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現場にいない上司から、正しい仕事の評価を得るには? 澤円・えふしん・藤倉成太が回答

働き方

    今回お悩みを寄せてくれたJさんは、上司との面談の場でうまく自分をアピールできず、仕事に対する正当な評価がもらえないことにモヤモヤしているようです。

    謙遜し過ぎもよくないけれど、チームでやっている仕事を「自分の実績」のように言うのも気が引けるし……。良い塩梅で正しく実績を伝えるのは難しいものですよね。

    適切な評価を得るためには、どうやって「自分の実績」を伝えたらいいでしょうか?

    エンジニアtype 公式メンターズ

    エンジニアtype 公式メンターズ

    圓窓 代表取締役 澤 円さん
    日本マイクロソフトの業務執行役員の経験を経て、現在でも複数のベンチャー企業で顧問を務める。キャリアのスタートはCOBOLプログラマー。「プレゼンの神」の異名を持つ

    BASE 取締役EVP of Development 藤川真一さん
    『モバツイ』開発者。想創社の創業者。BASEでCTOを経て現職。今は組織マネジメントに専念している。通称えふしん

    Sansan株式会社 CTO 藤倉成太さん
    ミドルウエア製品の導入コンサルティングや米国・シリコンバレーで現地ベンチャー企業との共同開発などを経験後、SansanのCTOに就任

    Jさんのお悩み:1カ月に一度しか会えない上司に正当な評価をしてもらえていない

    Jさん/31歳/システム会社 SE

    自分を評価する上司が同じ現場にいないので、正当な評価をしてもらえていないと感じます。1カ月に一度、面談があるのですが、そこでうまく自分の実績をアピールすることができません。

    澤さんの回答:自分が何をもって評価されるのか、「定量的な評価軸」で上司と合意を取ろう

    澤さん

    ご自身が「何をもって評価されるのか」ということを具体的に、定量的に説明できますか? それをもって、上司とあらかじめ話して合意を取っておきましょう。もしも評価軸を会社が用意してくれていないのならば、自分で作ってしまえばいいのです

    評価軸が明確に存在しない職場にいらっしゃるのでしょうか。それはしんどいですよね。

    でも、それは上司や会社側だけの問題ではないと思います。

    Jさん自身、自分が「何をもって評価されるのか」ということを具体的に説明できますか? そして、それを数値化することはできますか?

    もしできるのであれば、それを上司の方とあらかじめ話して、合意を取っておくと良いと思います。そして、その目標に対する到達度合いを確認し合うことができれば、月に一度の面談がシンプルかつフェアになりますよね。

    評価、というのはまず定量的に行われるのが大事です。そうでないと、常に上司の主観による評価が横行することになり、仕事の内容が「いかに上司に媚びるか」という本質的ではないものになりかねません。

    定量的に評価する基盤を持ちつつ、加点は定性的なもので狙いましょう。

    後輩の育成を手伝うとか、外部コミュニティーで活躍するとか。定量&定性の組み合わせができると最強です。

    えふしんさんの回答:上司もどうしてあげたらいいか分からないのかも。まずは現状を報告してみて

    えふしんさん

    過剰に成果をアピールしてもすぐバレてしまいます。かと言って、「特に問題はないです」と言っても上司は部下の活躍を適切に知ることができません。「起きている事実」をまとめて報告してはどうでしょう?

    上司の気持ちになってみてほしいのですが、上司からすると1カ月に一回しか会う機会がないわけです。その時に、自分の部下の活躍を適切に知ることができなければ、裏取りをすることもできません。

    自分の部下が活躍できるような状況をつくったり、励ましたり、考え方を話をして、いい方向に向かわせるのが上司の仕事です。それに必要な判断材料を渡すことができていないので、上司もどうしてあげたらいいか分からないのが現状なのかもしれません。

    過剰に成果をアピールしてもすぐバレてしまうのですが、まずは事実を述べて、仕事の話ができる材料を上司に渡してみてほしいです。その際に淡々と「こういうことが起きていて、自分はこういうことを対処した、難しいことはこれだった」とまとめて共有してみてはいかがでしょうか?

    すべてを丸めてしまって「問題ないです」と言うのでもなく、良いことを言う必要もありません。起きている事実と対処、それに気持ちを淡々と書き連ねていくところからやってみてはいかがでしょうか?

    藤倉さんの回答:「事実ベース」で話せるような成果を出そう

    藤倉さん

    事実ベースで報告できる仕事ができているかどうか、一度仕事の仕方を見直す転換期に差し掛かっているのかもしれません

    アピールというよりも、報告が足りていないのではないかと思います。月に一度の面談では、この1カ月にご自身が何をしたのか、事実をベースに伝えてみるようにしてみてください。

    この「事実をベースに自身の活動報告をする」ということは、やってみると意外と難しいかもしれません。普段のお仕事では、降ってきた業務を粛々とこなすようになってしまってはいないでしょうか。

    もしこのような仕事の進め方をしてしまっていると、「依頼された業務をきちんとやりました」としか表現ができず、報告が十分にはできなくなります。つまり、成果を十分にアピールできないということです。

    そうではなく、自ら考えて率先して動くことが重要です。そのように仕事をして、考えたことを言語化していれば、どういう場面で何を課題として認識したのか、それに対してどのくらいの解決策を挙げたか、何を根拠に意思決定をしたのかという報告ができるようになります。

    社会人としての経験年数が増えてくると、ただ目の前のタスクに対応するだけでは、成果として評価されることはなくなってきます。自ら仕事を作り、進めていかなければなりません。まさに今、その転換期に差し掛かっているのかもしれませんね。


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    株式会社圓窓 代表取締役
    澤 円さん(@madoka510)

    立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。琉球大学客員教授。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。
    著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界№1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『あたりまえを疑え。―自己実現できる働き方のヒントー』(セブン&アイ出版)※11月末発売予定
    Voicyアカウント:澤円の深夜の福音ラジオ メルマガ:澤円の「自分バージョンアップ術」 オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム

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    BASE株式会社 取締役EVP of Development
    藤川真一(えふしん)さん(@fshin2000

    FA装置メーカー、Web制作のベンチャーを経て、2006年にGMOペパボへ。ショッピングモールサービスのプロデューサーのかたわら、07年からモバイル端末向けのTwitterウェブサービス型クライアント『モバツイ』の開発・運営を個人で開始。10年、想創社を設立し、12年4月まで代表取締役社長を務める。その後、想創社(version2)を設立しiPhoneアプリ『ShopCard.me』を開発。14年8月BASE株式会社のCTOに就任。19年7月から現職

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    Sansan株式会社 CTO
    藤倉成太さん(@sigemoto)

    株式会社オージス総研に入社し、ミドルウエア製品の導入コンサルティング業務に従事。赴任先の米国・シリコンバレーで現地ベンチャー企業との共同開発事業に携わる。帰国後は開発ツールやプロセスの技術開発に従事する傍ら、金沢工業大学大学院(現・KIT虎ノ門大学院)で経営やビジネスを学び、同大学院工学研究科知的創造システム専攻を修了。2009年にSansan株式会社へ入社し、クラウド名刺管理サービス「Sansan」の開発に携わった後、開発部長に就任。16年からはプロダクトマネジャーを兼務。18年、CTOに就任し、全社の技術戦略を指揮する

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