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バックエンドエンジニアとは? フロントエンドとの違いや必要な言語、将来性と合わせて解説
サーバーサイドやデータベースの処理など、ユーザーの目に触れることのないバックエンド部分のシステムを担うバックエンドエンジニア。システムの根幹を支えるバックエンドエンジニアは、プロジェクトの立ち上げからリリース後の運用まで幅広く関わる重要なポジションですが、中には「バックエンドエンジニアの将来は明るくない」といった声も……。
そこで本記事では、バックエンドエンジニアの仕事内容や、どんなキャリアパスがあって、将来性はどうなのか……など、幅広く解説します。バックエンドエンジニアに興味がある人はもちろん、今後のキャリアの選択肢に迷っているエンジニアもぜひ参考にしてみてください。
バックエンドエンジニアとは?
バックエンドエンジニアはシステム構築に関わる全ての領域を担当するため、サービスを支える上で重要な役割を担っていることは間違いありません。企業によってはバックエンドエンジニアがサービスの運用や管理を担うこともあるようです。
またバックエンドエンジニアは、サーバーサイドエンジニアやインフラエンジニアと同じ意味で使われることもあるため、「バックエンドエンジニアの仕事内容はどこからどこまでなの?」と感じる人も多いと思います。
まずは一般的なバックエンドエンジニアの仕事内容や必要なスキル、給料、やりがいなどについて学び、バックエンドエンジニアのイメージを明確化させていきましょう。
バックエンドエンジニアの仕事内容
バックエンドエンジニアの仕事内容は大きく分けると【1】サーバーの構築、【2】データベースの構築、【3】システムの運用・開発、の三つに分類できます。それぞれの具体的な内容と、必要な知識・スキルについてみていきましょう。
具体的にはハードウエアの選定や導入、サーバーソフトウエアのインストール、要件定義、設計、構築を指します。バックエンドエンジニアの業務範囲は広いため、この部分を切り離してサーバーサイドエンジニアやインフラエンジニアと呼ばれる人が担当することもありますが、バックエンドエンジニアが一貫して担当することもあります。
<必要な知識・スキル>
・Webサーバーに関する知識
・ミドルウエアやOSのアップデートに関する知識
・ネットワーク環境の構築スキル など
必要なデータをスムーズに出入力できるように、アクセシビリティーの高いデータベース構築ができるかどうかはバックエンドエンジニアの市場価値を左右する大きな要素です。また、不正なアクセスを防止するためのセキュリティーレベルの向上についても担当することがあります。
<必要な知識・スキル>
・Oracle、MySQL、MSSQLなどの代表的なデータベースソフトに関する知識
・データウェアハウスやデータマート、データマイニングなど、データの利活用方法に関する知識
・データベースへの攻撃やセキュアコーディングに関する知識 など
システム要件に合ったプログラミング言語を使ってシステム開発を行います。また、構築したサーバーやプログラムなどが安定的に稼働するようにバグを修正したり、仕様の追加・変更をしたりするなど、システムリリース後の保守・運用業務を担当する場合もあります。
<必要な知識・スキル>
・PHP、Python、Java、Ruby、GO、JavaScriptなどのサーバーサイドのプログラム言語の知識
・Ruby on Rails、Djangoなどのフレームワークに関する知識
・監視・障害対応などの運用に関する知識 など
バックエンドエンジニアの給料
バックエンドエンジニアの平均年収は約400万円~800万円です。
日本人の平均年収約440万円と比較すると高めといえるでしょう。また、ITエンジニアの平均年収約500万円と比較しても高いといえます。
先ほども述べたように、バックエンドエンジニアの業務領域はプログラミングやデータベースの構築、サーバーサイドに至るまで多岐にわたります。さらに全体的なIT人口に対してバックエンドエンジニアの数は比較的少ないため、キャリアを重ねて知識や経験が豊富になるほど重宝されやすく、収入アップにつながりやすいのが特徴です。キャリアを積んでフリーランスとして活躍する人も多くいます。
バックエンドエンジニアのやりがいって?
バックエンドエンジニアはプロジェクトの立ち上げからリリース後の運用まで幅広く関わることが多いため、プロジェクトを完遂した時は大きなやりがいを実感できるはずです。クライアントだけでなく、業務範囲を超えてさまざまなエンジニアや関係者とコミュニケーションを取る機会も多いため、チーププレーが好きな人にとってもやりがいのある職種といえるでしょう。
バックエンドエンジニアと他職種はどう違う?
先ほども述べたように、バックエンドエンジニアの業務範囲は多岐にわたるため、他の職種と混同されることが多くあります。今回は特にバックエンドエンジニアとの仕事内容の違いが分かりづらいサーバーサイドエンジニアとフロントエンドエンジニアについて解説します。
職種ごとの業務の違いを知りたい人はもちろん、「どの職種を選べばいいか分からない」という人もぜひ参考にしてみてください。
バックエンドエンジニアは、サーバーサイドエンジニア、フロントエンジニアとどう違う?
バックエンドエンジニアと似ている職種の一つがサーバーサイドエンジニアです。
サーバーサイドエンジニアとバックエンドエンジニアの間には明確な境界線がないため、仕事内容としてはほとんど変わりませんが、バックエンドエンジニアはWebサービスを扱う企業でフロントエンドと対比するかたちで使用されることが多いようです。一方でサーバーサイドエンジニアは基幹系企業でよく見られる職種といわれています。
ユーザーの目に見えない部分を担うバックエンドエンジニアに対し、デザイン面やUI・UXなどユーザーが直接見ることができる部分を担うのがフロントエンドエンジニアです。フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアは全く逆の領域を担うように見えますが、フロントエンドとバックエンドは密接に関わり合っているため、お互いの領域について包括的な知識を持っていることが求められます。
上記、職種に迷ったらどれを選ぶのがいい?
バックエンドエンジニアもフロントエンドエンジニアも高い将来性が期待できるため、これからIT業界に飛び込もうと思っている人や、キャリアアップを目指す人にもぜひおすすめしたい職種です。どちらの職種にしようか迷ってしまう場合、それぞれの職種の特徴を理解して自分に合っている方を選ぶといいでしょう。
フロントエンジニアは自分の手掛けた領域にユーザーとして触れることもできるため、仕事の成果を実感しやすくモチベーションを保ちやすいのが特徴です。一方でバックエンドエンジニアは縁の下の力持ちといえるポジション。さらにバックエンドエンジニアは、専門スキルや経験を身に付けるほど収入につながりやすく、需要に対して人材が少ない傾向があるため、より安定した職種といえるでしょう。
もしサーバーサイドエンジニアとバックエンドエンジニアで迷っている場合は、自分がどんなサービスを扱いたいかによって選ぶのがおすすめです。先ほども述べたように、バックエンドエンジニアはWeb系のサービスを提供する企業に多く、サーバーサイドエンジニアは基幹系(汎用系)のシステムを扱う企業に多いのが特徴です。就職や転職をする際は求人広告の仕事内容や会社概要などをよく読み、自分の志向性やスキルに合った職種を選びましょう。
バックエンドエンジニアに将来性はないの?
ここまでバックエンドエンジニアの特徴や需要の高さを解説してきましたが、一部では「バックエンドエンジニアの将来性は低い」という意見を持っている人や「バックエンドエンジニア不要論」を掲げる人もいるようです。今回は、そもそもなぜこのような意見が出てきたのか、本当にバックエンドエンジニアの将来性は低いのか、キャリアアップのために必要なことなどを解説していきます。
バックエンドエンジニアに将来性がないって本当?
「バックエンドエンジニアの将来性が低い」といわれる原因の一つがクラウドコンピューティングや開発プラットフォームの存在です。特にAWSやFirebase、Dockerなどの登場により、これまで膨大な人件費やコストが割かれていたバックエンド部分の開発が比較的手軽にできるようになり「いずれバックエンドは自動化され、バックエンドエンジニアの需要は減っていくのでは……」という考えが生まれたようです。
たしかにクラウドやアプリで自動化できる部分、つまり「仕様書どおりにシステムを構築すること」に関しては今後需要が減っていくかもしれません。
しかし先ほども述べたように、バックエンドエンジニアはシステム構築に関わるすべての領域を手掛けるため、その一部が自動化されたからといってバックエンドエンジニアが不要になることはありません。
さらに、クラウドコンピューティングが主流でなかった時代に生まれたサービスはすぐにはなくならないため、その保守業務は今後も続きますし、今なお新しいサービスは生まれ続けています。この世にWebサービスがある限り、バックエンドエンジニアの需要がなくなることは考えづらいのです。
一方でIT業界の中でも特に技術の移り変わりが早いWeb分野でキャリアを築いていくなら、クラウドコンピューティングをはじめ常に新しい技術を積極的に取り入れ、アップデートしていくことが求められるでしょう。どの業界・分野にも言えることですが、常に付加価値を提供できる人材でいることが大切です。
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どんなキャリアパスがあるか?
バックエンドエンジニアとしてのキャリアを積み、技術の高さはもちろんプロジェクト管理やチームを統率するマネジメントスキルを身に付けることで、リーダーやマネージャーとしてキャリアアップすることができます。
フルスタックエンジニアは、バックエンドに加えてインフラやフロントエンドの知識・スキルを兼ねそろえたオールラウンダーのことを指します。サーバーサイド以外にHTMLやCSSなど幅広い知識と経験を持つため、サービスの設計から開発・運用まで網羅できます。スタートアップやベンチャー企業などで需要が高く、スキルによっては大幅に収入アップすることも可能です。
バックエンドエンジニアはシステムの構築や保守だけでなく、クライアントの要望やニーズを把握し、要件定義していくことも含まれます。このシステム開発の全体像を捉える力はITコンサルタントにも共通して必要なスキルですので、キャリアチェンジすることも十分可能です。
セキュリティーエンジニアはシステムの設計や構築のほか、脆弱性の調査や改善を担当し、サイバー攻撃を未然に防ぐ職種です。
先ほどバックエンドエンジニアはデータベース構築をする中で、セキュリティーレベルの向上についても担当することを説明しましたが、このスキルを磨くことでセキュリティーエンジニアとしてキャリアチェンジすることもできます。
セキュリティーエンジニアはクライアントと折衝する場面がとても多いため、技術面だけでなくコミュニケーションスキルを磨くことも必要です。
バックエンドエンジニアのキャリアアップに役立つ記事
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キャリアアップするためには、どんな勉強が必要か?
バックエンドエンジニアは担当領域が広いため、最初は小規模なプロジェクトの一部を担当しながら経験を積み、少しずつ知識や技術を習得していくことが多いようです。そのため、実は他の職種にキャリアチェンジするよりも、バックエンドエンジニアとしてキャリアを積んでいくことの方が多いという特徴があります。
それでは、バックエンドエンジニアとして市場価値を高めていくために、どのようなスキルや資格を習得しておくといいのかを一つずつみていきましょう。
バックエンドとフロントエンドが手掛けるのは全く逆の領域ですが、フロントエンドとバックエンドは互いに連携し合って一つのサービスが出来上がっています。
フロントエンドの知識があれば「フロントエンドでこれを実現したいなら、バックエンドで必要なのは……」といった視点を持ってシステム開発ができるため、バックエンドエンジニアとしてさらに上のキャリアを目指せます。
具体的には、まずHTMLやCSS、PHPやJavaといったフロントエンド言語を学ぶのがいいでしょう。フロントエンド分野も担当領域がとても広いため、UI・UXやSEO、マーケティングなど幅広い知識が必要です。フロントエンドの知識を身に付けることでフルスタックエンジニア(マルチエンジニア)にキャリアアップすることも可能です。
バックエンドエンジニアになるための資格はありませんが、持っているスキルや知識を視覚化したいなら資格取得をするのも手段の一つです。バックエンドエンジニアの技術力を証明するのに役立つ代表的な資格をご紹介します。
・PHP技術者認定試験(難易度:★~★★★)
PHPの知識やスキル量を計る試験です。初級試験と上級試験(準上級試験)があり、初級は学生または社会人1~2年目を想定された問題が出題されます。上級試験の合格点次第で準上級・上級・認定ウィザードに分類され、認定ウィザードは通常の試験に加えて論文の提出も求められます。PHPはバックエンドエンジニアに関係なくさまざまな分野で活かせる知識ですので、まず初級をとっておくのもいいかもしれません。
・Oracle認定Javaプログラマ(Oracle Certified Java Programmer)(難易度:★~★★★★)
Oracle社主催のJavaの技術量や知識を計る試験です。試験の内容はJavaのバージョンが変わるごとに改定されるため、一度取得してもアップデートしていくことが必要です。Bronze、Silver、Goldの三つのレベルがあり、Bronzeは現役プログラマーではなくJava初心者向けの難易度となっているので、これからJavaの勉強を始めたい方におすすめの資格といえます。
・Linux技術者認定試験(LPIC)(難易度:★~★★★★)
Linux技術者としての知識や技術力を認定する試験です。レベル1~3があり、レベル1は勉強さえすれば新卒や未経験者でも取得可能なレベルです。レベル2、3は実務経験者向けの内容となっており、特にレベル3の難易度はレベル2と比較するとかなり高いため、高度な技術力の証明になります。
まとめ
バックエンドエンジニアはユーザーの目に触れることのない部分を担うため、一見実態を把握しづらい職種ですが、実はサーバー構築から運用・保守と幅広い知識やスキルが求められる重要な職種です。だからこそ、代替することのできない安定感のあるポジションといえるでしょう。
ただし、進歩し続ける技術に置いていかれないように、新しい情報をキャッチアップし続けることは必要不可欠。マルチな技術力を身に付け、常に一つ上のバックエンドエンジニアを目指せるといいですね。
文/赤池沙希
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