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「セキュリティー対策の仕事ばかりでつまらない」というSEの悩み。澤円・えふしん・藤倉成太がモチベーションアップのコツを教えます!

働き方

    SIerでSEとして自動車業界の案件を担当しているmaruさんは、現在携わっているセキュリティー対策の案件に面白さを感じていないとのこと。

    仕事へのモチベーションがどんどん下がってしまっている現状をどうにかしたいという思いで、今回お悩みを寄せてくれました。

    澤円さん、藤川真一(えふしん)さん、藤倉成太さんが贈るアドバイスとは?

    エンジニアtype 公式メンターズ

    エンジニアtype 公式メンターズ

    圓窓 代表取締役 澤 円さん
    日本マイクロソフトの業務執行役員の経験を経て、現在でも複数のベンチャー企業で顧問を務める。キャリアのスタートはCOBOLプログラマー。「プレゼンの神」の異名を持つ

    BASE 取締役EVP of Development 藤川真一さん
    『モバツイ』開発者。想創社の創業者。BASEでCTOを経て現職。今は組織マネジメントに専念している。通称えふしん

    Sansan株式会社 CTO 藤倉成太さん
    ミドルウエア製品の導入コンサルティングや米国・シリコンバレーで現地ベンチャー企業との共同開発などを経験後、SansanのCTOに就任

    maruさんの質問:セキュリティー対策の仕事に面白みを感じられません

    maruさん(29歳/男性)

    SIerでSEとして主に自動車業界の案件を担当しています。セキュリティー対策に時間がかかり、業務内容もひたすらコード内のセキュアコーディングされてない箇所を直すといったものが多く面白くないと感じています。何か仕事を面白くするコツはないでしょうか?

    <編集部からのコメント>

    確かに、面白い・面白くないという視点で仕事を仕分けたときに、「面白くない」仕事の方が多いとちょっと辛いですよね。

    maruさんにとって「コード内のセキュアコーディングされてない箇所をひたすらつぶしていく」業務は、楽しみを感じられない作業のようです。

    今の職場を辞めるほどではないにしても、仕事へのモチベーションが湧かない状態は、多くのエンジニアが一度は経験していると思います。では、こんな状況を打破するにはどうしたらいいのでしょうか? 三人の回答を見てみましょう!

    澤さんの回答:経験・知識をアウトプットしてコンテンツ化してみてください

    澤さん

    セキュアコーディングされていない部分が「なんで危ないのか」を言語化できるようになれば、周りからの信頼度が格段にアップしますし、なによりかっこいいエンジニアになれますよ!

    サイバー犯罪対応部隊の末端にいた身として、セキュリティーの世界を楽しまない手はないと思います!

    セキュアコーディングされていない部分が「なんで危ないのか」を言語化してコンテンツ化してみてはいかがでしょうか。

    「こういう観点でコードを書くと、プログラムはセキュアになる」とか「このような書き方をすると、見事に脆弱性が盛り込まれる」とか、知りたい人は多いと思います。また、世界で発生しているコードに起因するセキュリティーインシデントを紹介するのもいいですね。

    あるいは、「なぜアンセキュアなコードが量産されてしまうのか」というプロセスを言語化すれば、よりセキュリティーレベルの高いコーディングができる開発者を増やすこともできそうですよね。

    アンセキュアなコードをつぶす経験をしているエンジニアとしての体験を、アウトプットできるコンテンツにすれば、ご自身のキャリアアップの武器にもなります。

    「私はセキュリティーの専門家です」と漠然と自己紹介するよりも「セキュリティーインシデントの原因をコードのレベルから説明できるエンジニアです」と語った方が、信頼度がアップしますし、なによりもかっこいいですよね!

    セキュリティーインシデントが発生する全体構造を理解しつつ、それを言語化できるエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。

    そのためには、まず「サイバーセキュリティー」の全体像を語れるようになるための準備を始めてみるのがいいかもしれませんね。

    えふしんさんの回答:解決したい問題点を明確にし、改善提案を上司に相談してみましょう

    えふしんさん

    「転職する」以外で解決する方法は「いかに今の環境を改善して面白くしていくか」しかないでしょう。現状のままではアンセキュアなコードが量産され続けるだけです。根本解決を目指してみてください。

    「面白くない」を「面白い」に変えるのは確かに悩みますね。

    「面白くない」は転職のトリガーだと思いますので、身も蓋もない話をすれば転職でどうですか? という話になりますが、そこは一旦置いておくと「いかに今の環境を改善して面白くしていくか」しかないと思います。

    そもそも、セキュアコーディングされていないコードが量産されていることが問題なのではないでしょうか?

    そして、maruさんがその場所を直している限り永遠にアンセキュアなコードが量産され続けてしまうはずで、この2点を解決しない限りいつまで経っても面白くない仕事を続けることになってしまいます。

    まず、これの根本解決を目指してみてください。スキル教育でどうにかなるならやるべきですし、組織構造で解決するなら新しい部署をつくるとか組織を改造するという話になると思います。そこで大切なのは、解決したい問題点を明確にし、改善提案を上司に相談することです。

    単純に問題解決を上司にお願いするというのでもいいですが、「どうやったら解決できるか」という現実的な案を提案できると更に良いです。

    問題解決はいきなり全ての解決を目指すのではなく、段階を追って解決できるような案が提案できるといいかもしれません。

    藤倉さんの回答:セキュアコーディングの第一人者としてみんなのレベルを引き上げてみては?

    藤倉さん

    面白くない仕事をなくすか、面白くなるように仕組みを変えていきましょう。例えば、システムのセキュリティーレベルを維持・担保するためのチームの立ち上げをすることも一つの手です。maruさんにとっても非常に面白い経験になると思います。

    maruさんが今の職場に満足感ややりがいを持てていればいいなと思います。自動車業界のお客さまに対して、しっかりとしたセキュリティーレベルのシステムを納品し、信頼を獲得できているならば、担当されていることの意義は非常に大きなものです。

    その上で、会社にとっても価値があり、ご自身としても面白くない仕事をなくすか、面白くなるように仕組みを変えていくことを提案します。

    具体的には、コードを書いてくれているエンジニアのスキルレベルの向上が必要かもしれません。これまでご自身で見てきた課題を整理し、社内教育におけるセキュアコーディングの第一人者としてみんなのレベルを引き上げてみてはいかがでしょうか。

    もしくは、これまで担当されていたことを組織化して、システムのセキュリティーレベルを維持・担保するためのチームの立ち上げをするのもいいと思います。組織を立ち上げることは簡単ではないかもしれませんが、それがお客さまのためになり、ひいては自社の競争力につながるのであれば、無理なことではないと思います。

    組織の立ち上げをリードしていくことや、立ち上げ後も組織の拡大や社内での影響力を上げていくことは、非常に面白い経験になると思います。


    『エンジニアWebメンタリング』では、読者の皆さまからの悩みを随時募集中!

    澤円さん、えふしんさん、藤倉成太さんなど、エンジニアtype公式メンターズに相談したい内容を、下記のフォームからご記入ください。

    相談・質問はこちらから!

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    株式会社圓窓 代表取締役
    澤 円さん(@madoka510)

    立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。琉球大学客員教授。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。
    著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界№1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『あたりまえを疑え。―自己実現できる働き方のヒントー』(セブン&アイ出版)※11月末発売予定
    Voicyアカウント:澤円の深夜の福音ラジオ メルマガ:澤円の「自分バージョンアップ術」 オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム

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    BASE株式会社 取締役EVP of Development
    藤川真一(えふしん)さん(@fshin2000

    FA装置メーカー、Web制作のベンチャーを経て、2006年にGMOペパボへ。ショッピングモールサービスのプロデューサーのかたわら、07年からモバイル端末向けのTwitterウェブサービス型クライアント『モバツイ』の開発・運営を個人で開始。10年、想創社を設立し、12年4月まで代表取締役社長を務める。その後、想創社(version2)を設立しiPhoneアプリ『ShopCard.me』を開発。14年8月BASE株式会社のCTOに就任。19年7月から現職

    プロフィール画像

    Sansan株式会社 CTO
    藤倉成太さん(@sigemoto)

    株式会社オージス総研に入社し、ミドルウエア製品の導入コンサルティング業務に従事。赴任先の米国・シリコンバレーで現地ベンチャー企業との共同開発事業に携わる。帰国後は開発ツールやプロセスの技術開発に従事する傍ら、金沢工業大学大学院(現・KIT虎ノ門大学院)で経営やビジネスを学び、同大学院工学研究科知的創造システム専攻を修了。2009年にSansan株式会社へ入社し、クラウド名刺管理サービス「Sansan」の開発に携わった後、開発部長に就任。16年からはプロダクトマネジャーを兼務。18年、CTOに就任し、全社の技術戦略を指揮する

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