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引き合いの絶えないエンジニアが持っている「ITビジネスパーソン力」って何だ? 技術力しかない人が陥るキャリアの落とし穴

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テクノロジーの進化とともに、エンジニアに求められる能力も多様化している。そんな中、次々に台頭する新たな技術を学ぶことに追われている人も多いだろう。

しかし、「エンジニアが長く働き続けていくために必要なのは、技術力だけではない」と話す人がいる。社内インフラ設計などクライアントのICT活用を最大化する技術者集団、アイティアスリート代表取締役の中村学さんだ。

アイティアスリート

ネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートし、ICT部門の部長職などを経て「エンジニアが幸せに働ける会社をつくりたい」という思いから、アイティアスリートを立ち上げた中村さん。

同社のモットーは、「ITエンジニアではなく、ITビジネスパーソンを育てること」だという。「ITビジネスパーソン」とは一体どんなスキルを持った人なのか、また、なぜそれが幸せに働くことにつながるのか。

中村さんと、同社に中途入社して働くネットワークソリューション事業部部長の佐々木亮輔さんに話を聞いた。

アイティアスリート

代表取締役
中村 学さん(写真左)

1981年生まれ、福岡県出身。高校卒業後、上京。バンド活動の傍ら、ネットワークエンジニアとして経験を積む。2014年、マイクロネットワークテクノロジーズにICTインフラ部門の部長として入社。その後、18年にアイティアスリートを設立

取締役 ネットワークソリューション事業部 部長
佐々木 亮輔さん(写真右)

大学卒業後、「興味のあったネットワーク業界で食っていきたい」と思い直し、大阪府立南大阪高等職業技術専門校へ。CCNAをはじめ、電気工事士やサーバー関連の知識など、幅広い知識と資格を得て、2016年にIT企業へ入社。同社で18年に配属されたプロジェクトチームのリーダーだった中村と出会い、18年のアイティアスリートの立ち上げ時に創業メンバーとしてジョインする

技術の高度化とともに高まる「ITビジネスパーソン」の存在感

ーー貴社では、「ITビジネスパーソン」の育成に注力されているとのこと。「ITビジネスパーソン」とはどんなスキル・マインドセットを備えた人材なのでしょうか?

中村:当社では、技術的な視点だけで仕事を進めるのではなく、何がお客さまのためになるのか、そのためにはどこを改善していけばよいのか、広い視野で仕事を捉えることのできる人のことを「ITビジネスパーソン」と呼んでいます。

一般的に、ある程度仕事ができるようになったエンジニアが次のステージに進もうと思ったら、「さらなる技術スキルの向上」を目指すようになりますよね。

私も若い頃は、「技術力を磨けばエンジニアとしての市場価値は高まる」と思っていましたから。

アイティアスリート

ただ、常駐先の現場でお客さまと仕事を進めていると、「技術力だけが重宝されるポイントではない」ことに気付くと思います。

もちろん技術力はあるに越したことはありません。ですが、その技術を使って何をつくり、どんなふうにお客さまのサービスを伸ばしていくか。

そんな視点から提案できる人が求められるようになってきています。

ですから、誰のために何をするのか、お客さまのビジネスがどう改善するのかという意識、つまり「ITビジネスパーソン力」が欠けていると、いくら技術力を磨いても仕事ができなくなってしまう。それでは幸せに働くこともできませんよね?

ーーエンジニアは今、転職市場でも引く手あまたですが、それでもITビジネスパーソン力がなければキャリアが尻すぼみになってしまう、と。

中村:そう思います。ネットワークエンジニアの仕事を例にあげると、以前なら多数のエンジニアを動員し、膨大な機器を一台ずつ手分けして設定していたような仕事現場でした。

しかし今は自動設定ができるため、一人で100台、1000台、1万台といった機器を一気に設定できてしまいます。

このように技術が進歩した現場では、お客さまが求めるのはエンジニアの数や知識ではありません。

高度な知識をバックボーンに、ネットワークシステムのコンセプトや戦略まで踏み込み、お客さまの5年後の姿を見据えながら拡張性のあるデザインを提案したり、さまざまな要求を的確に整理したりできる人が必要とされてきているのです。

そして、このような能力を持つエンジニアは全然足りていませんから、ITビジネスパーソンの希少価値が高いのです。

「“三遊間に転がっているボール”に気付き、話を切り出せるか」で差がつく

ーーでは、エンジニアがITビジネスパーソン力を磨くには、どんなことを心掛けると良いでしょうか?

中村:「働く」とは「傍(はた)を楽(らく)にする」ことだと言われますが、業務や職場で関わる人がどうすれば楽になるのか、この考えを中心に据えてお客さまと向き合い、話をしながらものを作れるようになると、自ずとITビジネスパーソンへ近づくと思います。

具体的には、エンジニアになって間もない方であれば「今やろうとしている開発や業務の意味」を考えてみるといいでしょう。

分からなければ周囲の先輩に「このシステム、あるいはこの業務にはどんな意味があるのか」を聞いてもいい。自分が関わる仕事が最終的に誰のどんなシーンに役立つのかを意識的に考える癖をつけてほしいですね。

アイティアスリート

すでに設計・構築の経験がある中堅クラスのエンジニアでも同じです。

プロジェクトリーダー、あるいは詳細設計をする人の立場に立って「次は何が必要か」「こう進めてあげると○○さんはきっと助かるだろう」と想像しながら行動できればITビジネスパーソンとして重宝される人材になっているはず。

というのも、 IT業界では良くも悪くも分業化が進んでいるため「自分の担当はここまで」という考え方をするようになりがちだからです。

でも実際は、すべてがきれいに分業できるわけじゃありませんよね。誰のタスクとも役割とも断定できないグレーゾーンと言いますか、三遊間に転がるボールが多い(笑)

ーーそのボールをどんどん拾った方がいいということですか?

中村:そうですね。より多く拾っていけるといいとは思いますが、何でもかんでも自分で抱え込む必要はありません。

例えば、「ここにグレーゾーンが発生している。自分はここまでやるから、あなたにはここをやってほしい」と自ら話を切り出して、情報や役割を整理できるだけでいい。

その一言が切り出せない人が多いので、主体的にすり合わせができるエンジニアはこれからさらに重宝されるはずです。

ーー佐々木さんは創業メンバーとしてジョインされていますが、その時点でITビジネスパーソン力は持ち合わせていたのでしょうか?

佐々木:いいえ。当社へ入社した当初は、お客さまとの打ち合わせに参加したら「何について話していて、何を求めているのか」は分かる程度でした。

お客さまの求めていることに対して「こうすればいい」と提案をイメージできても、それを伝える力だったり、落としどころをすり合わせる力だったりはない。ITビジネスパーソンとしてはまだまだ半人前でしたね。

アイティアスリート

エンジニアデビューした当初は、お客さまとの打ち合わせに参加しても何を話しているのかさえ理解するのが難しかったのですが(笑)

ーー現在はどのような仕事を?

佐々木:金融系企業のWANの設計・構築を担当しています。一つの拠点でのネットワーク構築もありますが、中心となるのは拠点間を結ぶネットワークの更改に携わるプロジェクトで、そこにエンジニアとして参加しています。

プロジェクトでは、ソフトウエアを用いて仮想的にネットワークを作る比較的新しい技術SD-WANを採用しています。

400拠点を超えるWANルーターをSD-WANに入れ替えるのですが、今は設計フェーズ。お客さまと打ち合わせを重ねながら設計を進めている最中です。

アイティアスリート

最近は社内の管理業務にも携わり、エンジニアの仕事と併せて会社の仕組みづくりも担うようになりました。自身のキャリアとしても、確実にステップアップしていると感じています

ーー佐々木さんは、アイティアスリートで働く中でどのようにITビジネスパーソン力を身に付けていきましたか?

佐々木:とにかく先方との会議に出て、先輩とお客さまの会話を聞き、分からない部分があれば帰社後に「これはどういう意味だったのか」「どういう切り返しができればよかったのか」と先輩に確認する。

細かくフィードバックをいただきながら、次の会議でアウトプットしてみる、の繰り返しでした。

当社では必ず自社の社員二人以上でプロジェクトに参画しているので、とにかく分からないことは何でも先輩に質問しました。

エンジニアに必要な技術と心得、アドバイスなどをすぐに受けられる環境が整っているというのは、私が初心者エンジニアだった頃を思い浮かべてもとても重要なポイントだったと思います。

また、最近導入したばかりの制度ですが、四半期に一度のペースで各プロジェクトの振り返りを行う場を設けました。

携わったプロジェクトを経て身に付けたことや困ったことなどを全員でオープンに共有し、「もっとこうしたらより良くなったね」といった改善点なり、アドバイスを出し合います。

本人にとっては携わったプロジェクトを俯瞰して振り返る良い機会になりますし、他の参加者は他者の仕事を自分の知識に転嫁する良い機会にもなります。

フラットな環境の中で、社内外の人と「関係を構築する」スキルが自然と育つ

ーー社員をITビジネスパーソンへと成長させるために、育成面で工夫していることは?

中村:カリキュラムなどがあるわけではないのですが、新人であっても気軽に意見や相談ができる雰囲気づくりは常に意識しています。

私を含め、上司や先輩、同僚に対して失礼かなとか、怒られるかな、なんて考えなくていい。社員にはよく「思っていることはどんどん口に出して話そう」と声を掛けていますね。

アイティアスリート

そのせいか、私のことを社長だと思っていない若手社員もいるらしいです(笑)

中村:日頃から上下関係なく、建設的な意見や会話が行えるようになると、例えば社外の会議体でエライ人に囲まれた場面でも臆することなく「話せるエンジニア」に成長していくことができます。

だから当社では「○○さんにはぜひプロジェクトが終わっても残ってほしい」とお客さまから評価してもらえるエンジニアが多い。

仮に、口に出したことでお客さまからお叱りを受けるようなことになってしまっても、私が責任をとります。失敗することより、そこから学びを得て成長することの方が大事。そんなことも、当社のエンジニアには伝えています。

佐々木:技術力のある会社はたくさんありますが、お客さまとの関係性をうまく構築できている会社あるいはエンジニアは、ごく少数だとも感じます。

社内外の人とプロジェクトを円滑に進める上で、関係性の構築スキルはかなり重要です。私としてはそれができる人がまさに、これから先も長く必要とされるITビジネスパーソンなのかなと思いますね。

アイティアスリート

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取材・文/小田切 淳 撮影/赤松洋太 編集/玉城智子(編集部)

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