“独り常駐”がSESエンジニアに与える悪影響とは? 「チーム常駐」を貫く企業に聞く【システム・リノベイト】
【PR】 働き方
一人で客先常駐することもある、SESのエンジニア。
客先でよそ者扱いされるばかりか、社内にも知っている人がいない……。孤独を耐えながら働き続けているエンジニアは多いのでは?
「孤独な状況で働き続けるのは、エンジニアのキャリアにとっても良くない」と語るのは、組織力を重視した業務スタイルが特徴の株式会社システム・リノベイトで執行役員を務める三星悟さん。
同社は、エンジニア一人での客先常駐は基本的に行っていない。チームで社員を派遣することで、お互いに助け合える体制を整え、孤独を感じさせないようにしているのだ。
では、システム・リノベイトがエンジニアの孤独対策に全社をあげて取り組む理由は何なのか。自身も過去にSESで客先常駐を経験してきた三星さんに解説してもらった。
孤独なSESは、構造的に責任感を持ちにくい
主に、1人で客先常駐をしているときです。特に困ったことがあってもお客さま(常駐先の社員)以外に聞ける人がいない状況で、孤独を感じるエンジニアは多いと思います。
中には快く助けてくれる親切なお客さまもいますが、困ったときに助けてくれるのが自社の人ではないならば、「自分は何のためにこの会社で働いているのだろう」と悩んでしまっても無理はありません。自社に帰属意識を持てず、その結果、さらに孤独を感じてしまうことにもつながります。
それは、常駐する職場の環境によりますね。SESのエンジニアをコマのように扱うお客さまの場合は、孤独をかなり感じるでしょうし、同じ仲間だと思ってくれるお客さまの場合は、それほど感じないかもしれません。
しかし、運よくお客さまに恵まれたとしても、お客さまとSESのエンジニアの間には「越えられない壁」が存在します。
はい。SESのエンジニアの役割は、あくまでお客さまが本来やるべき作業を代行することであり、完成したシステムに対する責任はありません。
しかも、どんなに客先で活躍したとしても、自社の売り上げに直接は貢献できません。自分の時間単価が上がれば間接的には貢献できるかもしれませんが、成果物に対する達成感は得にくいのです。
仕事に対する責任感を持ちづらくなってしまうと思います。「○時間働けば十分」というように、成果よりも時間単価を重視する考え方になりがちだからです。
これは、SESという事業形態が持つ構造的な問題です。本人のやる気の有無にかかわらず、エンジニアがSESで責任感を身に付けるのは、一般的には難しいと言えるでしょう。
SESでも「チーム制」なら、“責任感”が身に付けられる
チームで働くと自社への帰属意識が芽生え、それが長く働くことにつながるからです。困ったときに自社の先輩が助けてくれれば、その先輩に感謝して、もっと頑張ろうと思いますよね?
基本的に、一人での客先常駐は行いません。数人〜10人のチームで常駐し、新入社員の方は必ず先輩がいる先で働いてもらいます。
社員同士が日々助け合えるフォロー体制をつくるために、当社のチーム制を理解してくれるお客さまを選んでいるのもポイントです。一人常駐を要求された場合は「他のメンバーも行かせてください」と交渉しています。
チームで成果を出す必要があるので、「時間単価でこれだけ働けばいい」という自分中心の考え方から、「チーム全体でやり遂げなくては」というチームを優先した考え方に変わります。
例えば5人で派遣されている場合、新入社員の力が一人分にも満たないなら、他のメンバーが最低でも1.2人分は働き、チーム全体で5人分の仕事を成し遂げます。このような「仕事をやり遂げる責任感」は、チームで働くからこそ得られるものです。
チームで働いた経験のないエンジニアは、年齢が上がると苦労する
「助け合う心」ですね。困っている社員がいれば、進んで手を差し伸べる。そんな当たり前のことを自然にできるマインドが必要です。
「謙虚な姿勢」も重要ですね。いくらチーム一丸になるといっても、何人も集まれば馬が合わない人もいるでしょう。そのときに、相手の短所を見るのではなく、相手の良いところを見つけようとする。そして、「どんな人からも学ばせてもらう」姿勢で接する。こうした態度で人と向き合えるエンジニアには、チームで働く素質があると思います。
面接では、特に人柄を重視します。IT業界には、「人よりも技術に興味がある」タイプの人も多いのですが、そうではなく、ちゃんと人に興味のある人かどうかを確認します。
その上で、チームで働くならば「お互いに助けたいと思える環境であるかどうか」ももちろん重要ですよね。よって、当社ではまず、新たに入社した人材を社員みんなが積極的に助けます。その時に、「自分も会社を助けたい」と思ってくれる人材であれば、当社の社風に合うのではないでしょうか。
私たちは、プロのサッカーチームのような組織を目指しています。攻めたいときには全員が攻めて、守りたいときには全員が守る。誰かが抜かれれば、指示をせずともすぐに他のメンバーがカバーに入る。そういうチームをつくっていきたい人に入ってほしいですね。
今はプログラマーとして働いている人でも、年齢が上がるとSEの役割を求められる機会が増えると思います。しかし、ずっと一人で作業をしてきた人が、急に下の人を動かせるようにはならないはずです。
チームで働けば、後輩の面倒を見る経験ができますし、責任感も身に付きます。人間として成長し、市場から求められる存在へと変化する。チームでお互いに助け合いながら仕事をやり遂げた経験は、その後の人生に大きなプラスをもたらすでしょう。
取材・文/一本麻衣 撮影/野村雄治 編集/河西ことみ(編集部)
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