チャットミーティングや英文メールで使える、ネイティブっぽい省略表現まとめ
ネイティブとのメールやチャットの中で「Feel like eating Japanese cuisine.」という英文が送られて来たら、皆さんはどう解釈するだろうか。
日本人の場合、中学校で「動詞から始まる文章は命令文」と習うので、この文章は「日本食が食べたいと思え」という意味だと思う人もいるかもしれない。しかし、この場合は「I」が省略されており、「(メールを送った人が)日本食が食べたい」という意味になる。
こういったいわゆる「ネイティブがよく使う表現」と呼ばれるものを知っておけば、いっそう円滑なコミュニケーションができるようになるだろう。
そこで今回は、アメリカ、シンガポール、日本でそれぞれ活躍するエンジニアの皆さんに、「ビジネスメールやチャットでネイティブがよく使う表現」を紹介してもらった。また、3人がそれぞれメールやチャットの際に心掛けていることも合わせて聞いたので、ぜひ参考にしてほしい。
メールでよく使うネイティブの省略表現
先に紹介した「Feel like~.」のように主語を省略する文章は多い。エンジニア3人がよく使うという省略のパターンを紹介する。
・Would appreciate it if you download this modulefile ASAP.
(=I would appreciate it if you download this modulefile ASAP.)
(訳)できるだけ早くモジュールファイルをダウンロードしてもらえるとうれしいです。
・Be right back.
(=I’ll be right back.)
(訳)すぐ戻ります。※略語で「BRB」と使うことも多いそう。
・Hope you are well.
(=I hope you are well.)
(訳)お元気のことと思います。
・Just a reminder email about the next meeting for the new project.
(=This is just a reminder email about the next meeting for the new project
(訳)新しいプロジェクトのための次のミーティングの(単なる)確認メールです。
・Looks like you are very busy with work.
(=It looks like you are very busy with work.)
(訳)仕事でとても忙しそうですね。
チャットでよく使うネイティブの略語表現
LINEやWhatsAppなどのチャットアプリで会話する場合は、略語や熟語のみの表現も多くなる。
On my way.
(訳)(ミーティングや職場などに)向かっている途中です。
c u then(=See you then.)
(訳)(その時に)また会いましょう。
TTYL
(=Talk To You Later=I will talk to you later.)
(訳)後で話しますね。”
「IC」(= I See)
(訳)分かりました。”]
「OTR」(=Off the record)
(訳)非公式で(オフレコで)
「NP」(=No problem.)
(訳)問題ありません。
略語に関しては過去の連載記事「英文メールでよく見る「略語」の意味は?海外エンジニアに聞いた」も参考にしていただきたい。
海外で働くエンジニアに聞く、英文メール&チャットの注意点
今回、話を聞いた3人全員が気を使うと答えたのがスペルチェックだった。当たり前だと思うかもしれないが、実は、筆者も「register(登録)」と書かなければならないところを「resister(抵抗者)」と書いて送ってしまい、相手に不快な想いをさせてしまった苦い経験がある。送信ボタンを押す前に文章を見直すのは基本中の基本だ。
日本語のメールであっても、一文がやたらと長かったり、長文メールだったりすると、結局何を言いたいのかが分からないことも多い。これは英文でも同じだ。関係代名詞や接続詞などを多用して長々とした文章だと、かえって意味が伝わりにくいので「5文型さえきちんと使えればコミュニケーションは問題ない」という英語上達者も少なくない。
例えば、まったく面識のない人に初めてメールを送る際や、目上の人をCCに入れた状態で一斉送信する際などには、丁寧な文章で送るべきなのは言うまでもない。上記に挙げたような表現を「くだけ過ぎている」と考える人もいるので、送る相手によっては避けた方が無難なこともある。
特に、英語でのメールやチャットのやり取りに慣れていないという方は、下記も気をつけると良いだろう。
日本で海外の人と頻繁にやりとりをしているというエンジニアのAさんは、ある程度関係性ができている相手に対しても「できるだけ丁寧な文章を心掛ける」という。直接顔を見て話しているわけではないので、誤解を与えないようにしたいのと、内容が正確に伝わらなくなる可能性もあるというのがその理由だ。TPOをわきまえ、多用や乱用は避けるべきだろう。
チャットはリアルタイムの会話と同じなので、会話として成立させるためにリズムやスピードを大切しなければならない。しかし、慣れていないとミスタイピングが増えるし、単語だけのチャットになりがちになる。これがかえってミスコミュニケーションやトラブルを招く原因になる恐れがあるのだとAさんは言う。
そのためAさんは、英文のタイピングスピードに慣れるまでは、「言いたいことは事前にメモを書いておく」、「よく使う単語や言い回しはリストを作っておく」ことを習慣にしていたそう。英文メール・チャットが初心者という方はぜひ参考にしていただきたい。
おまけ:英文チェッカー『GINGER』の新機能について
以前の記事でも少し触れた英文チェッカー『GINGER』に、「リフレーズ機能」が搭載された。
この機能は、前後の文脈にあった表現に修正するだけでなく、途中まで書かれた文章を予測し、ネイティブが使うような自然な文章を提示してくれる。
上記で紹介したネイティブがよく使う表現に加えて、自分の英語の表現の幅を広げるために、GINGERのリフレーズ機能を活用してみてはいかがだろう。
取材・文/大井 あゆみ
編集協力/岡 徳之
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