エンジニアに選ばれる「良い会社」の条件とは? 人材不足に喘ぐ業界で頭角を現すSIerが行う、たった一つのこと
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2016年に経済産業省が公表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、15年時点で約17万人といわれていたIT人材不足が、30年には約41万人から約79万人まで拡大する見通しという。
受託開発が主体のSIerにとって、目の前の開発需要をエンジニア不足によって受注できない事態は避けたいはずだが、有効求人倍率は上昇傾向にあり、既に人材獲得は難しくなりつつある。とくに中小事業者にとってその影響は計り知れない。エンジニアに選ばれる「良い会社」とは、一体何なのか。おそらく、その答えを知る企業は少ない。
しかし、こうした状況の中、続々とエンジニア採用を成功させている企業がある。Webシステムや基幹システムの受託開発を手掛けるi株式会社(イーカブシキガイシャ)だ。企業データだけ見れば、いたって平均的なSIerにも見える。なぜ、同社にはエンジニアが集まってくるのか。その答えこそが、エンジニアが企業に求める良い会社の条件になりそうだ。
「社員ファースト」で人材採用を成功へ
「良い会社になるために、何も特別なことをする必要はないと思います。強いて言えば、徹底した『社員ファースト』を実践すること。当社も、それによって採用成功率と定着率を高めることができているのかもしれません」
i株式会社の代表を務める細矢隆明氏は、良い会社であるための条件と共に、エンジニアが同社に集まる理由についても謙遜しつつ語った。具体的にはこうだ。
「数多くのSIerの中から当社を選んでもらうためには、明確な差別化が必要です。しかし、長い歴史のある大手企業でもない限り、知名度や実績に頼った採用活動はできません。そこで当社は、徹底した社員ファーストを貫き、それをPRすることによって自分たちの立ち位置を明らかにすることを決めました。エンジニアの気持ちを汲んだ働き方を実現できる会社には、おのずと人が集まると考えたからです」
細矢氏によると「徹底した社員ファースト」とは、次に挙げる二つのポイントに集約されるという。
エンジニアのキャリアと向き合う
・個人の将来設計、習得したいスキル、理想のキャリアを前提にプロジェクトをアサインする
・ベンダー研修やITスクール、eラーニングで学べる環境を用意する 他
働きやすい環境を整える
・対面、チャット、電話を問わずいつでも悩みを相談できる環境を作る
・代表やグループ長との面談も頻繁に実施する
・人気の高い関東ITソフトウェア健康保険組合に加入するなど、福利厚生の充実に努める 他
「総じて言える重要なポイントは、『エンジニアの希望に応える』ということでしょう。コンサルタントへのキャリアアップや、未経験の先端技術へのチャレンジなど、一見ハードルが高そうな希望であっても、エンジニアの希望を実現する方向に動くことが私の仕事だと思っています。実際、コンサルタントへのキャリアアップを目指すエンジニアに、経験を積むためにPMOとして参画できるプロジェクトをアサインしたり、PMOだった社員を研修に送り出してRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)案件への参画をバックアップしたりもしてきました」
企業を作るのは『人』であるという思い
エンジニアの希望を叶えるため、さらなる教育が必要ならば躊躇なく研修に予算を投じるし、希望にかなうプロジェクトが稼働していなければ、新たな案件の獲得に向けて顧客に働きかける労力をもいとわない。なるほど、同社がエンジニアから「良い会社」とされるのも納得できる。一方で、どこまでも社員のためを思う細矢氏の原動力の源は、一体どこにあるのだろうか。
「以前もSIerで勤めていたのですが、当時の企業は決して人材が潤沢ではありませんでした。そうなると、取引先からニーズをいただいても全てに応えることができません。逆に言うと、自社で働くエンジニアが増えれば増えるほど応えられるニーズの幅も広くなる。そこで、企業は『人』があってこそ成り立つものだ、と気付き、人を資本とした会社を作ろうと思ったのです」
企業にとっての人の重要性に気付き、i株式会社を設立した細矢氏。だからこそ、数ある企業の中から同社を選んでもらうために取った行動が「社員(人)ファーストな会社作り」であるという点にも頷ける。特に、エンジニアのキャリアに対する思いは強く、時には「次の転職の準備をしているか?」とエンジニアに対して問うこともあるという。もちろん、他社への転職を促すための言葉ではない。常にスキルアップする意欲を持ち続けてほしいという思いがあってこその言葉だ。
「技術進歩の早い業界なので、エンジニアたちには常にスキルを磨き続けてほしい。その代わり、成長したエンジニアが当社に満足できなくならないように、私自身も会社を成長させていく必要があると考えています。結果として、エンジニアと会社の成長が相乗効果で加速して、彼らに長く働きたいと思ってもらえるようになったら幸せですね。
当社は社員の紹介で入社する方が多いのですが、自分が良いと思わない会社に大事な友人を紹介することはないはずです。だからこそ、私は社員ファーストに徹する。こうした会社の雰囲気が、面接や採用イベントで出会う方々にも伝わるのでしょう。年々、良い方に出会う確率が高くなっている気がします」
一見、回り道にも思えるが、細矢氏の「社員ファーストな会社を作る」という強い思いが、結果としてエンジニアを同社に惹き付ける効果をもたらしているようだ。
「入社したことを後悔させない」会社として、社員の思いに応えていく
同社がエンジニアに対して十分すぎるほどの環境整備を行っていることはわかった。では、同社からエンジニアに求める条件などはないのだろうか。細矢氏は「幅広い方を採用したい」と前置きし、次のように語った。
「エンジニアの力量を判断する基準は、大雑把にいうと向上心があるかどうか。もし経験が足りなくてできないなら、これから経験を積めばいい。実現する方法はいくらでもあるはずです。もちろん、口先だけの人にはお引き取り願いますが、意欲と行動がかみ合っている人なら、ぜひ一緒に働きたいと思っています。
一方で、経験の浅いエンジニアを育てていくためにも、シニアエンジニアや専門技術・業務知識に長けたリーダーやマネジャーも必要です。当社は発展途上なので、早急に埋めなければならないポストがたくさんありますし、これから会社として挑戦したいことがいくつもあります。幅広い年齢層の方々に当社の存在を知っていただくことが、当社の願いです」
細矢氏が言う「これから会社として挑戦したいこと」とは、主に一次請け案件の受注拡大と自社サービスの開発だ。これらの目標を実現するため、細矢氏は、数年のうちに同社を100名体制にしたいと意気込む。
「昨年当社は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を受けました。当社程の規模ではあまり例がないようですが、これは一次請け案件の受注を増やすためであり、SaaS型の基幹業務システムや、ブロックチェーン技術を応用した新サービスなど、自社サービスに進出するための布石でもあります。こうした新たな目標を達成するため、一日でも早く100名体制を確立したいと考えているところです」
最後に、今後の展望について尋ねると、細矢氏は思いの丈を次のように語ってくれた。
「エンジニアを求めている会社はたくさんあります。その中から当社を選んでいただくわけですから、入社してくださった方を後悔させたくありません。ですから私は、当社を今まで以上に人が人を呼ぶような『良い会社』にしたい。現場で働くエンジニアと協力しながら、実現させるつもりです。
そのためにも、私のミッションは、皆さんの夢や目標を叶えるお手伝いを通じて、会社を大きく育てお客様の期待に応えること。ですからエンジニアの皆さんには、ぜひこの会社を土台に自身のスキルを高めていってほしいと思っています。意思なきところに成長はありません。意欲あるエンジニアの皆さんにとってより良い会社であり続けるよう、私自身、これからも精進していきたいですね」
取材・文/武田敏則(グレタケ) 撮影/赤松洋太
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