カズワタベの場所を選ばない仕事術
カズワタベ(@kazzwatabe)
2006年よりミュージシャンとして活動。バンド活動を休止し、2010年にGrow株式会社を設立。2013年に独立し、フリーランスの道を歩む。同年12月に福岡に移住。2014年8月にウミーベ株式会社(umeebe Inc.)を設立し、代表取締役CEOに就任した。スマートフォンアプリ、Webサービスの開発・運営を行っている
カズワタベの場所を選ばない仕事術
カズワタベ(@kazzwatabe)
2006年よりミュージシャンとして活動。バンド活動を休止し、2010年にGrow株式会社を設立。2013年に独立し、フリーランスの道を歩む。同年12月に福岡に移住。2014年8月にウミーベ株式会社(umeebe Inc.)を設立し、代表取締役CEOに就任した。スマートフォンアプリ、Webサービスの開発・運営を行っている
エンジニアtypeをお読みの皆さん、こんにちは。
先日より始まった連載「場所を選ばない仕事術」。第2回は、僕と同じように東京から福岡へ移住し、Webデザイナー/マークアップエンジニアとして活躍されているアイドットデザインの越水大輔さんをお迎えしてお送りします。
今回のテーマは地方移住で不安に思う方が多い、仕事の獲得方法についてです。
ワタベ 越水さん、今日はよろしくお願いします。さっそくですが自己紹介からお願いします。
越水 よろしくお願いします。越水と申します。1981年生まれの33歳、福岡でアイドットデザインの代表としてフリーランスのWebデザイナー/マークアップエンジニアとして活動しています。2012年の5月に福岡に移住してきて、もうすぐ3年が経ちます。
ワタベ ありがとうございます。越水さんが福岡に移住したきっかけについてお教えください。
越水 理由は大きく2つあります。まず妻がもともと福岡県の出身だったこと。もう1つが東京では子育てがしづらいと感じていたためです。
移住を意識したきかっけは、東日本大震災の後に福岡に滞在していた時期があったことですね。その時に福岡の生活環境の良さに魅力を感じました。また、滞在中に妻の知人からWebデザインの仕事をいただいたことが、現在の仕事を始めるきっかけにもなっています。
ワタベ 興味を持ってから1年ほどでの移住ということですね。移住する前に何か不安に感じることはありましたか?
越水 収入面は不安でしたね。僕自身、妻の家族以外に福岡に知り合いがいませんでした。家族を食べさせていくだけの収入が確保できるほどの仕事を得ることができるのか?という点では、悩みました。
福岡という都市の規模を考えると、家族が食べられるだけの仕事があるということは分かっていて、移住を決めましたが、やってみないと分からない部分もあるので。
ワタベ 正直、あまりツテがない状態での移住だとそこは心配ですよね。僕自身移住直後はフリーランスとして働いていましたが、東京の案件を確保しつつ、徐々に福岡の案件にシフトしていくことで解決していました。
越水さんは移住してみて実際はいかがでしたか?
越水 東京から来る案件をリモートで制作を進めたりしていましたが、それと並行して福岡のお客さんも増やさなければいけません。プラスαで営業活動も並行して行うという感じで、最初は苦労しましたね。
営業も電話帳を見て1件1件電話したりと、今振り返るとかなり泥臭いことをやっていたので、効率的ではなかったかもしれません(笑)。
福岡で開催されているWeb制作の勉強会にも頻繁に出席して、発表したりブログでレポート書いたりしているうちに、徐々に顔と名前を覚えてもらえるようになりました。このころから、福岡での仕事も安定して確保できるようになってきましたね。
福岡の場合、コミュニティが狭い(濃密?)な分、自分の人間性やスキルが分かってもらえるになると、声が掛かったり仕事を紹介してもらえることも増えてきます。
ワタベ やっぱりはじめはそれなりに足を運んだり、手を動かしたりしないといけないですよね。福岡に限らず地方のIT系のコミュニティの密さは、僕もいろいろなところで感じる機会がありました。では、技術的な面で意識していることはありますか?
越水 最近だとGitやSassを使ったりなどWeb制作ツールも増えてきています。そうした新しいツールをキャッチアップすることや、幅広いプロジェクト、制作環境に対応できる柔軟さがあるかどうかも大事だなと思います。
ワタベ 新しいツールへの理解は仕事を請ける上で強みになりますよね。
ワタベ 仕事の上でも、生活の上でも構わないんですが、東京から福岡に移ってきて良かったことだと、どんなことが思い付きます?
越水 まずは食事ですね。福岡のご飯はおいしいとよく言いますが、僕が一番びっくりしたのはスーパーで買うことのできる野菜や魚が、東京にいたころに食べていたものと全く違ったということですね。東京にいたころは食に関しては無頓着な人間でしたが、福岡来て食事がすごく楽しみになりました。
また、移動コストが掛からないことも魅力だと感じています。福岡は街自体がコンパクトにまとまっているので、自転車移動が大半。東京にいた時のように片道1時間も通勤に費やすようなことがありません。結果、家族で過ごす時間も増えるし、休みの日は20分で街にも海にも山にもアクセスできるし充実しています。
ワタベ 福岡は自然が近いだけじゃなく、空港も近くて利便性が高いですよね。今度、ウミーベの新しいオフィスが郊外の海辺にできるんですが、それでも中心街から電車で20分ほどの距離ですから。
じゃあ逆に移住してみて、ここは困ったな、東京の方が良かったなというところはありますか?
越水 音楽ライブなどのイベントが多いという点で、東京はやっぱり良いなぁと思うことがあります。また、Web関係の勉強会も大きなイベントも頻繁に行われていますし、SNSでそうした勉強会の様子を見ると「参加したかったな」と思うことはありますね。
ただ、今はネット上に勉強会のスライド公開もされるので、情報はカバーできるし、ライブなどもここぞという時にはLCCがあるのでそんな不便ではないですね。
ワタベ 音楽やアート、デザインなどのイベントや展示はどうしても東京に集まっていますよね。海外アーティストのライブも東京と大阪公演はあるのに、福岡では開催せず悔しい思いをしたこともあります。ただ、LCCの普及で航空券が安価になっているので、昔よりは移動もしやすくなっていますよね。
最後になりますが、移住の実践者として地方移住を検討している方にメッセージをお願いします。
越水 今思い返すと、東京は良くも悪くも働くことに対して最適化されている場所なので、子育てや生活をする面では窮屈な思いをすることも多かったように感じます。そうした環境の中でもっと生活のゆとりや、自分のペースで生活を過ごしたいという感じている方には、地方移住はとてもおすすめです。
特にIT業界に関しては今はどこも人材不足という状態なので、一定の経験があれば地方では就職先もすぐ見つかると思います。
しっかりブログやSNSで自身で情報を発信すれば、都内よりもむしろ地方の方が、コミュニティ内で自分の存在感も確保しやすいのではないかというのが僕の所感です。
これだけ交通コストや通信コストが下がった時代なので、一つの場所に固執して働くのではなく、もっと自由に生活拠点を選ぶ働き方が広まるといいなと思います。
ワタベ 越水さん、本日は貴重なお話ありがとうございました!
越水 ありがとうございました!
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