君は“やりたくないこと”“できないこと”を採用担当にしっかり伝えられるか?――「人気サービス」を作る20~30代エンジニアが明かす転職成功術
エンジニア採用が活発化し、求職者の売り手市場が続いている。さらに、エンジニアの転職方法は、求人サイトや人材紹介だけでなく、リファラル採用なども盛ん。「次の職場探し」の方法は多様だが、実際に転職を経験しているエンジニアたちはどうやって理想の転職を叶えたのだろうか。
今回は、8月9日にand factory社主催で行われた「人気サービスを作る20〜30代エンジニアとのMeetUP!」イベントで語られた、and factory株式会社の渡邉 亮さん(Androidエンジニア)、スタディプラス株式会社の石上友章さん(ウェブエンジニア)、株式会社ニューロスペースの松原正和さん(プロダクトマネジャー)、株式会社バンクの高橋拓也さん(サーバーサイドエンジニア)という、人気サービスを作る20〜30代エンジニア4名の転職経験談をご紹介しよう。
【登壇者プロフィール】
and factory株式会社 Androidエンジニア
渡邉 亮さん
現在28歳。東海大学航空宇宙学部航空宇宙学専攻卒、新卒でSES事業でのアプリケーション開発支援・設計・実装を従事。転職後Androidアプリの受諾開発などに従事。2017年9月よりand factoryにジョイン。主に「マンガUP!」の開発に携わっている。各種アカウントは→@nabe90s
スタディプラス株式会社 ウェブエンジニア
石上友章さん
スタディプラス株式会社には入社して2年と1ヶ月。今年の3月まではwww.studyplus.jp(StudyplusのWeb版)を担当。4月からはStudyplus for Schoolという塾向けのSaaS開発にエンジニアとして関わる。 Github, Twitter, Qiita などは @gaaamii
ブログ:https://shgam.hatenadiary.jp
ポッドキャスト:https://kumocast.jp
株式会社ニューロスペース プロダクトマネジャー
松原正和さん
半導体製造装置のソフトウェア開発、Web系システム開発、Yahoo!JAPANでWebサービス企画・ディレクションを経験。その後フリーランスでWebシステムの営業・企画・開発マネジメントを経験後、弁護士資格を取得。 2018年1月よりニューロスペースにジョイン
株式会社バンク サーバーサイドエンジニア
高橋拓也さん
1992年生まれ 群馬県出身の25歳。2016年4月、ヤフー株式会社に新卒で入社。インフラエンジニアとして OpenStack を利用したプライベートクラウドの構築・運用・開発に従事する。2018年5月株式会社バンクにジョイン。サービスロジックを書きながら、GCPを用いたクラウドインフラの管理も行う
――皆さん、さまざまなご経歴をお持ちです。高橋さんが転職を考えるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
高橋:僕が転職しようと思ったのは、自分の力を試したいという気持ちが強くなったときでした。転職して環境を変えて、エンジニアとしてさらに成長できればと考えたんです。
――前職はヤフーですよね。そこではご自身が望む成長は難しかったんでしょうか?
高橋:もちろん人によると思いますが、僕の場合はインフラレイヤーで0→1をやるような環境で働きたいという考えでバンクに転職しました。前はインフラエンジニアだったんですが、Pythonのアプリケーションをオーケストレーションするような、サーバーサイド寄りのこともやっていました。その環境が“完全に整っていた”ので、いくらでもオーケストレーションできる状態だったんです。だから、僕がいなくても運用は自動化されているし、いくらでもスケールできた。そうなると、「あれ? 自分はここに必要なのかな?」と思い始めて。
――ヤフーのような大手から、ベンチャーへの転職。不安は無かったですか?
高橋:正直まったく無かったです。「やれる」という自信はあったので。前職でもいっぱい失敗してきたし、周りの人に迷惑も掛けてきたけど、その辺を加味して安定運用できるマインドは完全に身に付けたつもりでしたから。むしろ、ベンチャーへの転職で「できること」が増やせるという期待の方が大きくて、迷いも感じませんでしたね。
――転職先を探すときの情報収集はどうしていましたか?
高橋:『転職ドラフト』をやっていて、そこで何社か面接しに行ったのと、リファラル、友達からの紹介というのがメインでした。
――なるほど。他の皆さんは、どのように転職活動を進めましたか?
渡邉:僕の場合は主に『Wantedly』を中心に転職活動をしていました。あとは、会社の休憩時間中にスカウトを受けている会社のブログを読んだり、技術スタックを完璧にして、カジュアルに面談する、ということがほとんど。
石上:僕も同じような感じ。あとは、『Forkwell』を使っていました。
松原:私は今までは友人の紹介が多かったですね。
――皆さん人脈をうまくつかって転職先探しをしていたんですね。ちなみに、今振り返ってみて、後悔していることってあります?
石上:転職しようかどうか迷いながら企業訪問をしていたので、企業側が話すことを一方的に聞くスタンスになっちゃったことですかね。自分でちゃんと調べて、転職の目的ももっとはっきりさせてから訪問に行っていたら、いろいろ聞きたいことが出たかもしれないなと。その方が有益な情報を得られたはず。
――カジュアルな面談だからと思って何も準備しないで行ってしまうと、結局、ふわっと終わってしまうことってありますよね。
渡邉:僕の場合、失敗談というほどではないかもしれないけれど、 “エンジニア以外の人”と話すときすごく緊張するタイプでして(笑)。カジュアルな面談だったとしても、うまく自分の良いところをアピールできなかったりした記憶があります。自分の実績とか、強みとか、そういうものを人に話すっていう経験をもっと前々から積んでおけば、こういう場面でもそこまで緊張せずに済むんじゃないかなと思いました。
――面接も回数を重ねるごとに緊張しなくなっていくものですよね。他に、転職活動をするなら「こんな準備をしておいた方がいい」というアドバイスってありますか?
松原:面接の場でいかに相手に伝わりやすい自己紹介ができるかってすごく大事で、そこは準備が物を言うと思いますね。僕なんか、経歴がすごく謎だから自己紹介が大変で(笑)。
――というと?
松原:僕は社会人になって10年くらいエンジニアやWebサービスの企画をやった後に、弁護士の資格を取って法律事務所で働いていたんですよ。でもやっぱり、「サービスを作る」エンジニアの仕事の方が楽しいよなって思って、今回転職活動を始めたんです。特に、一からサービスを作り上げていくようなスタートアップの方が面白いと思って面接を受けに行ってたんですけど、その経緯があんまり採用担当に伝わらなくて。「弁護士からエンジニアになる奴がいるわけねぇだろ!」って思われちゃうんですよ(笑)。そういうテンションに相手がなっちゃうと、面接も多分うまくいかない。
――「なぜ転職したいのか」説得力を持って話す、分かりやすく伝えるというのが大事ということですね。高橋さんはそのあたりっていかがですか?
高橋:僕の場合は、「自分には何ができるのか」「自分は何をしてきたのか」を明確に企業に伝えておくっていうのはすごく大事だと思いましたね。でないと、せっかく面接しても無駄になってしまうので。
――企業側が求めているスキルが、自分の持っているスキルと全然違うということがあったのでしょうか?
高橋:はい、採用担当との会話がちぐはぐになっちゃったことはありました。「(サーバーサイドエンジニアとして)どういうビジネスロジックを書いてきましたか?」「あ、すみません書いたことない無いです」みたいなこととか。お互いつらい時間でした(笑)。
――やりたいことはもちろん、できることもしっかり整理して話さなければならないということですね。また、皆さんが今の会社への転職を決めた理由は?
石上:当時のCTOとラフに焼肉しながら話す機会があったんですよ。面談とは違うんですけど、そこでカジュアルに話しているうちに、この会社でどう働いていくかイメージができて、それで背中を押されました。ここの会社の雰囲気はきっと自分に合うなっていう、確信が持てたのが大きかったんだと思います。
――社風がマッチすると感じられたんですね。渡邉さんはいかがですか?
渡邉:以前は受託のアプリ開発会社に勤めていて、BtoB向けのサービスばかり担当していたんですよ。アプリユーザーから遠い位置にいたので、プログラミングをしながら「俺は今、何でこれを作っているんだ?」と思ってしまってなかなかモチベーションが湧かなかった。だから、「自分もユーザーになれるプロダクトを作れる仕事」という軸で転職活動をしている中で当社と巡りあいました。事業内容を聞き、「マンガUP!」をつくりたいなと思って入社を決めましたね。どんなプロダクトかということも大切ですが、誰と仕事をするかというのはとても大切ですね。面接でプロダクトやサービスに対するアツイ想いを聞けたのは大きかったです。
――これから転職活動に臨むエンジニアに、アドバイスするなら?
高橋:繰り返しにはなってしまいますが、できることと、できないことと、やりたいこと、そして、やりたくないことを明文化しておいた方がいいということかな。結局、ミスマッチが起きることがエンジニアにとっても採用する企業にとっても一番最悪なので。それさえ避けられれば転職活動は成功すると思います。
――貴重なお話ありがとうございました。
取材・文/栗原千明(編集部)
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