キャリア Vol.1053

キャリアに迷うエンジニアたちへ。こんな時こそ、企業の「思い」や「事業の力」を見極めよ【連載:藤倉成太】

“世界を変える”CTO・藤倉成太の 「エンジニア力」向上プロジェクト!

新しい言語やシステム、技術などが次々と生まれる現代において、エンジニアのキャリア形成も多様化し、誰しもが自身のこれからについて悩みを抱えているのではないでしょうか。この連載では、法人向けクラウド名刺管理サービス『Sansan』や名刺アプリ『Eight』を開発・運営するSansanのCTO・藤倉成太氏が、自身の経験から得た、仕事・キャリアをアップデートするための秘訣をお伝えしていきます。

プロフィール画像
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Sansan株式会社 CTO 藤倉成太さん(@sigemoto)株式会社オージス総研に入社し、ミドルウエア製品の導入コンサルティング業務に従事。赴任先の米国・シリコンバレーで現地ベンチャー企業との共同開発事業に携わる。帰国後は開発ツールやプロセスの技術開発に従事する傍ら、金沢工業大学大学院(現・KIT虎ノ門大学院)で経営やビジネスを学び、同大学院工学研究科知的創造システム専攻を修了。2009年にSansan株式会社へ入社し、クラウド名刺管理サービス「Sansan」の開発に携わった後、開発部長に就任。16年からはプロダクトマネジャーを兼務。18年、CTOに就任し、全社の技術戦略を指揮する


皆さん、こんにちは。
藤倉です。

この記事を執筆している2020年4月は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、私が住んでいる東京でも外出自粛要請が出る事態となっています。

これまでの数年間はスタートアップへの投資額が年々増加したり、いくつもの大型IPOが実施されたりするなど、市場環境は向上していたところでした。しかし状況は一変し、この先がどうなるのかが不透明な時期に入ったと感じています。

そこで連載の最終回となる今回は、(1)こんな先行きが見えない時代をエンジニアの転職という点からどう見るか (2)これからのキャリアをどのように考えていくべきか の二つについて、私なりの考えを書いてみたいと思います。

(1)先が読めない時代における転職

誰もがこのような事態になることは予測できなかったのではないかと思います。そんな中で、すでに転職の検討や活動を始めていた方も少なくなかったのではないでしょうか。

また、市場環境の変化により、現在働いている職場でも事業状況が変わり、転職を意識するような方がいるかもしれません。

では、このタイミングでの転職は是なのか、否なのか。

私は、改めて市場や企業、各社の事業を観察するには、とても良いタイミングなのではないかと思います。その理由は、こういう時だからこそ、その企業の思いや事業の力があらわになるからです。

市場環境が上向いていて好景気な時、それはそれで非常に素晴らしいことですが、流れの中で意思決定を行うため、企業の思いが見えにくくなります。また、企業の成果は、持っている実力以上のものになることもあります。これらは、企業の見え方も変えてしまいます。

一方、今のような苦しい状況においては、その企業の姿勢や本来の力が試されます。それぞれの企業がミッションに向き合い、より研ぎ澄まされた打ち手を指してきます。

事業が閉じられたり、新しいサービスを立ち上げたりする企業があるでしょう。その行動から、その企業がどんな新しい世界をつくり上げようとしているのかを考えてみてください。

ソフトウェアサービスというのは、とても多くのユーザや企業に対して、たった一つの仕組みで価値を提供することができます。企業が運営する個々のアプリケーションが好きか嫌いかという観点だけではなく、それらアプリケーションを通じて企業が実現したいことが分かりやすいタイミングになると思います。

ただ、企業にとっても、やはり先行きは見通せないものです。このような場面では採用数を調整する局面に入るので、実際に転職するタイミングは別に考える必要があるかもしれません。

(2)世の中の動きとキャリアの考え方

また、エンジニアとしてのこれからのキャリアを考える時に一番大切なのは、自分が何をしたいのかということをしっかりと認識することだと思います。これは、今回のような状況下においても、変わりありません。

むしろ、このような状況に必要以上に振り回されることがないように、自分自身の欲求を見つめ直してみてください。

世の中の動きを完全に無視した方がいいとは思いません。ただ、世の中の動きだけを見ていると、自らのキャリアを全くコントロールできなくなります。

連載の第3回でも書きましたが、私は基本的にキャリアは結果として付いてくるものだと思っています。だからと言って、自らの意思が全く反映されないものではないはずです。

こういう状況だから安定的な経営を実践している企業に行こうとか、今は勢いがあるからスタートアップに行こうというような判断を重ねるよりは、自分自身が本当につくり上げたい価値をつくれる意思決定をしてください。

その経験を通して得るものこそが、エンジニアの力になるのです。

最後に

この連載では、主にエンジニアとしての働き方や考え方について、私なりの考えを書いてきました。

キャリアについて、求めるものは人それぞれ違います。それでもお伝えしたかったのは、自分の働き方は自分の意思で決めてほしいということです。

職場には期待と異なることがあるかもしれません。しかしそれは、ある視点から見れば正しいものです。

自分に足りない視点を身に付ければ、新たな気付きによってその状況に対する不満がなくなることもあります。もし何かを変えるべきだと思えば、自分の力で変えてください。

転職の意思決定を正しかったかどうかと振り返るのではなく、その判断を正しいものにする行動をしてほしいと思います。

折しも、連載を進めて行く中で、激動の時代に入ってしまいました。SansanのCTOとして今思うことは、社会が停滞しがちな時だからこそ、目の前のやるべきことに取り組んでほしいということです。

我々エンジニアはモノをつくことができます。世の中を前進させることができるのです。

主体性を持ち、必死に考え抜いて開発したプロジェクトを、数年後にはとても意義深いものだったと振り返れるようになることを願っています。

みんなで一緒に乗り越えましょう。

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