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新型コロナが中国5G発展の起爆剤に、相次ぐ5Gスマホ発表

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    新型コロナが中国5G発展の起爆剤に

    2019年は中国の5G元年と呼ばれ、5G技術を活用した自動車や家電、スマホがテクノロジー展示会の注目の的となった。

    中国政府は5G商用ライセンスを発行し、5Gのインフラ建設に力を入れている。

    しかし、中国の広い国土において基地局建設は大きな工程であり、一部エリアで実用化を開始したものの、5Gネットワークの普及にはまだまだ時間が必要なようだ。

    世界中が5G関連の建設を進め、いずれ5Gが4Gと同様、日常生活において一般化され普及する日が来るのは必然だろう。

    それを後押しするかのように、新型コロナはテレワークやオンライン診療など、ネット関連サービスを急速に発展させるきっかけとなり、5G技術の実用化を一気に加速させた。

    ※こちらの記事は、『チャイトピ!』コンテンツから一部抜粋して転載をしております。
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    中国の病院が5Gネットワークを活用

    5Gの「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」の特徴は新型コロナウイルス流行に対して大きく貢献。

    中国の通信キャリアらがファーウェイやZTE(中興)と協力し、武漢の仮設病院において5Gネットワークカバーを実現させた。

    医療従事者にハイビジョンのビデオ通話でのコミュニケーションを実現させ、中国国営テレビは仮設病院の建設工事を5Gネットワークを通してライブ配信し、数千万人もの国民が視聴した。

    また、遠隔診療が新型コロナウイルス流行中に活用され、北京や上海の医師らはオンラインで集まり、患者のCT写真などを研究し診療を実施。

    中国電信が開発した遠隔診療プラットフォームには全国から3600あまりもの医療機構が登録し、58万人の診療を行った。

    他にも、5Gを活用した医療用ロボットがコンサル、体温検査、消毒、薬物配送などの業務を行い、2次感染のリスク回避に成功している。

    コロナで大打撃を受けつつも、2月に5G対応機種を11台も発表したスマホ市場

    中国政府が去年5G商用ライセンスを発行して以降、ファーウェイやシャオミなどの中国系スマホメーカーは5G市場で先手をとるため、5G対応モデルの開発を積極的に行ってきた。

    今年2月に公開された16台の新機種スマホの中で、5G対応機種は11台もあり、前年比68%増加。新機種の中で5Gスマホが初めて4Gスマホの台数を超えた。

    2019年中国5Gスマホ市場シェア

    2019年中国5Gスマホ市場シェア(出典:IDC)

    シャオミは2月13日、初めてオンラインでの新作発表会を行い5G対応の最新機種を公開した。さらに会長の雷軍は年内に5Gスマホ10機種を開発するという計画を発表。

    vivoも5Gスマホの開発に注力し、2019年は3機種、2020年に入ってさらに3機種を公開した。

    中国スマホ出荷数

    中国スマホ出荷数(出典:中国情報通信研究院)

    新型コロナウイルスで中国スマホ市場も大きなダメージを受けた。中国情報通信研究院が公開したデータによると、2020年2月中国のスマホ出荷数は638万台で前年比56%減となっている。

    しかしその状況下、2月の5Gスマホの出荷数は238万台と、全体の37%を占めた。

    2019年4月と比べると割合が26%も拡大。5G対応機種が低迷しているスマホ市場の転機になるのではと期待が寄せられている。

    2019年から5G対応スマホの発表が相次いでいるが、周囲には実際に5Gスマホを使う人はほとんど見かけられない。

    価格の高額さが要因の一つだ。

    2020年に入り、中国のメーカーらが相次いで値下げを行い、機種によっては普及価格帯に入ったものもある。vivoは今年第2四半期に2500元の機種をだす計画を発表した。

    米調査会社「Strategy Analytics」は2020年の5G対応スマホの世界販売台数が2億台を超え、その半分を中国市場が貢献すると見込んでいる。

    景気の底上げを狙い、中国政府が5Gインフラ整備を加速

    新型コロナで中国経済が大きな打撃を受け、1~2月の工業生産が13.5%減少となり、社会消費の小売総額が20.5%減少となった。

    景気の底上げとして、中国政府は通信キャリアに5Gインフラの建設加速を指示し、5G建設による投資拡大と産業発展を狙っている。

    中国移動(チャイナモバイル)は今年5G関連への1千億元(約1兆5千億円)投資を発表した。前期実績の約4倍にも上る。

    2019年が中国5G元年というのなら、2020年は5Gの普及年になるだろう。新型コロナウイルスという誰もが予想もしていなかった災害に見舞われているものの、このウイルスの流行が中国の5G発展の起爆剤となることは間違いないだろう。

    ※こちらの記事は、『チャイトピ!』コンテンツから一部抜粋して転載をしております。
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