけでも結構な人数が必要だし、巨大組織や公的機関では「組織の維持のための仕事」もたくさん存在します。

    4番目の仕事が再生です。”事業再生”とか”ターンアラウンド”と呼ばれます。主に「再生専門ファンド」や一部のプライベイトエクィティファンドがなどが担当しますが、ファンド以外でも、大メーカーや小売店の中には、不良店舗や不良ビジネスの再生を担当する部門や特別チームが存在するし、大組織に作られる”○○改革チーム”もこの仕事をします。

    また、支援の仕事である弁護士や会計士、コンサルティング会社にも(あくまで仕事は「支援の仕事」ですが)この分野を専門とする人や事務所があります。

    日々やることがまったく異なる4つの仕事

    この4つは同じ職種であっても、すごく違う仕事です。たとえ同じ営業職、開発職、財務の担当や採用の担当であっても、自分が「成長分野」で働いているのか、それとも「維持運営分野」で働いているのか、によって日々の仕事はまったく異なります。

    成長分野で働いている人には、開発だろうと営業だろうと人事だろうと財務だろうと、「成長するぜ!」系の仕事のやり方が求められます。

    朝と夕方で指示や目的が変わったり、少々細かい点が詰まっていなくてもどんどん前に進めたり、また意思決定も行動も上司の決裁などまたず現場でスピーディに行ったりするなど、成長分野に共通する仕事のやり方があるからです。

    加えて、4つの分野では学べること、得られる経験の種類や質も違います。求められる資質や能力、さらに個々人にどれが合っているか、という適性も違います。

    維持運営の仕事が合っている人、成長の仕事が合っている人、再生の仕事が合っている人、というのは違うタイプの人なのです。

    間違えない方がいいと思うのは、「オレは頑張るぜ!」系のエネルギーのある人の仕事選択です。こういう人はたいてい「維持運営の仕事」を避けて転職活動をします。でも、残りの3つの仕事の区別がついてないことがあります。

    日々やることがまったく異なる4つの仕事

    攻めの仕事」を求めて転職しても、組織の雰囲気や与えられるミッションで、希望通りとはならない場合も

    「成長の仕事」をするのと、「成長の支援をする仕事」はまったく違う仕事だし、「成長の仕事」と「再生の仕事」は180度違う仕事です。

    成長の仕事とはゼロや10を100にする仕事であり、再生の仕事はマイナス50をゼロに近付けたり、10にもっていく仕事です。頭の使い方、時間の使い方、判断のよりどころなど、すべてが違います。

    30代半ばまでの自分の生き方を考える時代に、この4つのうちどれを経験しておくのか、よく考えた方がいいです。また、30代半ば以降の「自分の人生の中心となる仕事」を選ぶ際にも、人生の時間をこの4つのうちどれに使いたいかを、よく考えた方が良いです。

    再生や支援の仕事を面白いと感じる人もいるし、「他社の支援」や「ゼロを目標にする再生」なんて、何が面白いのか全然理解できない、という人もいます。

    あと、「オレは何かを成し遂げたい!」と思うなら、とりあえず「成長の仕事」に携わらないと話になりません。支援や再生は年を取ってからでもできます。間違えないよーに。

    そんじゃーね。

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    Business Media 誠(現ITmedia ビジネスオンライン)

    2007年4月に創刊した、30代のビジネスパーソン向け総合ビジネス誌です。コンセプトは「ニュースを考える、ビジネスモデルを知る」。社会の構造が大きく変わりつつある今、伝統や慣習が参考にならない世の中を、自立的に生き抜こうとするビジネスパーソンに向けて、仕事革新・自己革新を支援するメディアです。

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