TECH::NOTE
未経験から最先端のテクノロジー人材へTECH::CAMP(テックキャンプ)、10週間でエンジニア転職実現までサポートを行うTECH::EXPERT(テックエキスパート)、これらのサービスを運営する株式会社divのオウンドメディアです。
黒縁のメガネと白のTシャツが似合う、坂口諒さんはビジネス SNS Wantedly を展開する、ウォンテッドリー株式会社のAndroid(アンドロイド)エンジニアです。
大学時代にはバンド活動に打ち込み、その後はニトリで家具やインテリアの販売員をしていたという坂口さん。
ITともプログラミングとも一見、無縁なキャリアを歩んでいた坂口さんは何故、プログラミングに目覚めたのでしょうか。
坂口さんに、プログラミングの魅力とキャリアについてお話を伺いました。
――坂口さんのウォンテッドリーでの、現職の仕事内容を教えてください。
Wantedly Peopleという名刺管理アプリの、Android向けアプリを開発しています。
いまのところは僕がUIやインタラクションをメインに作り、もう一人のAndroidエンジニアがコアのロジックを開発しています。二人で役割を分担し、Wantedly People の開発を進めている形です。
――ウォンテッドリーではチームごとにそれぞれ分業を行い、開発を進めていくのですか?
そうですね。ただ、チームごとにエンジニアが分かれてはいるものの、同じチーム間はもちろん、チームをまたがったエンジニア同士のコミュニケーションも活発です。
ウォンテッドリーはエンジニアにとって「集いやすい」環境が整っていると思います。会社としても「皆が集う」ということに重きを置いていて、リモートワークはあまり推奨されていません。
Slackなどでやり取りをするよりもその場でぱっと話して解決してしまった方が早いといった場面は、業務中にたくさんあります。直接オフィスに集まって仕事をする分、エンジニアにとってオフィスが快適な環境になるように配慮をして頂いていると思います。
チームこそ違っても、エンジニア同士でオフィスでわいわいと話をすることは多いです。むしろエンジニアだけじゃなく皆でオフィス内のフリースペースに集まってボードゲームをしたり食事をしたり。そのためにフリースペースを大きくしているんだと思います。
――ウォンテッドリーのエンジニアはコミュニケーション力に長けた方が多い印象があります。
会議の時も雑談の時も、ウォンテッドリーのエンジニアは皆、おしゃべりで早口です。ぱぱぱぱぱぱ~ってすらすら言葉が出てきます(笑)。経営陣にコミュニケーション能力が高い方が非常に多いので「喋れないと仕事にならない」とも言えますね。
そういう意味では人事担当者は、エンジニアの採用時点である程度「コミュニケーション能力の有無」をチェックしている気がしなくもないです。
――ニトリの販売員からエンジニアへの転身は、かなりダイナミックなキャリアチェンジですよね。
知り合いにも一人、畑違いの職種からエンジニアになった人が居ます。その方はとても尊敬できる人ですよ。
とはいえ、たしかに僕たちのようにここまで大きなキャリアチェンジをした人は中々いないかもしれないですね。
――そもそも「ニトリの販売員になろう」と決めたきっかけは何だったのでしょう?
実は、それほど深い理由は無いんです。
大学時代にずっとバンドをしていて。大学は京都ですが東京にライブに行ったりと結構本格的に活動していました。そして、バンドを真剣にやっていると大学の単位を落としてしまうわけです・・・(笑)
そのため就職活動を始めるタイミングも、周りから遅れてしまいました。「就職活動をし、内定を得て、親を安心させたい」という気持ちもあり、ニトリの面接を受けたところ、内定が出たんです。
「入社するべきか、辞退するべきか」と正直に言ってかなり迷いましたが、給与も含め、提示していただいた条件は悪いものではなかったので、そのまま就職活動を止めてしまったんです。
そうして、ニトリに就職しました。
――ニトリの後、金融系のSIerを経てWebベンチャーに移り、現職のウォンテッドリーエンジニアになられたとお聞きしています。
金融系のSIerに入った最大の動機は、聞こえは悪いかもしれないですが「IT系で実務経験を積んだことがある」という実績を作るためでした。
元々、PCはすごく好きだったんです。それでIT企業に転職したいと考えるようになり、まずは一旦経験を積むためにプログラミング未経験でもOKという求人に応募することにして。そうして入社が決まったのが、SIerでした。
ただ入社後、会社でコードを書くことは無かったので、帰宅後は毎日のように深夜までプログラミングをやっていましたね。
――使用しているプログラミング言語、エディタを教えてください。
仕事ではJavaとAndroid Studioを使っています。
一番最初に覚えたプログラミング言語もJavaです。プログラミング学習を始めた当時、たまたまAndroidの携帯を使っていたのでアンドロイドアプリを作ることにしました。
仕事とは別に、個人としてはKotlinを使用しています。前職ではほぼ、アンドロイドアプリはKotlinを使って制作していました。
会社の同僚と進めているサイドプロジェクトでは、Go言語を使用し、サーバーサイドのプログラムを書いています。
「新しいことを学んでいる」という実感もあって、趣味やサイドプロジェクトでもプログラミングをしたくなるくらい、コードを書くことは楽しいですね。
――ご自身がプログラミングを「楽しい」と感じるようになったのは、学習を始めてからどれくらいの期間が経った頃でしたか?
学び始めてから、最初の1~2ヶ月は意味が全く分からず辛かったです。
それでもしばらく学習を進めると、問題の解決策の「調べ方」が分かるようになります。その後、分からないことがあっても、調べればコードが書けるというレベルに達してからは、プログラミングが一気に楽しくなりました。
――問題が発生した際、すぐに質問ができる相手は近くにいましたか?
独学時、Android開発においては、質問ができる相手はほぼ居なかったです。
プログラミングの概念的な面に関する質問は、一足先にプログラミングを始めていた高校の友人に聞くことはできました。ただ、友人は異なるプログラミング言語を使用しているので、技術的な質問はできなかったんです。
そのため、基本的にはネットで調べながら、独学で勉強を進めていました。
――プログラミングスクールに通うことは考えませんでしたか?
当時、勤めていた会社は始業時間が早く、終業時間が遅かったんです。
そのため時間の余裕が無く、スクールに通うことは考えなかったです。当時、今ほどオンラインでもできるプログラミングスクールが普及してなかったという理由もあります。
プライベートな時間がほとんど無い中、何故独学が出来たのかは自分のことながら、不思議です。
エンジニアになろうと決め、プログラミングを始めたのではなく「なんとなく面白そう」という理由で学習をスタートしたことが良かったのかもしれません。
――毎日使用しているWEBアプリやスマホアプリ、ツールはありますか?
「feedly」「マネーフォワード」「Slack」「Google Keep」「twitter」あたりを使っています。
「Google Keep」はメモアプリで、業務のToDoをまとめる目的で使っています。
またGitHubのIssueを見る目的で、「Jasper」というGitHub Issue Readerを使用しています。
――IT関係の採用の現場では、エンジニアに対してはGitHubアカウントの提出が必須となりつつあります。「GitHubを使っていないエンジニアは採用しない」と言っても、過言ではないような状況が生まれています。
確かにそうかもしれません。
僕にとっては、GitHubは書いたコードをとりあえず置いておく保存先です。ごく当たり前に使うツールですし、Google DriveやDropboxと大して用途は変わりません。
だから、しょうもないものもぽんぽんアップしていますよ。
――他のエンジニアがGitHubに公開しているライブラリは、チェックしていますか?
GitHubに新規に公開されたライブラリの情報は常にチェックしているので、気になるものがあったらとりあえずコードに目を通しています。いますぐに業務や個人の開発に使うわけではなくとも「いつか役に立ちそうなライブラリ」は、一通り目を通しています。
ライブラリに目を通してから数か月後、業務で問題に直面したとき「あの時にチェックした、あのライブラリがいま役に立つのでは?」とひらめくことがよくあるんです。
――1日のタイムスケジュールの例をお教えください。
下のような流れです。
– 8:00~8:30 起床, スプラトゥーン2
– 9:00~ 家を出て徒歩出社
– 9:30 ~ 10:00 出社, スタンドアップミーティング, メンションとかの確認
– 10:00~12:00 開発
– 12:00~13:00 お昼
– 13:00~18:00 開発
– 18:00~19:00 上長と 1 on 1(週1)
– 19:00~20:00 晩御飯食べたり
– 20:00~21:00 退勤
– 21:00~家でスプラトゥーン2したり、個人プロジェクト進めたり
– 25:00 就寝
大体の1日の流れはこの通りですが、曜日によっても働き方は違います。
例えば木曜日は「もくもく木曜日」と言って、黙々と開発をするんです。だから、皆心なしか木曜日は口数が少なく、水曜日は「すいすい水曜日」なので皆すいすいと帰ります(笑)
――ご自身のキャリアプランを検討する際には、どういった点を重視していますか?
僕は「自分が楽しく働けるなら、それで良いじゃん!」というタイプなので、常に楽しんで働いていられるように、スキルはしっかりと磨いていこうと考えています。
――エンジニアへの転身を決めた際、「自分は本当にエンジニアに向いているのだろうか」といった不安はありませんでしたか?
いまでも「自分が本当にエンジニアに向いているのか」は、分からないです。何だかんだでプログラミングが楽しいから、今日まで続けられているのだとは思います。
とはいえ確かに「エンジニアに全く向いていない人」も、中にはいるかもしれません。自分の力で情報を調べ、行動することが出来ない人は、おそらくエンジニアには向いていません。
手取り足取り教えてもらわないと、行動ができない人はエンジニアとして活躍することは難しいかもしれないです。
――エンジニアとして働く中で、挫折やスランプを感じた経験はありますか?
週に1回は感じてます(笑)。
自分がつまづいたり、泥臭く解決した問題に対して、他のエンジニアからよりスマートな解決策を提示されると「ああ~~~~~なるほど!」と思う一方、その解決策を思いつけなかった自分に対して、悲しくなります。
でもそれは優秀なエンジニアと働けて、成長できる環境という意味なのでそこは嬉しいです。
――エンジニアはフリーランスや、リモートワークといった働き方も可能な業種です。ウォンテッドリーに就職し、オフィスで仕事をすることで得られているメリットとはどのようなものだと思いますか?
リモートワークで開発をした経験もありますが、リモートという働き方は僕にはあまり肌に合わなかったです。
何か1つ物事を決めるにも、リモートワークだとビデオ通話を立ち上げたり、Slackでやり取りをしなくてはいけないですよね。対面で話をせず、テキスト上でコミュニケーションをしていると、ニュアンスや言葉に込めた意図が伝わらないのではないかと不安にもなります。
遠隔で働くよりは、オフィスに行き、たまに雑談なども交えながら働く方が僕には合っているみたいです。開発中に躓いた点や、アドバイスが欲しい点があればとりあえず隣の人に意見を聞くことが出来るというのも、純粋にありがたい。
こういった点は、リモートワークには無いオフィスで働く魅力だと思います。
ウォンテッドリーの、エンジニア向けの福利厚生として挙げられるのは「本」ですね。オフィスには大きな本棚があり、会社のお金で本を買ってもいいことになっています。
ただ、本を買うにあたっては、買った本を私物のように持っているのはNGで、感想を皆に共有したうえで、会社の本棚にストックするという条件はあります。
またAndroid技術の共有を行う「DroidKaigi」をはじめとする、エンジニア向けのカンファレンスがある際には平日でも出席・登壇などして良いことになっています。
あと、社内には独身の若い男性が多いので、きちんとバランスの取れた食事ができるように冬場は週に一回程度、鍋をするという福利厚生もありますね。
――これから新たに学んでみたい言語や技術、分野はありますか?
まずはサイドプロジェクトで進めている、Go言語によるサーバーサイドの開発スキルをしっかりと身につけたいです。
そちらが落ち着いたら、VRかARを勉強したいと思っています。
――さて最後の質問です。これからプログラミングを学ぼうと考えている、20代・30代の方に向けてアドバイスをお願いします。
プログラミングへの意欲が湧いてこない日には、「やる気が無い」振る舞いをしても良いと思っています。
無理してプログラミングをするのではなく、ダルい日には休んだり、一息入れるようにすると、息が長いエンジニアになれるという持論です。無理を重ねることで潰れてしまうことは避けてください。
エンジニアは考える仕事なので、どうしても近視眼的になり、プログラミング以外のことが目に入らなくなりがちです。
例えば、僕は「スプラトゥーン2」が好きなので、朝起きたら「スプラトゥーン2」をやり、夜寝る前には「スプラトゥーン2」をしています(笑)
そういう息抜きが結構大事だと思います。どうか視野を狭めずに適度に息抜きをしながら、プログラミングを楽しんでください。
――坂口さん、ありがとうございました!
※2017年8月23日時点での取材インタビューです。
※こちらの記事は、『TECH::NOTE』コンテンツから転載をしております。
>>元記事はこちら
TECH::NOTE
未経験から最先端のテクノロジー人材へTECH::CAMP(テックキャンプ)、10週間でエンジニア転職実現までサポートを行うTECH::EXPERT(テックエキスパート)、これらのサービスを運営する株式会社divのオウンドメディアです。
NEW!
NEW!
NEW!
タグ